教育

2018年10月15日 (月)

こんな大学院だったらエエなあ・・・/大学院改革

書を捨て、街に出よ(寺山修司)

学生を街のどきどきわくわくに触れさせる、フィールドワークを中心とした大学院教育が展開できたらなあと、個人的に思っている。

c2008年11/21に、こんなことを書いていた。再掲。 フィールドワークは、地域のSR(ISO26000のガイドラインによるすべての組織の社会責任)に従い、USRとして、関西ニーズ、大阪の政策と連携してすすめるべきだ。

とくに、まちなか(中之島センターや大阪駅北ヤードなど)で、社会人高度職業人教育と連動してすすめるべきだ。単なる夜間大学院ではなく、企業マンのサバティカルやキャリアアップと結びついたプログラムを展開できたらエエなあ・・・。EUのエラスムス計画と連動して半期留学した単位がそのまま認められるとか。

たとえば、社会学、経済学、工学、情報学、医学、法学、理学、心理学、文学などのジャンルを越えた学生・教員が、地域のみなさんと一緒になって地域課題を解決しようとするプログラムで、そのプロセスで、異分野間のコミュニケーションデザイン力をつけ、「まちづくりデザイナー」なるキャリアを提供する。昼の現役学生の授業や、環境リスクマネージメントなど他のキャリアも取得できる1年制である。

まとまった時間がない人には、夜間、土日、夏季冬季集中で単位が2年で取得できるようになったら・・・

わくわくするような大学院夢想だが、実際には、昼も夜も土日も働く教員の負担をどうするか、北ヤード教室確保の見込みはと、糾弾されそうだが、夢がなくては、教育はできない。

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2015年5月19日 (火)

不親切曲線

Photo_2劇団衛星を率いる蓮行先生は、まちづくりに造詣が深く、大阪大学の同僚である。
 過日、メディエーション・ファシリテーションなど対話法の授業に、ゲストとしてお迎えした。
 その折、右の曲線を示し、充分な用意をしておらないのは、教育効果をあげるためであると説明された。
 一般に、教員が努力し工夫すればするほど、教育効果は低減し、教員が、わざと努力をしないように工夫すると、学生に対する教育効果は最大になると仰せられた。

 蓮行先生は、演劇のまちづくりへの応用に挑まれているが、まち・みちづくりのメンバーへの適応を、あらかじめ想定せず、状況に応じて話題意提供していただいた。果たして、努力を重ねて熱心に研究し提示した私のコンテンツよりも、蓮行先生のほうが、ずっとインパクトが強かった。
 この図は、蓮行先生の発案であるが、ビジネス特許もとられていないといわれたので、わが、まちみちコミュニケーション研究室の貴重な財産として、ブログにあげさせていただく。
 貴重な図なので、お使いの折は、蓮行先生のこの図の紹介者、森栗に一言お断りください。蓮行先生と検討の上、条件を示して許可します。

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2013年11月 2日 (土)

事業提案の作り方

友人のコンサル社長と話した。
 この会社には、設計士と計画技術士とデザイナーがいる。彼の話を、私の思いに重ねると、
■設計士には、数値の裏側に情感を込めろ
●計画技術士には、ことばのエンジニアリングを考えろ
★デザイナーは、おしゃれ(=かわいげがある)であれ
と指導していると、勝手解釈で聞いた。なかなか、示唆深い。
 事業提案とその評価も、この3基準で考えれば良い。
 数字にもとづくルーチンワークの設計では、何の意味も持たない。何がしたいのか、どんな夢をいだいているのか、その情感がほの見えるような計測数値や設計であり、力のある言葉(他人が、場がどう動くかを想定できるような)の組立(エンジニアリング)を組み合わせるべきであり、それを、人間的魅力のある絵、個性的かつ丁寧な図に仕上げていくことが重要である。
 さて、本日、再生塾Bチームの最後のあがき。まだ、入り口にも立っていない。
 どないすんネン!

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2013年6月16日 (日)

芸がない人でも誰でもできる、無気力職員研修に活気をもたらし、研修成果をあげる手法

今週、某自治体の協働型事業委託制度の研修をした。
 私も大学や学校の研修で、おもしろい、なるほどと思って、意欲的に受講した研修はほとんどない。仕事上の義務として「やらされ感」のある研修を、主催者側講師側の立場から、どうやったら、活性化し、研修の成果を上げるのか、作りこみを工夫した。
 一方、ワークショップデザインの授業で、多様なワークショップについて講義説明したが、受講生の大学院生から、病院のチーム医療?(研修)のコーディネーションの場合、研修だとお通夜のように、シーンとなって、活発な意見がでない。森栗のような(話芸)がなくともできる、良い手法はないか?と訊かれた。
 そこで、誰でも(猿でも)できる手法をお示しする。

①講義の前に、事前ほんねアンネ―トをとり回収する。
 【アンケートチェック項目】
1( )これまでもチーム医療のやり方に問題はないと思う。これ以上、何をせよというのか!
2( )これまでもチーム医療はやってきたが、大きな問題はおきていないと思うが?
3( )チーム医療というけれど、結局、医師の発言にふりまわされるのではないか?
4( )チーム医療のやり方は、本当に必要なことなのか。流行ではないのか?
5( )私は理解したが、部局や上司に理解させ、実施に移すのは抵抗を感じる。
6( )チーム医療は大胆な試みだが、わが病院で先行して目立ち、揚句、梯子を外されては困る
7( )リーム医療にとても関心がある。しっかり学んでいきたい。
   ◆意図◆ 個々の学習レディネスの自己確認=「書くという自己意識の自己認識」

②講師自己紹介の間に、助手がアンケート集計し、ただちにプレゼンに集計を書きこむ

③講義の前に、みなさんのホンネとして、質問の意味を示し、参加者の思いの多いところを共有化する
 そのホンネの意味を(⇒)で明示化する
 1( )⇒問題の無視
 2( )⇒問題の軽視
 3(多かった)⇒医師の態度への不信
 4(次に多かった)⇒チーム医療というやり方への不信
 5( )⇒仲間への不信、自己の説明能力への不信
 6( )⇒行政組織、医療業界:医療事業者組織への不信
 7( )⇒意欲あり
   ◆意図◆ 問題状況の全体としての見える化

④ 概要説明

⑤ 質問かチーム医療の展開意思「こんなことに留意してチーム医療をしてみたい」とか「□□の成果を期待してチーム医療をやってみたい」とか、を10字以内でA4の紙に、太い黒のホワイトボードに書いて、関連のある意見 の近くに、マグネットで貼り付ける。

⑥貼り付けた内容を、コーディネータが読み上げ評価していく。

⑦写真に撮る(研修成果の個人的定着、意欲表明を「集めて」「見える化」
   ◆意図◆ 個々の取り組み意思表明を

⑧研修事後のホンネアンケート
そのホンネの意味を(⇒)で明示化する
 1( )⇒問題の無視
 2( )⇒問題の軽視
 3(多かった)⇒医師の態度への不信
 4(次に多かった)⇒チーム医療というやり方への不信
 5( )⇒仲間への不信、自己の説明能力への不信
 6( )⇒行政組織、医療業界:医療事業者組織への不信
 7( )⇒意欲あり
   ◆意図◆ 研修での意識変化:成果、課題を評価する

この強制的に①事前、②講義後、③ふりかえり後 と3度書かせ、①意識の明確化・全体としての共有化、②展開意欲の文字による表明=行動意欲の定着化、さらには③変化した自己を再確認する。

寝た子も揺り起こす、やり方が必要ではないか。

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2013年4月10日 (水)

2011年まちづくりワークショップ入門授業報告UPしました

2011年まちづくりワークショップ入門授業報告、2011年まちづくりワークショップ入門講座
 最近の業績論文にUPしました。

【授業連絡】「森栗先生の授業をすっごく受けたいけど、定員があって厳しそうで、どうしたら良いですか」と、CSCDのほかの教員に尋ねてきた学生がいたそうです(名前は不明)。お答えします。
A. 叩け。さらば開かん。(新約聖書マタイ福音書七章) 定員を越え、無理を越え、栗は開かん。栗は来たれり。

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2013年4月 9日 (火)

民俗的計画学からみたコミュニケーション発生の場、土木計画学、 歩き、土木計画学、お遍路、 ワークショップ、教育学

「民俗的計画学から見たコミュニケーション発生の場」を最近の業績にUPしました。教育論です。

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2013年4月 5日 (金)

見る前に飛びこめ

昨日、医学系保健学科で、本日、基礎工学研究科でCSCDの説明を10分でした。
 基礎工(工学と理学融合)の学科長が、「転ばぬ先の杖」という諺は、 Look before you leap. という。しかし、Lookなんかしとるな!失敗を恐れず飛び上れ!と、物凄い訓示。基礎工学研究科が、なぜ成果を次々上げているのか、その一端を垣間見た。
 続いて、某教授が、「通学定期の不正防止、健康診断を受けろ、履修の仕方・・・。こんなもん、大人のみなさんに何で説明セナいかんのや。自分で考えろ」。これまた、ごもっとも。
 でも、自分で考えれない人が少なからずおり、自分から飛び込むことができない学生が多いのが現実。
 CSCDは、大学院共通科目、社学連携として、みなさんに「飛び込み方の勘所」、このあたりで飛び込むと効果が大きいよ、とか、飛び込むときの考え方とかを、教えているかも…。
 安心して無茶ができますので、ぜひ、受講ください。
迷ったら、飛び込め。要領が悪く、共通科目まで手が出ない人こそ、無理をしろ。とびこめ。自分を変えようとしなかったら、何も永遠に変わらない。
 あかんかったら、ゴメンっていえば、しまい。まずは挑戦、履修せよ。
 8日から始まる、能勢電の授業、面白い。能勢電を通じて、これからのコミュニティ、団地開発、新しいインフラの価値などを、文学博士が展開するまちづくりを考える。医療福祉や政策、観光を考える人は、ぜひ受講を。
 第二学期、吹田ではじまる、協働まちづくりの授業も、必見。今から、履修予約しておこう。
いずれも、講義45分、ワークショップ型授業45分。受けるだけで、世界が広がる。

CSCDの授業を受けるともらえる特典
① 挑戦、イノベーション可能な自己になれる
② いろんな友人、先生に出会える
③ 何か、コミュニケーションの授業をとっていたら、就職に有利?

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2012年12月20日 (木)

ワークショップと苅宿教育論

16日、中之島センターで、ワークショップデザインの授業(平田オリザ教授他)で、まちづくりワークショップという手もありますよ、という告知授業をした。私の前に苅宿俊文先生(青山学院)の「なぜワークショップデザインなのか」という授業を受けた。以下、そのメモ。
***********
地球人口が90億になろうとするなか、日本は人口減、減少する生産年齢人口
   ⇒多元化は不可避
    多元化とは、トラブルが多い社会=当たり前が違う人々、
       →
世代間対立、
       →国籍間対立
[人種差別]
       →地域間格差対立
                  
共生は不可能 だからコミュニケーション力が必要
       その技法がワークショップ=コミュニケーションは小手先技術
 協同性→即興性→
       →身体性→自己原因性
情報の非対称性:伝えきれない部分(ディスコミュニケーション)がある
     ⇒ディスコミュニケーションを文脈化(対話)する(=
和文和訳)の必要 
■学習とは
 行動的学習観(刺激反応):できる ex.九九            得量を試験
 
認知主義的学習観(知知識構成):わかる なぜそうなのか 獲得質を試験
 
社会構成主義学習観(納得解):わかちあう 1990年代   経験した質を見る
 ワークショップならでは、楽しいの中身=◎自己表現、自発性
                ▽伝える力 協力する力
    協働とは何か プロセス共有、交流探究での納得感 互恵的学ぶ
私たちはファーストフォローアー(TED)になりたい=勇気がいる 和文和訳
  そのためには、リスペクト・自由が必要
  当事者意識とは何か
                 

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2012年12月18日 (火)

話しあいの人数は何人が最適か?

20121218
楽しそうな授業写真、素晴らしい学生たちです。
 地域交通コミュニケーション特論は、23人の工学、人間科学、理学、文学の大学院生が、各地の交通計画を学び(45分)、議論(45分)している。
 全体自己紹介、6人組での意見の交換・代表意見の発表、個人の感想書き(A4)と全体図掲示・・・などを10回重ねた。
 冬になり、就職解禁、修論中間発表が近づく17日、10:30に8人しかいなかった。日本の民設民営交通事業と公設公営(自治体交通局)との間に、公設民営、上下分離、PFI、PPPなどがあり、交通では民設民営とでもいえる京丹後市上限200円バス、民設住民営ともいえる山口市コミュニティタクシーなどを、survice+management で説明した。
 10:50頃には、16人になった。そこで、最初から学んだ8人と、後から来た8人が横になり、2人組で、授業内容の教え合い、疑問・ポイント感想を話し合ってもらった。
 驚いたことに、学生の手が動き、学生どおしが向き合い、肩を寄せ合い、大きな声で、笑みを浮かべながら語り合いだした。
 凄い! コミュニケーションって、こういうパーソナルスペース、心のパーソナルスペースの越境が起きている。
 話合いの基準、通常は6人、向こう三軒両隣で話合いで授業をすすめた。しかし、KJ法とファシリテーショングラフィクス連用で、白板を使った20人の話し合いもすすめた。
 その上で2人の話し合いをしたところ、16人全体に素晴らしいコミュニケーションが生まれた。学生の臨機応変の対応力、能力の高さ、意欲の高さに、感動した。
 いやー、遅れてくる学生も、みんなで議論したらエーもんです。
でも、次回、1月7日はゲスト(みなと観光バス社長)ですから、みんな、遅れないでね!

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2012年12月12日 (水)

第三者評価はいかにあるべきか

従来は、行政の指定管理委託は、退職公務員を受け入れる第三セクターに落ちることが多い。その第三者評価委員会は、弁護士会、会計士会、商工会議所、あたりから、人を推薦してもらい、役所の事情を理解するえらい先生が取り仕切って決めることが多い。たいていは、意思決定権者である役所の評価項目等に関する介入により、三セクに落ちる。企業は採算が合わず参戦せず、NPOなどは敗退する(と、某市で落とされたNPOの者としては、思っている)。
 近年は、行政も財政再建もあって、安いところに投げ、業者もビル管理、清掃業、警備、印刷出版だけではやっていけず、指定管理も本気で取りにくる。ときにはNPOと組む。しかし、ビジネスチャンス拡大と言いつつ、市民サービスが低下することのないようにしなければならない。
 こうしたなか、第三者評価会議の実質価値が必要となり、その在り方が課題となる。
 米国では、格付け会社や、評価ビジネスの会社(は少なくて、政策NPOらしい)があり、一定の方式を採用して、必要な弁護士や会計士、専門家を依頼する。日本のように、適当に委員をボランティアのような金額で集め、適当にお願いするわけにはいかない。
 そもそも、評価には、事前評価(環境評価など)、計画評価、設計評価、制作評価(形成的評価)、実施評価(総合的評価)の各段階がある。近年、事後評価、中間評価がいわれているが、それを契約事項にどう反映するかは、日本では、第三者評価委員会を弁護士会や会計士会所属の個人に丸投げしているため、手法が未開発である。評価指標も未開発である。
■評価指標         ■評価目的
インプット             インプットの評価
アウトプット            アウトプットの絶対評価
アウトプットA:アウトプットB    アウトプットの相対評価
アウトカム             アウトカムの絶対評価
アウトカムA:アウトカムB      アウトカムの相対評価
アウトプット/インプット    効率(工程管理水準)の絶対評価
アウトカム/インプット     費用対効果の絶対評価
アウトカムA/インプットA : アウトプットプットB/インプットB 費用対効果の相対評価

土木計画等では、効率と効果との区別ができているか、極めて怪しい。
 形式的アウトプットを、アウトカムと混乱して評価することが少なくない。
 たとえば、自己資本比率といっても、NPOと株式会社とは、立場が違うので、比べるわけにはいかない。人件費比率も、事業費に人件費を含みこませれば、人件費比率は下がる。形式的数字の効率だけみても意味がない。
 事後での、program theoryによる中間評価も意味がある。それを、契約条項にどう含みこませ、遡って減額、増額する契約も重要である。

検討課題は山のようにある。指定管理をやって、事後、やれやれホッとで良いのか。その選定委員会、選定手法そのものを、評価項目もそのものも含め、再評価することが必要ではないか。評価なきところに、政策なし。組長に言われて、バタバタで、挙句終わってみれば、やれやれじゃ、ダメ。

20世紀の偉大な思想家水前寺清子の言葉に
「勝った負けたと騒ぐじゃないぜ、後の態度が大事だぜ」がある。

参考:安田節之・渡辺直登「プログラム評価研究の方法」新曜社

 

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