墓と位牌の継承・断絶に関する合意形成(15/02/15修正)
T家では、30年前、姉妹の妹のつれあいを養子T.Sとし、田舎の墓5基、位牌・仏壇(真言宗)、神棚を当主T.Suが守ってきたが、30年後、死亡した。
① 養子T.Sは、当主T.Su葬儀の後、真言宗檀那寺に「祭祀・維持困難として、大阪一心寺納骨(浄土宗:無宗派受入・全骨1.5万円、練り合わせ骨仏とする)を検討していることを伝え、T.Suの火葬骨を自宅に持ち帰り、四十九日法要は檀那寺は遠いのでと、ペンディングとした。
【家・仏壇・墓継承を前提としている檀那寺に、墓ではなく無宗派納骨の意図が伝わりにくい。が、苦悩を公開、共有することはできた】
② T.Sは、つれいあい(元真言宗)と相談の上、つれあいが懐く浄土宗・真言宗の違和感を推量し、墓じまいにともなう5骨壷を納骨(全骨)としてHPから高野山持明院納骨(10万円×5柱)を検討する。
③ 檀那寺から手渡された書類に「(地域の)8ヶ寺高野山供養塔納骨申し込み3万円」を発見。T.Sは、檀那寺に、田舎での四十九日供養、8ヶ寺高野山供養塔への全骨納骨を電話で申し入れ、事前相談を申し入れる。
【家と墓をセットで考える檀那寺は、分骨による高野山納骨を前提としているので、全骨納骨の意図が理解できない】
④ 事前相談の前に態度を確定したいT.S夫婦とT.Su未亡人は、高野山奥の院に行き、納骨の可否を相談する。⇒「分骨3万円が前提で、全骨納骨はない」との返事。
⑤ ②③④「奥の院では全骨納骨できない事実」を前提に、高野山奥の院茶処で家族で相談した結果、
・四十九日は檀那寺に執行をお願いする
・墓じまい、位牌性根抜きの後、すべての骨を分骨し、喉仏等は(地域の)8ヶ寺高野山供養塔に分骨納骨する
・その他の全骨は、一心寺に納骨する
□その方向で、檀那寺には面談して理解を求める
とした。
これを、交通まちづくりに即していえば、
①は、当事者(利用者)の意向を情報公開・檀那寺(事業者)と共有化した
②では、当事者共同者間(住民間)のおりあいを確定した
②+③ データを集める
④ 現地でヒアリング。全骨不可というトラブル臨床状況
⑤ 現場の絶望の緊張感のなかでの、方針・対処・工程の合意形成
その上での、檀那寺(事業者)との交渉
これって、私のことです。合意形成づくりの勉強してきて、その手順が自分の家族の課題解決の合意形成に役立った!
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