子ども食堂
「こども食堂とは、こどもが一人でも安心して来られる無料または低額の食堂」。
それだけ。
「こども」に貧困家庭という限定はついていない。
「こどもだけ」とも言っていない。
大事なことは、子どもが一人ぼっちで食事しなければならない孤食を防ぎ、さまざまな人たちの多様な価値観に触れながら「だんらん」を提供することだ。
だから、一人暮らし高齢者の食事会に子どもが来られるようになれば、それも「こども食堂」だ。
「こども食堂を開く時『困っている人やお金がない人は来てください』と言ったら、絶対に来ないでしょう。また、そんな情報も届かないかもしれません。特にひとり親の方々は支援や制度、人や地域とつながる時間の余裕が全くありません。
問題はお金だけでなく「時間」と「つながり」の困窮による孤立です。子ども食堂の意味は“単に子どもがご飯を食べる場所”ではありません。子どもも大人も社会的孤立の状態にあって得られない情報や、支援、制度利用、つながりを得られる場が必要です。日中は行政と学校というセーフティネットがあります。もうひとつ、地域が「生きること」を支える役割を果たせるようになってほしい」
”場”としてのこども食堂
「むしろ、より積極的に、多世代交流型になることが望ましい」と近藤さんは言う。
孤食をわびしく感じるのは、子どもだけではない。
若者もお年寄りも、仕事で疲れて食事をつくる元気の出ない母親や父親も「今日はちょっと食べに行こうかな」と寄れればいい。
そして、子どもは食事後に遊んでもらったり、ちょっと勉強を見てもらったり、 母親や父親は人生の先輩たちから子育てのアドバイスを受けたり、地域の子育て情報を交換したり、お年寄りは、子どもと遊んであげることを通じて子どもに遊んでもらえばいい。 そこに障害のある子どもや大人がいてもいいし、外国籍の子どもや大人がいてもいい。より多くの人たちが「自分の居場所」と感じられるようになることが理想だ、と。
支援ではなく、命をともに守る、つながりの場づくりなんだと知った。
湯浅誠「子ども食堂で考える、貧困 対策に必要なこと」 東洋経済ONLINE 2016/7/23・24
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