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2015年3月16日 (月)

山下祐介『地方消滅の罠』選択と集中ではなく多様性の育成

山下祐介『地方消滅の罠』ちくま新書、2014年
 少子化と過疎化で、小学校の統廃合がすすんでいる。しかし、小学校の統廃合は、地域での子育てをあきらめることにつながる(p60)。小学校統廃合こそ、過疎の原因なのである。
 また、公共交通が縮小され、高校生が自力で通えなくなることが過疎の原因になることもある。そもそも交通費が高くなって住みづらくなる(p61)。高校生子育て層の流出は、小中学生の減少につながる。
 小学校を廃校するという「棄民」政策は、人々を「逃散」させ、住むことを「諦め」させ、逆にどこかで助けてくれるだろうという行政「依存」を高めてしまう(p68)。
 地域のダイバシティ(多様性)を活かし、行政・事業者などの上下、または隣の地域・遠い地域とのコネクティビリティ(連携)をすすめ、レジジリエンス(災害へのしなやかさ)な地域づくりがが必要である(p122)。
 そのためには、生活地域から地域の再構築を考え、住民のみならず出入りする学者や行政マンも含め全員参加の討議の場を設定し、国や自治体も含め上からの協働が必要で、その仕組みを運用するコーディネーが必要だ(p168-171)。
 このように、成長のための「選択と集中」論ではなく、地域課題を主体的に解決して持続していく「循環型の暮らしづくり」が「生」をつなぎ、人口を増やすことになると言い切る。ときには、居住していない人の参加、思いを持つ人々の参加、里帰りも大切だとして、多様な人が参加するための高速道路無料化を評価している(p269)。
 しかし、「インフラは、効率性や採算性ではなく、暮らしや経済のために必要だから、公共の名の下に確保する」(p94)という支援前提論があり、厳しい財政のなかでなんとかやっている自治体からすれば、いささか評論的と思えるかもしれない。むしろ、「インフラは、効率性や採算性ではなく、暮らしや経済のために必要だから、人々が生きようとする限り、可能な限り、知恵をしぼって、支援していく」という姿勢が実態にかなっているのではないか。

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