大都市近郊の集落維持
学生と能勢電鉄沿線のまちづくりを学んでいる。18日、終点、妙見口駅前の吉川地区で、自治会長さんにお話を伺った。率直な吐露をいただき、感動したのでメモする。
能勢電鉄は、阪急川西能勢口駅から妙見口駅、団地の日生中央駅を結ぶ阪急グループの中小私鉄である。かつては、能勢方面から「三白三黒(米、寒天、高野豆腐、牛、栗、炭」輸送、大阪商売と芸能の北辰(北極星)守護神の能勢妙見参詣輸送で栄え、70年代は団地開発で栄えた。
しかし、近年は道路が良くなり、クルマ移動と団地と川西能勢口を結ぶ直通バスにより、能勢電は危機感を持って、沿線価値向上に取り組んでいる。なかでも、妙見口駅前の吉川集落は315人の集落で子どもが数人。駅から黒川駅(妙見ケーブル下駅)まで2㎞の距離にあり、10分ごとに電車が到着し、梅田から1時間の里山集落である。
しかし、便利であるがゆえに、子どもたちを外部に働きに行かせてしまい、高齢化したなかで集落維持の困難を感じている。そのポイントは、
・電車の10分ピッチのダイヤは維持できるのか
・集落の山だったときわ台団地の子ども(吉川集落内の小学校に通って来る)が少なくなり、隣の小学校との合併で、明治7年以来の学校が集落からなくならないか
・人手不足のため棚田が畔のない貸し農園となり、出合い仕事(水路整備など共同作業)が難しくなり、里山の景観・水環境が守れるのか
という危機意識がある。
しかも、その危機感が集落全体に共有化されていない弱みがある。
こうしたなか、H23/11に公民館の公金支出(?万円/年)が不可能となり、住民維持の自治会館に切り替わった。住民は人件費0円、貸し館事業で何とかやってきた。
H24/3-4からは、花折街道(※)などまちづくり連絡会議を始めた。
H23/12 能勢電も妙見口ー黒川の活性化を模索
H24/3 一方でふるさとの風推進会 が動きだし、そのなかの女性グループ(なでしこG)がひなまつりなどで活躍する。
※吉川からは山越えで池田に向かう長尾街道があった。一方、猪名川を遡り一の鳥居から分岐して吉川に入る花折ができて、吉川は妙見宮の門前町となり栄えた。また、多田銅山の山下の町へは、醤油を買いに行った山下古道があった。山下古道はマウンテンバイクの道として活用が期待される。
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