« 2014年3月 | トップページ | 2014年5月 »

2014年4月

2014年4月23日 (水)

山岡淳一郎『インフラの呪縛』

土木工事は、国土の維持のためには重要だ。災害がおきれば、建設会社のブルが、自衛隊の前にたって瓦礫を処理していく。
 しかし、なぜ土木工事は、マイナス評価を与えられてしまったのか?
バブル崩壊後、公共事業は
A 官製談合への指弾(田中角栄に端を発する政治とカネの問題)
B 財政面からの指弾(小泉「聖域なき構造改革」)
C 環境保護
の観点から非難される(p173)
 Bについては、1995年、財政制度審議会が、B/Cを出してコスト・ベネフィット論を展開した(p187)
 しかし御厨貴『政治の終わり、政治の始まり』は「小泉政権は社会を変えた。それは政治や経済の改革そのものではなく、改革の手段において小泉政権が破壊的だったことを意味する」と指摘している。何も政治や経済は改革せず、壊しただけではないかと指摘する。
 にもかかわらず、道路局は、堂々と「何のために道を整備するのか」を国民に説明できなかった。自虐的に「道路で国民に支持されたのは、道の駅だけですから」と言っていて良いのか。もう一度、正々堂々と、国土軸の必要性、そして国民にいちばん近い生活道路の維持活用の今後の大展開を、大きな声で言うべきだ。
【大阪市の橋下改革も、大変な努力、勇気であるからこそ、単なる破壊のみに終わらせてはいけない。新しい大阪コミュニティ、人のまち大阪を主張すべきだ】

 結果⇒1993年 一般競争入札制度 でなければ「悪」と指弾され、下を向いてしまった。
【大阪市でもコミュニティの地域の人がやる公園の清掃管理まで、競争入札、コストが最重要と、勘違いしている職員が多い。誰がやっても同じ大きなものは競争すれば良いが、住民がする公園の清掃を競争入札して、どうスンネン!】
 胸をはって、大きな声でその大切さを訴えよう。そのためには、もっと現場に出て、現場で考えねばならない。 

◆インフラ整備を怠ると
『荒廃するアメリカ』1980年代次々橋が落ちる
 1967年 シルバー橋崩落46人死
 1968年 スーザン橋崩壊
 1983年 マイアナス橋落橋 3人死亡
  →米国では、その対処として4¢/ガソリン(ガロン)を徴収し、維持経費にあてている
◆競争入札は、ダンピングと質の低下をもたらし(p186)
 郷土をまもる地元の小建設業を疲弊させた。
 ⇒そこで、総合評価制度が、実績・社会貢献・能力などを点数化して評価して入札したが、こんなことをしたら大手が有利 に決まっている

こんなことで、良いのか!
【森栗案】なんで 統制的手法 or 市場メカニズム の二者択一なんや!
      「なんでそんな単純な頭で社会を考えるのか!」と言いたい
  コミュニティの事柄、コミュニティの人しかできないような 小さいけれでも大切な仕事は、
  一定の専門、地域企業と連携した
   公開による地域の継続的協働貢献評価制度 をすべきである。
  コミュニティの道の管理や活用事業は、この制度をすべきだ
素人ができるような簡単な橋梁の管理マニュアル(NPO橋梁メンテナンス技術研究所)もあるではないか

(p238-239)藤井聡『国土強靭化論』8策
  防災インフラ、リスクコミュニケーション、
  コミュニティの維持と活性化、
  エネルギー確保、
  企業の事業継続計画の義務化、
  有事復旧対策想定、
  経済力の維持、
  国土構造
 またぞろ公共工事談合がと言う新聞があるが、読んでから言え!ちゃんとした国土軸は、自衛隊が必要なのと同じように、必要なものは必要なんだ。その上で、
リスクコミュニケーションやコミュニティ維持は、故郷を守る地域の建設業の事業継続をはかり、それと協働して自分たちですすめるべきである。そうした自立した活動を支援する制度を国は整備せねばならない。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2014年4月13日 (日)

熱い受講希望と就職活動

14日、能勢電まちコミュニケーション、15日(豊中で)、16日(吹田で)、授業のオリエンテーションをする。次のような問い合わせをいただいた。
 私の授業が、そんな熱い思いを起こしていることに感動した。できるだけ配慮せねばいけない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
森栗先生
 こんにちは。ご無沙汰しております。
人間科学部4年□□と申します。
授業説明会への参加に関して、ご相談があります。
 交流システム実践論Bを以前から履修したいと思っており、今学期で受講させていただく予定だったのですが、就職活動で東京におり、火曜日および水曜日の説明会に、参加できなくなってしまいました。
 説明会への参加が必須とのことですが、どうしても諦め切れずご連絡させていただいた次第です。
 私は2010年入学の5年生で、昨年度の参加者であるYさん、YMさんと同期にあたります。「お遍路に参加してほんとうによかった、今の職業観の元にもなった」という話を聞き、是が非でも今年のラストチャンスで参加したいのです。
 去年はCSCDのT先生と一緒に適性技術についても学んでおり、四国八十八ヶ所巡りそのものを一度、学生のうちに同じ視点を持った仲間と、成し遂げてみたいという想いも強く持っています。
 就職活動の方も何とか日をずらせないかと鋭意調整中です。別日程で直接先生の元に伺うなどで説明会の代替を持てないか、ご検討いただけないでしょうか。 ご無理を言っているのは承知です。 何卒、ご検討、よろしくお願いいたします。
お返事お待ちしております。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【返信】
□□ 様
  森栗@東京 です
熱いメールありがとう。
就職活動、大変ですが、この熱い魂、あきらめない気力で、きっと乗り切れるでしょう。
嬉しいです。
 添付参照、参加意向票を書いて、以下のなかで都合がつくときに、豊中ですがご足労ください。(略)4月22日の春組の事前学習も、複数候補(25日夕方しか私の時間がありません)も仕方ないですね。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
他の方も、多少なりとも考慮します。メールください。
また、ほかの授業、交通や八尾も考慮下さい。第2期(10月~)の授業も検討ください。

| | コメント (0)

2014年4月12日 (土)

研究事務補助アルバイト学生募集

まちみちコミュニケーション研究室の事務補助
▼道路・交通行政の地域現場実態からの企画研究を行っています
■まちづくり、交通、多文化観光などに関心のある大学院生、
 国土交通省・コンサル・自治体・高速道路会社・交通事業会社等就職希望者。
■勤務時間 12時間程度/週(曜日等は委細面談)
■報酬 大学規定による
■特典 常時研究室利用、専用机・ロッカー利用可
■契約期間 1年間(継続可能)
■大学院後期進学希望者、現役後期学生は別途研究優遇あり
申し込み ブログ内メール またはmorikuri[アットマーク]cscd.osaka-u.ac.jp

| | コメント (0)

2014年4月 6日 (日)

授業履修の手引き

4月から、まちみちコミュニケーション研究室に、国交省から新教授を迎えた。
挨拶まわりというビジネス対話に忙しい。能勢電鉄、大阪市役所、近畿地方整備局、近畿運輸局、京都市役所、両備ホールディングス、四国地方整備局、国土交通省、内閣府、エコモ財団、道路環境道路空間研究所、国土技術センター…
 市役所でいろんな仲間に出会い、運輸局で阪急電鉄、和歌山電鉄の皆さんの出会い、楽しい。羽田空港のこともあるし、わが研究室は、どこまでいくの?というほど大変。
 そろそろ、授業の質問が来るので、事前にご案内
●私の授業の有利性
地域交通コミ、観光実践論
 ・コミュニケーション的ワークショップ的な授業構成
  ⇒将来に役立つ
 ・交通のみならず総合的まちづくりの現場実態がわかる
  ⇒コンサル、公務員等まちづくり関心者は受講すべし
 ・現役官僚教員の指導もあり、国の施策の方向がわかる
  ⇒国家公務員希望者は受講すべし
お遍路
 ・歩くことで発見するコミュニケーション、自己発見、挑戦
▼よくある質問
 ・8月11日の報告会は、出ないといけませんか。⇒必修です
 ・5月3-6日のうち6日は、出席できません。⇒履修できません
 ・アプリの知識がありませんが
 ⇒電波が届かず、アプリは限定的。多言語、国際コミュニケーションなどの観点で歩いてください。
 ・動画をとって編集し、ユーチュブにアップして発表に代えたい
 ⇒歓迎です
 ・英語・中国語・韓国語・仏語・独語・西語のお遍路サイト、FBを作って、参加者の体験をめとめ、発信したい。
 ⇒歓迎です
 ・日本語日本文化留学生ですが
 ⇒歓迎です
 ・2年生ですが受講できますが
 ⇒基本、大学院の共通科目です。現状の勉学に支障がなく、かつ、アプリ技術、映像技術、仏語など、セミプロ・ネイティブ程度の特殊能力があり、とくに希望する場合はOKです
 ・富山県の出身です。2年生ですが観光実践論越中八尾受講できますが。
 ・川西市民です。地域交通コミ、能勢電を受講したいのですが
 ⇒勉学に差支えなければどうぞ
 ・国交省やNEXCO、JR、コンサルを希望します。受講したいのですが。
 ⇒とくに10月吹田での地域交通コミを受講ください。
 ・鉄ちゃんです。受けて良いですか
 ⇒鉄ちゃんには善意がある。鉄ちゃんの政策化が、私のミッション
 ・地域医療に関心があります。地域交通コミや観光実践論を受講しても良いですか
 ⇒地域交通と医療福祉はおおいに関係があります。越中八尾でも高齢化、空家の問題を扱うことができます。

| | コメント (0)

« 2014年3月 | トップページ | 2014年5月 »