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2013年11月28日 (木)

鳴海邦碩「人間のための道路づくり」道路占有許可と道路使用許可、オープンカフェ、旭川買物公園

『都市問題』103(2012年、後藤安田記念東京都市研究所、58-67頁)の重要な指摘をメモする。10
 地方事務に対する枠づけ緩和として、道路法政令で決められている道路幅員を条例によって地域実情に合わせることができるようになった。
 また、国土交通省も「人間重視の道路創造研究会」2008-2009年、「道路活用ガイドライン」2005年を示している。     
 しかし、
 ■道路法の道路占有許可基準=公物管理⇒公益実現
 ■道路交通法の道路使用許可=公物警察⇒現状維持
は変わっていない。占有許可については、アメニティの特別許可要件から日常許可に変わりつつある。その先導が旭川買物公園(実際は道路)で、町の賑わいを作っている。
 日本の都市が、欧州の都市のようなアメニティが実現できず、過剰な通過自動車交通のさばきのみが課題となっているのは、道路の公物警察を、地方警察署長許可の差配如何に委ねている法制度に起因する。
 公物警察の優先により旭川買物公園がとん挫しかけたとき、商店街理事長が「士農工商」の議論で良いのか、若者の声を聞け と叫んだという。
 道路を含んだ町のアメニティが、いつまで士農工商、地方の警察署長の判断一つに振り回されるのか。抜本的に道路関連法を変えねばならない。
 道路には、通過機能と、コミュニティ交流機能がある。この融合が道路のマジックである(David Rudlin &Nicholas Falk,"Building the 21st Century Home:The Sustainable Urban Neighbourhood2,Architectural Press,1999)。なかでも椅子やテーブルを置いたカフェは魅力的な空間を創り、それは最良の安全の指標である(Roberta Brandes Gratz and Norman Mintz,"Cities Back from the Edge:New Life for Downtown",John Wiley &Sons,INC,1998)。
 鳴海先生は、道路を都市空間の一部と考え、都市魅力創造を提言している。
 その実現こそ、まちみちコミュニケーション研究室の本旨である。そのためには、現状の道路法による道路建設を残した上で、新たに脱設置者主義、維持管理主義、非通過交通主義、脱自動車中心主義の新たなまちみち基本法を制定し、そのもとに都市計画法、軌道法、とともに道路交通法を改正、関連法を整備しなければならない。
 すでに、2013年6月5日公布、道路法の一部を改正する法律には、協議会の設置が書き込まれている。ここを基礎に、協議会の実、先導事例を実践的に検討するのが、まちみちコミュニケーション研究室のミッションなのである。
 協議会は、住民が、士農工商に立ち向かう橋頭堡にせねばならない。各地で革命を興してから、実態に応じて基本法を整備すれば良い。
 その意味でも、鳴海先生のご指摘は、意を得たものであった。

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