« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »

2013年9月

2013年9月28日 (土)

【秋遍路】イノベーションは、歩きコミュニケーションのなかから生まれる

17ー20日秋遍路授業足摺岬。四万十川の大師堂で語り合い。
Image_3水浴び(浴びたくなったら入ろうよ)Image_2
21-22日、東京で仕事。北海道集落維持を検討。
22ー23日 ワークショップ設計論(中之島センター:神戸まちづくりWS研究会の先生方、ありがとう)
24-27日、追加遍路授業(松山ー四国中央市三角寺)。横峰遍路道で道に迷う。道案内の高齢者が、手書き地図を示して説明してくれる。(いつも迷子が出るのだろう)20130998jpg

27日 宿泊した新長谷寺住職の丁寧な密教解説に耳を傾け、9時発。えらいこっちゃ!三角寺12時前着。13時のバスに間に合うか? 納経を済ませて、学生と急いで下山。「迷わなかったら10分前に到着できるね」と、グーグルマップをみて語り合っていたら、山道に迷う。「登ってきた道と違う!」。が、何とか下山。急いで三島川之江ICに向かう。12:52、バス停到着。と同時に13:00発阪神バスが現れる。あまりのジャストタイムに、皆、苦笑。
森栗「おかげ、おかげ」

お遍路宿坊で、同道いただいているCSCDの西川教授、宮本助教と議論
▼単に歩くのではなく、個々の研究している大学院の専門を拡張させる、進化させる、研究レポートを提出したい学生のみを公募し、その目的でお遍路体験するのが良いのではないか。
◆グーグルマップを活用した歩き遍路のアプリを作るプロジェクトに関心のある学生を集め、ナビタイム・駅すぱーと、全国街道協議会、国交省と連携をもってすすめる。
 という方向性が、議論された。

一部の専攻では、こうした大学院共通科目について「そんな授業はどんな意味があるのか」「専攻の授業をきちっととりなさい」と指導されているそうだ。
 意味が最初からわかっているようなことばかりしていては、イノベーションはできんよなあ?ショボイ研究者、教師もおるんもんやなあと寒心するものの、
 それはさておき、来年は、「どんな人にでもわかるように」上記のプロジェクトをベースとして、以下の説明をつけてすすめることにした。

■概説 お遍路とは、単なる巡礼ではなく、お接待文化の中での出会いシステムであり、人や風土に出会いコミュニケーション力を養うことができる。のみならず、遍路道の景観デザイン、途上の道路、バスや鉄道などの交通システム不備・欠落を発見できたり、遍路道保存協会のサイン表示の見事さを体験できたり、皆伐や耕作放棄など生態破壊や農業問題にふれることができたり、山頭火・子規など遍路文学の場に出会えたり、さらには、津波・災害時のリスク対応の地域状況を観測できたり、多様な現場フィールドワークの可能性が点在している。
■大学院生が遍路を受講する意味
1)日本的コミュニケーション(お接待)の代表で、世界遺産が議論されているお遍路を若い時に体験したい。コミュニケーション力は、就職活動に必須。
2)早寝早起朝ごはん規則正しい生活・身体運動により、心身をリフレッシュし、新たな観点で専門の研究を促進したい。
3)他分野との交流により、異なる発想法を知り、臨機応変力、研究の発想力、社会での応用力を身につけておきたい。
■交流システム論授業には、次の2つのコースを設定する。
①オープンプロジェクトベースドラーニング(PBL). 自分でお遍路に関するプロジェクトを作り、実地体験して、レポートをまとめる。 多専攻の学生による体験実践型発見学習 により、多様な発見手法を相互学習する
②お遍路地図アプリ造り…グーグルマップのUP,DOWNを活用して、遍路地図を入れ込み、外国語対応も考慮した、またリスクマネージメントを考慮した、アプリを作り、それを販売する学内ベンチャーを、プロバイダー、国交省と連携して模索する。
※ゆえに、単に4日間とって、お遍路に行くだけの授業ではない。宗教教育でもない。研究人材育成プログラムであり、それ自体、新たなアプリ開発のエンジニアリングビジネスを狙うものである。価値があるかどうかは、学内の評価のみならず、PBLやアプリが、社会的にどう評価されるかによる。

| | コメント (0)
|

2013年9月19日 (木)

中浜万次郎の村

 ジョン万次郎の中浜で話を聞いた。
 足摺岬の東側は、室戸からの鯨漁で住みついた集落。
 土佐清水をはじめとした西側の七浦は、漁業と廻船を有して商売をしていた。なかでも中浜には、山城屋 和泉屋  山善 山弥 丸西 5軒の廻船問屋があり、和泉儀三郎は5はいの船を持って、木材、炭、それに人材を集めていた。Nakahama
 明治からは鰹節業をはじめ、そこから5代目である。 
 和泉家は、元は四万十川河口の下田の網で財を成した和泉屋のわかれであり、その元は鳴門のクロサキ、その前が和泉といわれている。
 昔は漁の間にかサンゴを採っていた。神戸に運び輸出品にした。一部は、金剛福寺に奉納している。
  エンジンができて、七か浦のうち、深いネキの清水のみが栄えた。このエンジンを最初に導入したのは和泉屋と自負している。清水は後に、マグロの水揚げ港となる。
  50年前に船が19トン形(大型)となり、いろんな港に鰹をおろすようになった。
 こうなると、地元でとるめじか(ソーダ【宗田鰹】)は 年寄り仕事になった。それでも、バブルの頃は、めじかの商品価値も 上がった。よい蕎麦のだしになった。
 最近では、ソーダ鰹のだしも、インドネシア、フィリピンで作る。一方で蕎麦の出汁の需要も減り出した。
 鰹も巻き取り機械ができたので、ガンガンとるようになった。すると、単価が落ちる。
 大量にとるなかで、大釜とかカビ取り機械、製品を移出する輸送機器などを競争のように導入した。6000千万円くらいの設備になった。人材も取り合いになった。
 が、どんどん農林中金が貸してくれた時代があった。
 最近では、生のソーダ鰹を買い集める業者がおり、それをタイで缶詰にする。
 わしは、ハゲが大漁だったとき、味醂干しを作ってみたが、大量に作る愛媛との競争となり、勝てなかった。今は問屋、各地の鰹を集めて削り節にする仕事をしている。
 こんな時代は、欲を持たんと、損がない商売しかない。
 若い者には、産直宅配や産直レストラン、産直市など、自分で個々の販売ルートがないと難しい。
 ハガツオという柔らかい魚がある。おいしいが痛みやすいので移出できない。こういうものをどう活かすかが重要だ。地元で、値入の主導権が握れねば苦しい。

| | コメント (0)
|

2013年9月 8日 (日)

【観光まちづくり】報告会in富山中心街、八尾

 観光まちづくり実践論は、7名の学生の参加を得て、8月16-23日、富山市八尾町に宿泊、町の人の多々、聞きまわった。目的を定めるのではなく、まちを見、歩き、感じ、語り合うなかから、自由にまちの課題、魅力を考えてもらった。
 発表は浅掘りではあるが、自己の問題意識で、住民のなかに入り込んだ姿勢は素晴らしい。
 その成果を、9月6日(金)午後、富山市総曲輪のグランドプラザで、オーロラビジョンに映しながら発表した。大きな舞台に臆することなく、プレゼンし、まちなか研究室のメークアップサポーター、プラザインターンの学生、計8名他、立ち止まる市民、かけつけていただいた役所の方に聴いていただき、事後交流をした。大きな舞台での伝わりづらさも経験できた。
 都心の施設が、学生どおしの交流の場として、機能する試みになった。まちづくり富山の幹部、富山市政策監、中心市街地活性化担当、富山県部長、地域振興課長もかけつけていただいた。
 翌7日は、午後、八尾東町ほっとプラザで、学生がお世話になった方をお招きして、学生の感じたところを語り合った。富山県観光・地域振興次長もプライベートで駆けつけていただいた。11名もの地元の方にお運びいただき感激。
■経済学部生男子学生は、歩くことで、まちの余白に気づいたという。
■まちづくり専攻院生は、富山市民もおわら以外、何も知らず、人ごみと理解している。が、八尾の日常の暮らし、多世代のつながるコミュニティの存在に感動したという。
■法学部生は、おわらの三日のみのイメージで語るマスコミ・行政に対する住民の違和感。逆におわら三日以外の方向性を住民に示して欲しいという行政の思い。そのすれ違いを指摘し、本音で語り合うにはどうしたら良いのか?と問いかけた。
■経済学部の女学生は、八尾は排他的ではなく暖かい。学生がティ-チングしながら滞在する企画を提案した。そして、今回、学生を受け入れてみてどうだったかと住民に質問した。
■建築院生は、住民意識で街なみを守る凄さに驚いたと指摘し、その理由に、八尾では、まちが舞台であることが大きいと教えられたという。とはいえ、裏側の汚さや街並みの途切れ、空家の問題の指摘もあった。
■脳科学の学生は、八尾のようにしっかりと住むまちは、愛着心を生むからこそ、多様な意見が出て、人間関係が複雑になり、物事を進めるのが難しいのではないか。他所の人や行政を受け入れるのも難しいのではないかという指摘があった。
 これに対して、地元からは、
⇒年間行事が多く、眠ってなんかいない。いつも舞台だ。
⇒通年観光も考え案内人もしており、徐々に来訪者は増えている。
⇒雪かきに来てもらう観光が欲しい。
⇒こうした議論の記録を残して欲しい。
⇒空家の宿泊活用も考えるが…
⇒とはいえ、見てもらう祭りじゃない。いや、若い世代は見せる祭にもこだわっている。
⇒住んでもらうには、道筋をたてて入らねばならない。
⇒これまでも多様な取り組みをして議論の機会を作ってきたが、行政と地元、第三者と地元、地元どおしのキャッチボールが充分ではなかったかもしれないという吐露があった。
【この吐露をきっかけに、上記のような緊張した本音議論となった。上記は、森栗の主観的まとめ】
 今回は、学生の成長、地域への問いかけとしては、大きかったが、課題は残されたままであった。来年は、もう少し明確化して取り組むつもりである。
 みなさま、暖かく見守っていただき、ありがとうございました。

| | コメント (0)
|

2013年9月 2日 (月)

社会インフラのResilienceと道路管理事業組合の構想

1 問題意識
 土木学会調査にあったように、直轄国道、高速道路のみならず、都道府県・市町村道など、地方の道路管理は、大きな課題につきあたっている。ここでは、後者の道路管理について議論する。
社会インフラのメンテナンスは、鉄道会社・民間企業total productive maintenance(日本プラントメンテナンス協会)をベンチマークせよといわれる。ここでは、(公社)日本プラントメンテナンス協会(以下JIPMと称す)SMR研究会『強靭な社会インフラのあり方』(2013年)を参照している。
 2013年1月 社会資本整備審議会・交通政策審議会技術分科会社会資本メンテナンス戦略小委員会によれば、笹子トンネル事故のあった今年を「メンテナンス元年」と位置付け、SRM(ソーシャル・レジリエンス・マネジメント)を目標とすることがうたわれている。
 そこでいわれるソーシャルと何か。JIPM2013年を参照し、それに私の問題意識を加味すれば【図1】のようになる。20130831srm_0001_2
2.想定される課題とインフラ対処
 近年の自然災害激化、巨大災害の危機、社会的なコンプライアンス要求と社内的なコストダウンの要求によるコンフリクト、コミュニティ活動を担う人材の減少高齢化、情報依存性過多による現実対処思考の減退、省エネルギーの責務など、社会インフラシステムは厳しい外部環境にさらされている。
 こうしたなか、全体最適による保全が要求されている。全体最適とは、PQCDSEMによって構成されている(JIPM)。そのPQCDSEMとは、Productivity、Quality、Cost、Delivery、Safety、Environment & energy、Moraleによってなっており、これにより保全せねばならない。【図2】
 20130831srm_0002
 その具体は、

 ① メインテナンス技術者の確保、養成、技術の継承
    ex.(公社)日本プラントメインテナンス協会
   ☛地方大学・高専・工業高校・道路建設業協会等の連携が必要である
 ② 道路管理マネージャーの養成、配置
   ファシリテーション・ワークショップ技能、交通安全、維持管理、環境管理、EST・TDM、観光、防災などの限定知識のみならず、ぞれら全体をプロデュース、コーディネーションできる能力
   ☛大学院、国土交通大学校、道路環境・道路空間研究所との連携が必要である
 ③ 地方道路管理の組織づくり
   ☛道路管理事業組合【図3】
 ④ 地方道路管理事業のファイナンシングと民地活用
   ☛道路上空、道路面、道路地下の資金化、既存権利との調整

この必要性を歴史的に俯瞰すれば、
■民俗社会の設備 は、我々に及びもしない素晴らしい生活知、生存知によりなっているが、脆弱である。ときに、諦観にもとづく宗教観も必要となる。(ex.末法観による浄土教、災害と『方丈記』の史観)
■近代設備保全の考え方 は、エンジニアリング専門家が指導する社会インフラによる国土軸、インフラネットワーク、国土保全が構築され、社会インフラの脆弱性は、一定、克服できた。
■現代社会では、Social Resilience Management が求められる。
[平常時] には、SustainabilityとSmartが求められ、[非日常時] には、Redundant、Resilient が求められる。
しかしながら、3つの問題が発生した。
① 限定的賢明を持つ専門家が、限定的賢明性を全体と勘違いし、行政がこれを追認し、政策が迷走する
       ex.大学の蛸壺化、専門バカ、御用学者
② 生活知は減退 ex.おまかせ民主主義、モンスター型市民、フリーライダー、
③ 平常時しか考えが及ばない
3.道路管理事業組合という考え方
 そこで、道路管理事業組合という組織を作る必要がある。
 現在都道府県道路部局と基礎自治体道路部局があり、道路建設の計画、実行、管理を行っているが、管理については、アスファルトの貼り換え、標識やカーブミラーの管理など以外、橋梁やトンネルについては十分とはえいないことは、土木学会の調査で明快となった。技術者もほとんど確保できていない。
 こうした専門能力・資金の不足による脆弱性を、地域ごとに克服するためには、消防や清掃廃棄事業のような、広域管理組合を作る必要がある。【図3】20130831srm_0003

| | コメント (0)
|

« 2013年8月 | トップページ | 2013年10月 »