王子と渋沢栄一『論語講義』
東京都北区王子に隣接して飛鳥山公園があり、紙の博物館、渋沢史料館、郷土資料館がある。ここは旧渋沢栄一邸であり、彼が設立した王子製紙を見下ろし、大蔵省印刷局が今もある。
国立銀行を興し、500近くの産業を興し、一方で富を独占しようとする岩崎弥太郎と争い、道徳経済合一性を説いた。孫の敬三は渋沢家二代目として幣原内閣の蔵相、アチックミュージアムを運営し、民俗学者宮本常一を居候させ全国を歩かせた。
栄一は、経営の基本を社会責任に置き、ドラッガーの経営理論の支柱となっている。それは論語に起因している。
渋沢『論語講義』を渋沢史料館で買い求め、読み進んだ。
■子曰学びて時にこれを習う。また説ばしからずや。朋遠方より来るあり。また楽しからずや。人知らずして慍イキドオらず。また君子ならずや。
《講義》自分が学んだことを実践的に活かす、物我一体は楽しい。さらには、その学びに共感する人が現れるのは、さらに楽しい。たとえ、他人が理解せずとも怒らず、天命として自分の境遇を楽しみ、足らざる所を自己点検すること大切だ。
【森栗の思い】感動したことをブログにまとめ政策や教育に活かす。ブログを読んでくれる人、一緒に動いてくれる職員、感動してくれる学生に感謝。私をお出入り禁止にしたK市市役所を恨むことなく、己の足らざるを反省し、国政に活かす。大阪で活かす。
そうだ!■子曰「人の己を知らざるを患えず、(己が)人を知らざるを患う」
《森栗の思い》理解しない人を気にしないでいると、理解する人がどんどん増えてくる。なんて僕はついているのか。■子曰「徳孤ならず、必ず隣あり」「一日己に克って礼を復めば、天下仁に帰す。仁を為すは己による」
■孔子は、君子は争わず、たとえ争っても礼を忘れない と言っているのに対して
《講義》争いを避けては国は亡ぶ。どんな偉い人とでも、正々堂々と戦うべきだ。
■子曰、君子は義に喩サトり、小人は利に喩る
《講義》鉄道国有化のとき、第一銀行や愛国婦人会、慈恵会には鉄道債券を買うことを勧めたが、自分自身は一切買わなかった。私は私利を求めたことは一切ない。必要だから事業をしたにすぎない。皆の利益を優先してきた。
【森栗の思い】だから、渋沢は信頼を得ていた。信頼を失っては事業はできない。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- COプレイス 立ち会議 働く(2019.03.03)
- 民俗学・内省のリスク(2018.04.16)
- 小林重敬編著『最新 エリアマネジメント』(2018.04.04)
- 公共圏と熟議民主主義,ハーバーマス(2017.12.20)
- 研究活用の政策学(2017.12.20)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント