跨線橋が地方鉄道を苦しめる
KTR(北近畿タンゴ鉄道)の利用を促し、京都府北部丹後地方の町と町結ぶ鉄道を維持しようという会合に参加した。ところが、国鉄末期の新線は高架で長い階段がある。これでは高齢者や乳母車は鉄道を使いにくい。西舞鶴ー宮津ー天橋立ー豊岡の宮津線も、跨線橋が辛い。列車が遅れ、宮津駅で乗換を急がされては、事故が心配だ。KTRの社員は、「安全に乗り換えてください。列車は待ってます」とアナウンスするという。さすが、地域に根付いた鉄道だ。
+++カンテラ・ともしび+++ブログでは、雪のホームスロープにおける安全を心配している写真がある一方で、跨線橋の風景を愛でる写真もある。
しかし、本数も少ないローカル線で跨線橋を登る高齢者のことも考えなければならない。跨線橋の横にスロープがあるではないか。スロープに手すりをつけて、踏切を作れば、どれだけ楽か。利用者が増えるか。
全国の地方鉄道では、跨線橋が大きな課題となっている。大都市圏や本線とは違い、時間1本や2本以下のローカル線で、跨線橋を渡る意味が本当にあるのか。跨線橋のあるところは、法的には絶対に新たにスロープ・踏切を作れないという。もし事実なら、ローカル線では、地方鉄道維持・利便向上のため、スロープ改善・新設、より安全な踏切遮断機設置の補助メニューの法的整備をすべきだ。
大前提は、現在、JRが努力しているように、上りであろうが下りであろうが、可能な限り出渕側に列車を着ける工夫である。または、Dのように、2線対面ホームなら、両方に出口があれば良い。改札は、ワンマンなら運転手がしており、駅が地域の人の管理なら、地域でボランティアを配置すれば良い。次に、スロープの作り方を考えてみた。 2両で、通学時間は4両にする場合、
A)2面ホーム2線の場合、端にスロープを設け踏切遮断機を設置すれば良い。
B)3線で長いホームの場合、1・2番線ホームの途中でスロープを作り踏切遮断機を作れば、6両の長い列車は3番線に入れれば良い。
が、写真のように跨線橋の脇に1m以上のスロープがあれば、ここを安全に歩けるように、両側に手すりをすればよい。
要は、高齢者・乳母車・障害者・大きな荷物を持った人が利用しやすいようにしたい、今あるインフラを大切に使おうという自治体・住民・地方の事業者の努力を、国がどう目配りして支えていくかが重要である。
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