若者・女性が参加し情報公開された自立地域経営:地域活動協議会の議論
某区で、地縁系への補助金カット、区への一括予算による地域活動協議会への転換に関する講演会とその議論(講師、久木@NPO化改革先進コミュニティ会長、議論のファシリテータ森栗:とりまと記録文責は森栗) があった。
「講演内容ファシグラ1.pdf」 「講演内容ファシグラ2.pdf」
講演内容
人口減の時代 行政は カネない、
人員削減でヒトない、
やる気が起きない?
もう縦割り行政から降りてくるチマチマした事業を、
特定の地域スパーマン(連合町会長)が全部受けとめて、
議論もせずに、ピラミッド組織の下部にやらせるやり方は
できない
もう、「家の前の花、水やりに来んかい」と区役所に電話する不見識は
時代錯誤
「自立せよ大阪市民」
「私たちのまちは私たちの手でつくろう」
課題チェック
①おおかたの参加を得ているか=自治会組織率80%以上か?
②お金負担の不平等=町会費を払う人と、未加入の人の不平等を解消しているか?
⇒会費形式から任意一時寄付・定期的寄付
∴寄付、会費、補助金、事業収入等を集め、
短期計画予算・中長期予算見込み、決算報告が明確化されているか?
但し、「ウチは金ある。会費なんか関係ない。細かいこと言うな」という意見に対して
⇒お金、労力、時間、物品、拍手など、多様な参加を担保する必要があり、
お金も参加手段の一つ。モノ・カネを通じて、心を集める必要がある。
③事業やお金の収支も含め、情報がおおかたに伝わっているか?
若い人はボランタリーに関心がある。来ないのは情報が伝わっていないからだ!
ワンルームマンションにも管理会社を通じて交渉し、掲示する努力が必要
=95%以上ポスティングでき、HP・FB・ブログ・LINE等オンラインのコミュニケーションルートも担保されているか?
④何が必要か大切か、いろんな人の自由議論が担保され、具体事業に反映されているか
若者・女性も含めた自由な意見が飛び交っているか?
会長の一方的説明を廃しているか?
⑤結果、運営する側の人材に担い手は確保されているか?
女性も含めた多様な世代のリーダーがいるか?
以上、ほとんどの町会は①から⑤までの課題を、多かれ少なかれ抱えているはず
=若者も含めた全員参加、自立運営、情報公開共有、持続運営 のため、全部の振興町会は、改革の必要性があるはず。①~⑤全部大丈夫と言い切る、地域活動協議会なんて必要ないとまだ言う連合町会長はいないはず。
手法 まずは広報(ポスティングとHP、寄合)⇒情報公開(とくにお金)
大切なことは何か 多くの人が参加する事業・子どもが参加する事業
ex.久木さんの地域では「運動会復活」だった
運営手法 地域人材の発見
地域資源の発見
地域財源の発見
この講演を、最初から体を斜めにしたり、足を組んで顔を斜めにして聞いている、喧嘩腰の連合町会長らしき老人が3人いた。他の人も懐疑的に聞いている。
険悪な雰囲気が漂う。仕方ないので、私は講演の感想アンケートをとった。
講師に眼を瞑ってもらい挙手してもらった(約50名中)
・よくわかった、地域活動協議会をやってみよう◎ 3人
・地域活動協議会は難しい、できない × 数人
・ようわからん、疑問だらけ ? 大多数
「えっー。今まで講演してもらって、全然聞く耳もたんとは…」 狼狽。
そこで、住民の意見、質問を聞く。長い演説をされると困るので「短く」と釘をさす
「住民意見のファシグラ.pdf」
【住民の怒り・思い】と【講師の答え+ファシリテータの恣意的とりまとめ】
■「これからは皆さんで」と役所はいうが、今まで行政が何かやってくれたか!これまでもやってない。わしらはちゃんと、地域のことをやってきた。これ以上、俺らに何を求めるんや!地域活動協議会なんか要るかい。[全面否定、講演を聞く耳もたん]
A:今までは、行政の縦割りのヒモ付き補助金ばっかり、行政の個別部局の仕事の下部をやらされていた。そればなくなった。本当に地域のこと、地域運営のお金のことも含め、若者・女性も含めた大方の人の参加を得て、全世帯に周知され情報公開されていれば、今の地縁団体の活動をみなおして、縦割り・やらされ・ヒモ付きではない、自立的な地域活動協議会に展開させればよい。若者も含めた大方の参加が難しい、後継者が出てこないところは、大きく見直し、多くの団体と連携して地域活動協議会にしていく必要がある。(久木さんの大人の答弁)
■府と市と区、行政の役割がはっきりしないので困る
A:縦割りを誠実にこなそうとするから、一人で何でもせないかんからしんどい。
地域のみんなで横割りで受け入れるプロジェクトチームがあれば、上手に受け止めれる。それがよりやりやすい地域活協議会にすればよい。今のままでできるほど、甘くない。
■学校選択制は、地域の活力をあげようという手法と矛盾するんと違うか。反対や。
A:個人的には、同感だ。(久木会長の勇気ある発言に、多くの人が耳を傾けるようになる)
■行政は何考えとるかわからん。地域活動協議会なんて変なこと言うて来よった。行政はアテにできん。
森栗A:行政の縦割り補助金をアテにする住民が悪い。これまで出先機関やった区役所がアテにならないのは当然。これからの区役所は、局長級である区長の判断で若干の予算をつけて、地域活動協議会の動きをサポートしてくれる。自分たちのことは自分たちでするしかない。区役所はアテにしてはいけないが、サポートしてくれる、相談にのってくれるこれからの区役所は、タヨリになる。
■今年中にせよとは、急ぎすぎる。無茶や。
A:皆で議論してみなさんのペースでやれば良い。無理をする必要はない。(勇気ある発言。住民納得。森栗困惑。「この部分、カット。区役所、聞かんかったことにしましょ」)
森栗補足A:とはいえ、予算とか、年度事業という「大人の事情」もある。柔軟にそれにあわせて、したたかに「ゆっくり」とやる知恵が、大阪人にはあるのと違いますか?
■(怒りが収まり)で、どうやっていったらエエンですか?
ファシリテータの独り言:「えーっ。腹立てながら聞いていて、講演が頭に入ってない!さっき、講演で言ってくれてたのに」
A:地縁の人とも相談し、地域のネットワークを中心に広報員会を作り、広く聞くアンケートをし、その答えを集計して地域にポスティングでまいた。そのアンケート結果をもとに、人材を使い動かした。少数意見や、意見のズレは出るが、アフターファイブで寄合を何度もした。そのとき、宗教や政党の問題を持ち出してはいけない。企業も本社に伺いをたてないといけないので、動きが難しい場合がある。(久木さんの大人のコメント)
A森栗補足:議論するときは、意見を書きだして、論点を明確にしてすすめる方法もある。(資料:ファシグラPDF)
▲森栗質問:で、何年でそこまですすめられたのですか
A:一年少しでしょうか…(会場、驚きで、ざわつく)
森栗補足A:地域によって状況が違います。久木さんみたいに完成型でせないかんこともない。1年でここまでは普通はできない。問題を明確化し、できることで進めたら良い。地域で頑張っているネットワークがあれば、そこに広報から任せていく方法もある。この場合、任せた方は、口出ししないことが重要。
一方で、任せられたネットワークは、旧来の連長の努力に敬意をもつちつ、相談しつつ、どんどん進めていったら良い。口出しされたら腹が立つ。相談されたら嬉しい。
翁の面をご存知か。ニコニコしている長老が、何もいわないけれど、村を守っているのである。
気がつくと、皆、前を向き顔を上げて、頷いている。私は、言った。
日本の都市は、どこもお上依存、補助金依存、自立的に町会を運営してる町会はほとんどない。現役世代や若者は個人のことで精いっぱい。町のことには関心ない。自治会の集会は老人が集まって、しょぼしょぼやっている。そこに役人が行って、いかにも民主的なアリバイをつけているのが現状ではないか。
しかし、大阪は違う。今でも、町会や町の集会に
▼現役が参加する
▼従って、町会の集まりは夜や土日
が、当たり前。
・大阪は、まちなかに中小企業が多く町に人が住んでいるから。
・大阪は市内に通勤するので、通勤時間が極端に短い。その分、アフターファイブで、地域活動に参加できる。
・大阪は、昔から、代々、地域活動をするのが習慣。生活の一部。
他の都市では無理でも、大阪でこそ、本物の自立活動ができる。頑張りましょう!
皆さん満足されたようで、バトンを司会のまちづくり支援センター(社会福祉協議会)に手渡した。そして、終了宣言。
ところが、より具体的に考えるようになったのか、さらに、急に講師に質問が出る。
森栗「町の集会では時間は絶対に守りましょう。それぞれ都合がある。質問がある人は、個別に久木会長のところに行って、伺ってください。解散!!!」
| 固定リンク
「まちなか再生とツーリズム」カテゴリの記事
- 上野武『大学発地域再生』清水弘文堂書房(2018.08.15)
- 小林重敬編著『最新 エリアマネジメント』(2018.04.04)
- 学びあいの場が育てる地域創生ー産官学民の協働実践(2018.03.30)
- 子ども食堂(2016.07.26)
- 四国落人山地の豊かさと予土急行国道33号線(2016.04.05)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント