まちコミュニケーション研究室の中期目標(2013-2016年)
3月1日、新著『コミュニティ交通のつくりかた』1890円(学芸出版社)が発売される。
本来は皆様にお送りしたいのですが、初刷は稿料がない。厳しい!
でも、以下のように、いろんな仲間に書いてもらい、ひたちなか海浜鉄道の吉田社長やタクシーの運転手・社長にコラムを書いてもらった。とても、読み応えがある。
書いてみてびっくりした。これって、民俗学? 工学や経営学ではこんな編集にはならない。
呑み屋に行くのを1回控えて、ぜひ、近所の本屋さんで探してみてください。どうしても2刷に持っていきたい。2刷になれば印税が出るので、それを資金に、首都圏でシンポジュームをしようと思っています。どうか、よろしく願います友人に奨めてください。図書館で購入希望に書いてください。
1995年の震災からまちづくりのコミュニケーションに舵を切り、民俗学を放棄した。学会も仲間も、そして私を理解する出版社も失った。そのなかで、専門性を問われてきた。「エセ専門家」と何度、陰に、面当向かって罵倒されたことだろう(今も)。しかし、この孤独の道は、多くの現場や行政・コンサルの理解者、心ある工学研究者のおかげで、交通というコミュニケーション手段を通じて、やっとまとめることができた。苦節18年といっても、心の底では、過言でないと思っている。
その結果わかったことは、現場で本当に必要なことには、必ず仲間が理解者が現れるということだ。今後も、いろんな人々と共同で地域に奉仕する研究をすすめたい。それを政策化、法制化したい。これを機に、研究室のプロジェクトと工程を宣言する。
■目標年度 課題名(著作名)
2013 コミュニティ交通のつくり方(まち交通コミ授業、同志と)
2014 コンパクトシティ富山の展望(CSCD学内同僚・京大同志と、シンポ、外部資金)
2014 まちづくりワークショップ入門(神戸まちづくりWS研究会と)
2014 阪大お遍路授業(ワンダーコミュニケーション、CSCD同僚と)
2015 かしこいクルマの使い方(月刊誌連載中)
2015 越中八尾おわらまちづくり(CSCD同僚・八尾おわら保存会と、富山県、総務省?)
2015 能勢電鉄101周年(まち交通コミ授業、CSCD同僚・能勢電と)
2016 大阪市政改革(連携先、プロジェクト未定)
― ヒューマンコミュニケーション(CSCD・学内同僚と、ヒューマンコミュニケーション基礎学会)
●目次『コミュニティ交通のnot「作り方」but「創り方」』
モード作りと違う。まちの暮らしを育てるのだ。創造するのだ。
はじめに 負けない地域をつくる (森栗)
序章 なぜ、今、コミュニティ交通を協働でつくらねばならないのか(森栗)
1 民間による交通資本整備の日本近代史
2 1ブロック1バス会社独占提供の課題
3 地域公共交通計画と大阪市交通局民営化
第1章 住吉台くるくるバス──都市住民が主体 (森栗)
1 現場の声をビジョンにまとめる
2 住民・行政・事業者の協働・役割分担
3 工程表と評価・工程管理
4 広報、ネットワークの手法
5 7年目の住吉台~六甲山麓に広がるバス誘致
第2章 淡路島・長沢ミニバス─過疎化地域住民が主体(大阪大:猪井博登)
1 全戸が年間1万円を拠出するミニバス
2 ミニバスのしくみ
3 住民はどう考えているのか
4 バス運行にはどんな効果があったのか
5 住民が運営するコミュニティ交通のつくりかた
〈森栗コラム〉協働してバスを走らす村と電気自動車とタクシーのシェア
第3章 山口市市民交通計画─住民と事業者・行政協働(山口市:時安洋)
1 「市民交通計画」ができるまで
2 交通政策の柱をつくる
〈コラム〉タクシー事業者の声/市民の声/運転手の声
3 地域における交通全体の充実を図る
〈森栗コラム〉山口市O地区でのできごと
〈森栗コラム〉山口市交通まちづくりが手本としたい日立市協定方式
第4章 京丹後・上限200円バス─事業者と行政の協働(野木秀康:京丹後市)
1 論より便利、乗車行動こそ住民協働
2 住民・行政の本気度が事業者も変える
3 取組手順と成果
4 ネットワークと今後の展開
〈森栗コラム〉北近畿タンゴ鉄道をどう考えれば良いか
第5章 当別町コミュニティバス─民間企業と行政の協働(北海道開発技術センター:大井元揮)
1 当別町と交通事情
2 官民共同によるバス運行
3 実証実験の実施
4 利用促進策の実施
5 利用者数および運行収入の推移
〈森栗コラム〉あるもの全部使わねば、北海道は守れない
第6章 RACDA高岡──市民団体の主導 (RACDA高岡:大井俊樹)
1 RACDA高岡の考え方と取り組み
2 万葉線存続運動
3 市民協働事業によるコミュニティバス活性化支援
4 地域交通に関する諸課題と市民意識
〈コラム 会員の声〉私が行動しなければ、という危機感
〈コラム 会員の声〉活動は人がつながり、ひろがる
5 ひろがる公共交通市民活動ネットワーク
7 公共交通に対する市民意識の変革に向けて
⇒和歌山電鉄、三岐鉄道北勢線、福井 みんなRACDAが絡んでいた。その手本が岡山RACDA
〈コラム 会員ひたちなか海浜鉄道吉田社長〉鉄道マンの意識が変わった~そして社会が変わった
おわりに 地域を守る知恵を活かせ (森栗)
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