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2013年1月 8日 (火)

なぜビール電車、婚活電車、アテンダントがあるのか?バスはできないのか?

「よかネット」109号の「平成筑豊鉄道で行く『列車でGo婚』」、「地方鉄道の生き残りのカギはどこにある?」を読んで、思った。
 地方鉄道の生き残りは、えつぜん鉄道のアテンダント乗車や、ひたち海浜鉄道の「おらが湊鐡道応援団」のようなサポーター、駅を掃除する地元民、しなの鉄道の枕木にお金を出す市民、それらをコーディネートして支援する自治体によるのである。
 鉄道は、単なる移動手段ではない。移動を通じたコミュニケーション、地域をわかちあう場である。子供たちの通学風景・高齢者の通院風景、そして旅立ちの緊張感、観光客がホームに立つ華やぎ。鉄道自体が故郷の情景であり、心のうごめきなのである。だから、地方鉄道は廃止してはいけない。
 故郷の夏を味わうビール電車、冬は暖かい車内でご近所さんとワイン電車…。別にビールが呑みたいわけでもない。ビールと故郷の季節、地域の仲間、ご近所さん、それらをないまぜにしたコミュニケーションに酔いたいのである。
 そういう意味では、鉄道での婚活はとても興味深い。車内の狭いようで、個人バリアー融合の空間を動き回って共有する効果は、婚活にバッチリ。しかも、そこでできたカップルは、その鉄道に親しみ持ち、ひょっとすると沿線で暮らしだす。一生、家族で乗ってくれる。鉄道には人生とふれあいの機微がある。
 一方、バスはコミュニティの誇りになりにくい。明確な路線が残らないからだ。駅もないし、一台一台にアテンダントを乗せるわけにもいかない。規制緩和以後、観光バスも単価が半分になり、事業性も夢も見込めない。懐メロ「私は東京のバスガール」の華やかさは、昭和の死語だ。
 しかし、高齢団地やマンションと駅を結ぶシャトル的なバスや、地域住民が協働で走らせる路線バスには、くるくるバスのように、挨拶や相互いたわりのコミュニケーション「ふれあい」が再生される。今後は、都市全体の装置として、美しいデザインのバス停、美しいフォルムのバス車体、バス専用道といった、バス幹線を整備する必要がある。美しい車体を自治体が用意し、パターンダイヤや23時台最終バスを要求し、民間バス会社に運行させる(バスの上下分離)のも、用途地域制限を越えた、ビジョンを語る都市計画の新しい知恵である。まちの誇り、市民のコミュニケーションを醸成するバスサービスを使った都市戦略持つ自治体が出てきて欲しい。
 一方、バス事業者も、貸切事業の単価が低いと泣き言をいう閑があったら、地域の資産を発掘するイベントの周回バス(ex.神戸のスイーツバスなど)などにチャレンジすべきだ。また、地域のシャトル需要を開拓して、新規路線を開設する必要がある。観光バス会社が、路線免許やタクシーを持ち、地域公共交通会議で議論し、人々の暮らしとコミュニケーションを守るために、地域貢献せねばならない。そんなバス会社やタクシー会社でなければ、生き残っていけない。

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