クルマ依存の市民が乗りたくなるカッコイイバス
「クルマ依存の市民を、都市交通に乗せる、ライフスタイルを変えさせる手法」(1月4日)として、カッコ良いバスを紹介した。富山ではライトレールにしたところ、11%の人がクルマから公共交通に転換した。
このデザインに、見合うバスがないか。結局、エンジンや車輪の問題があり、電気バスにしなければ、LRTのようにならない。そこで、調べてみた。
環境省の実証実験で、カッコイイ電動バスが紹介されている。後輪を隠している。美しい。
“電気バス”は日本の公共交通を担えるか?ついに路上を走り始めた慶大発ベンチャーのEVバス(DIAMOND ONLINE20120111)
(RESPONSE20110823より)
慶応大学清水研究室ベンチャーのSIM-Driveが環境省補助メニューで開発し、神奈川中央交通が藤沢と横浜で実験したが、実用化されたか?
満充電で走行距離は121km。路線バスの平均日運行距離である121kmに対応できている。リチウム電池の効率化と安全は、飛行機B787事故でもあるように難しい課題。しかし、バスデザインはそれだけではすまない。エンジンからモーターにして、モーターをホイールの中に入れ込むダイレクトドライブインホイールモーターにせねばならない。ところが、これはTECO(台湾)性であり、ハンドルの切れが悪い、発進時の微振動がするなど、課題もあるが、直接、解決できないようだ。
むしろ、日本の自動車メーカーは、エンジンのハイブリッド化や協調回生ブレーキなどによる効率化をめざしており、100%電気バスは量産が難しい。中国の電気バスでは事故が起きているようだ。
だったら、ハイブリッド、回生エンジンを、車両の後ろに集めた、デザインの良い低床バスを、自動車メーカーが量産し、輸出できるような国家戦略が必要ではないか。税を投入するなら、そちらが先だ。
電池の実験、ホイールモーターの試験利用 という実験そのものを目的化してはならない。電池実験のためのバス走行実験ではない。良いデザインとCO2削減したバスの量産、輸出をめざす成長戦略のための実験ならば、回生ハイブリッドエンジンを後ろに集めたらエエだけとちゃうんか。実験をした自動車メーカーはどう考えているのだろうか。
まさか、電気バス部門が環境省のメニューがあったから付き合っただけで、会社としての生産方針は違うといった、縦割りがあってはいかん。
無理に電気バスにせんで良いではないか。はよ、カッコ良い、CO2削減のバスを量産しろ。
| 固定リンク
「交通を活かしたまちづくり」カテゴリの記事
- ストック効果と社会的共通資本に対するコモンセンス(2016.11.08)
- 宮本常一、酒と歩み寄り、篤農家、そしてバラバラに出稼ぎ(2016.09.20)
- 蟲明先生にお話を伺う(解釈意訳)(2016.08.09)
- 住民主体と民間主導 蟲明眞一郎(2016.08.07)
- 住民主体のまちづくり 蟲明眞一郎(2016.08.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント