クルマ依存の市民を、都市交通に乗せる、ライフスタイルを変えさせる手法
バス離れが起き自転車に人々が動いたのは、70年代のオイルショックにより、バス運賃が安易に高騰したことに起因する(11月17日記事)。クルマ社会のせいではなく、地域独占をしてきたバス会社の経営戦略のミスにより自滅との厳しい指摘もある。
一方、高度消費社会になると、バス料金を安くしても、ドライバーはバスのようなダサいものには戻らないことはロンドンのアンケートが示している。ただし、ガソリン料金が上がると、公共交通も選択肢になる。しかし、ガソリン料金を上げる(課税する)のは、国の政策であり、自動車産業を前提とした現状では不可能。
ではどうすれば良いのか。地球環境に訴えるという手も、原発事故以来、説得力を欠く。我々がチマチマ努力しても、隣国でバンバン石炭を燃やして途上国の権利だと居直っている状況下、火力でも電力確保が民意となっている現状では、難しい。健康には公共交通が有効と説得しても、厚生労働省コホート研究(遺伝要素抜いた40万統計)によれば、ストレスが半分、食事が30%で、運動は20%。クルマ運転で三大疾病とは、直接因果説明できない。
ここに、富山市のライトレール転換で興味深い数字がある。
H18年に旧JR富山港線をLRTに変えて
30~60本間隔 ⇒15分ピッチ
21時台最終 ⇒23時台最終
9駅 ⇒13停留所
中古鉄道車両⇒新型低床LRT
LRTに転換すると、平日2.1倍の人が乗り出した。うち自動車からの転換が11.5%、新規が20.5%となっている。料金は、140~250円 ⇒200円
新規は、閉じこもりがちであった高齢者を誘導したとして、健康福祉的に効果が喧伝されている。しかし、自動車からの転換が10%を越えていることも見過ごしてはいけない。が、その理由は示されていない。
おそらく、15分ピッチ、23時台最終が十分条件であって、デザインが恰好良い、ICカードが先進的、地球に優しそう、ライフスタイルのカッコ良さが、PULL要因ではないかと類推する。
そこで、デザインの良いバス、カッコ良いバス停を調べてみた結果、ローカルに使える低床では、両備の未来バスSOLARVAが良い。和歌山電鉄のたま電車やJR九州の水戸岡デザインである。
内装が素晴らしい。座席とちゃいマンネン。デザイナー家具でんねん。
停留所では、寒いところなので、 または、
が理想だが、歩道では難しい。デザインだけでいえば、MCドコーよりも、ドイツのヴァイル・アム・ラインにある建築家テーマパーク「ヴィトラ社工場」のが凄い。これらを満載して、10分ピッチ、最終24時で動いて、パーク&ライドをすれば、クルマから乗り換える人も出てくるのではないか。
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