« 神田昌幸「国の都市政策と健康まちづくり」『体育の科学』61-6、2011 | トップページ | 話しあいの人数は何人が最適か? »

2012年12月12日 (水)

第三者評価はいかにあるべきか

従来は、行政の指定管理委託は、退職公務員を受け入れる第三セクターに落ちることが多い。その第三者評価委員会は、弁護士会、会計士会、商工会議所、あたりから、人を推薦してもらい、役所の事情を理解するえらい先生が取り仕切って決めることが多い。たいていは、意思決定権者である役所の評価項目等に関する介入により、三セクに落ちる。企業は採算が合わず参戦せず、NPOなどは敗退する(と、某市で落とされたNPOの者としては、思っている)。
 近年は、行政も財政再建もあって、安いところに投げ、業者もビル管理、清掃業、警備、印刷出版だけではやっていけず、指定管理も本気で取りにくる。ときにはNPOと組む。しかし、ビジネスチャンス拡大と言いつつ、市民サービスが低下することのないようにしなければならない。
 こうしたなか、第三者評価会議の実質価値が必要となり、その在り方が課題となる。
 米国では、格付け会社や、評価ビジネスの会社(は少なくて、政策NPOらしい)があり、一定の方式を採用して、必要な弁護士や会計士、専門家を依頼する。日本のように、適当に委員をボランティアのような金額で集め、適当にお願いするわけにはいかない。
 そもそも、評価には、事前評価(環境評価など)、計画評価、設計評価、制作評価(形成的評価)、実施評価(総合的評価)の各段階がある。近年、事後評価、中間評価がいわれているが、それを契約事項にどう反映するかは、日本では、第三者評価委員会を弁護士会や会計士会所属の個人に丸投げしているため、手法が未開発である。評価指標も未開発である。
■評価指標         ■評価目的
インプット             インプットの評価
アウトプット            アウトプットの絶対評価
アウトプットA:アウトプットB    アウトプットの相対評価
アウトカム             アウトカムの絶対評価
アウトカムA:アウトカムB      アウトカムの相対評価
アウトプット/インプット    効率(工程管理水準)の絶対評価
アウトカム/インプット     費用対効果の絶対評価
アウトカムA/インプットA : アウトプットプットB/インプットB 費用対効果の相対評価

土木計画等では、効率と効果との区別ができているか、極めて怪しい。
 形式的アウトプットを、アウトカムと混乱して評価することが少なくない。
 たとえば、自己資本比率といっても、NPOと株式会社とは、立場が違うので、比べるわけにはいかない。人件費比率も、事業費に人件費を含みこませれば、人件費比率は下がる。形式的数字の効率だけみても意味がない。
 事後での、program theoryによる中間評価も意味がある。それを、契約条項にどう含みこませ、遡って減額、増額する契約も重要である。

検討課題は山のようにある。指定管理をやって、事後、やれやれホッとで良いのか。その選定委員会、選定手法そのものを、評価項目もそのものも含め、再評価することが必要ではないか。評価なきところに、政策なし。組長に言われて、バタバタで、挙句終わってみれば、やれやれじゃ、ダメ。

20世紀の偉大な思想家水前寺清子の言葉に
「勝った負けたと騒ぐじゃないぜ、後の態度が大事だぜ」がある。

参考:安田節之・渡辺直登「プログラム評価研究の方法」新曜社

 

|
|

« 神田昌幸「国の都市政策と健康まちづくり」『体育の科学』61-6、2011 | トップページ | 話しあいの人数は何人が最適か? »

教育」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 神田昌幸「国の都市政策と健康まちづくり」『体育の科学』61-6、2011 | トップページ | 話しあいの人数は何人が最適か? »