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2012年8月21日 (火)

お婆ちゃんのくれた夏休み

実母が病院にも行かず薬も飲まず手術もせず7月26日に急逝し30日に発見された。東京で芝居をやっている子供が戻ってきた。28日に胸に火傷をおい、次の仕事やオーディションを入れていなかったので、8月20日まで自宅にいた。福山で暮らすつれあいの義父母も83歳、倉吉のつれあいの姉もターミナルケアの状態で、当初より8月18-20日、子供達を呼び寄せ、医療を拒否する実母ともども、神戸ー福山ー倉吉と見舞い巡りを計画していた。
が、母の死で、急遽3週間の家族同居復活となった。
 驚いたのは、息子の成長である。高校卒業を待ちかね、大きな荷物を持って木戸を開けてそっと出て行き、カネにもならない芝居の真似事と思っていたら、私が見ていた「龍馬伝」の海軍操練所にもいたようで、他にもCMにいくつか出ている。無論、なかなか自立は難しいが、着実にキャリアを積んでいる。苦労をしているようで、私の25歳よりも、ずっと大人である。
 じっくり話し込む中で、他者の暮らしに対して「いとおしく思う心」を持つと人が集まり(いろんなチャンスができ)、加えて、他者の行いを「とおといと思う眼」(宮本常一)を持つと、人が動き出す(仕事やプロジェクトが展開する)、最近の私の体感を伝えた。人を軽く見たり、悪口は、己を貶めることだ。異論があれば、目立たぬようにそっと席をたつことだ(宮本常一)と伝えた。
 誠に恥ずかしい親で、成長した息子と改めて3週間暮らしてみて、はじめて伝えるべきことが伝えられたような気がした。
 同時期、激しい日程の専門学校を終えたばかりの娘も帰ってきていた。病気を乗り越えた彼女も大きな決意をしたようである。
 ウチの子は、揃いも揃って社会的には不安定な子らである。私たちのこれまでの50年を、これからの子供たちに与えることは難しい社会状況がある。が、突然のお婆ちゃんの急逝が、彼らを成長させたようである。私たち夫婦は、その頼もしい後姿を、玄関でそっと見送った。
 家族の意味、幸福のあり方を、母は最後に教えてくれたようである。

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