北海道当別町下段モータースで学んだこと
札幌から北東、電化されたJR学園都市線で39分の当別町には、路線バスが縮減で残る一方、医療大学と病院、他の整形外科病院の送迎バス、工場の送迎バス、町の福祉バス・スクールバス、別荘的近郊住宅地スウェーデンヒルズ(1984年まちびらき)のシャトルバス、などがH17時点ではあった。これらを統合して、
医療大あいの里キャンパス(札幌市内)~当別の幹線バス
市街地循環バス、
金沢線(当別~医療大・病院)、
みどり野・青山線(郊外・過疎地)
に整理し、その経費出資をもとに、学生・患者を無料とし、
かつ、地域の自動車整備工場に路線免許をとってもらい委託した(H18より実証実験。H23本格運行)。
担当は札幌市交通局に一週間缶詰で運営ノウハウを学び、整備工場は100%BDFで運転した場合のエンジン整備調整を研究し、経営効率のための高齢者再雇用・燃料効率の良い20人乗り中古車両を確保し、行政は活性化再生法などの補助メニュー・計画策定で支援した。
【路線運行ノウハウって、1週間の缶詰研修でできるのか!】
さらには、ANAと、温室効果ガスとオフセット取引協定を結んでいる。
上記の多様な努力の結果、H23には、赤字をほぼ0とし、大臣表彰を受けている。
しかし、赤字0は、路線事業の持続性を担保した。が、乗客は停滞・減少傾向である。
このことを議論しているとき、
森栗「吹雪の中を待つには停留所が必要」
行政マン「しかし、スウェーデンヒルズ以外では、雪かきを含めた停留所の管理をなかなか受けてもらえない」と議論になった。
このとき、下段社長が「江別への国道を拡幅するとき建設会社が、地域貢献として休憩ミゼットハウスを地元にプレゼントしていった」と発言。行政施設なら、住民は、管理をやらされるのは厭だが、地域貢献のプレゼントなら歓迎する。
なるほど、住民が管理を請け負うには、それなりに話しの持って行き方がある。行政が予算をつけて住民に押付けるのではなく、建設会社・住民・行政・バス事業者も一緒になって考えれば、地域貢献プレゼントの管理は、住民がすすんでするのである。
協働とは、こういう「言い方」「話のつけ方」が重要だ。 スウェーデンヒルズモチーフのバス停
建設会社社会貢献の国道バス停
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