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2011年12月19日 (月)

山崎・島本:境界都市

再生塾のOPとして、Tさん@島本町会議員の骨折りで、山崎・島本を見学した。

発見① 水無瀬離宮八幡神人による油座があった中世都市山崎は、山城・摂津の境界にあり、現在もJR山崎駅は、大阪府三島郡島本町山崎1丁目と、京都府乙訓郡大山崎町大山崎との境界にある。西国街道の境界部分には、関戸明神が祀られ、大阪府側に、サントリー山崎蒸留所、山崎幼稚園がある。
 美しい竹林の湧き水を使うためにウイスキー蒸留所ができたというが、酒は生活必需というより、放蕩・付加価値、都市の産物である。中世を代表するエネルギー元締めの坂の都市山崎が境界であり、今も府境にサントリー醸造所がそびえるのは興味深い。

発見② 島本町の桜井の駅(西国街道の駅家)は、楠正成・正行の決別で、戦前の忠義の唱歌とされたが、それは1935年楠公600年祭を契機に、大阪府青年団運動としての桜井の駅集団訪問(1934年、新京阪桜井の駅駅開業:現阪急水無瀬駅)が増え、日中戦争への動員・鼓舞に使われた。1941年には、大阪府青年団活動の中枢として麗天館が建設された。山崎・島本は大阪府青年団運動の聖地として、戦争に組みこまれたようだ。

発見③ 山崎駅前に三大国宝茶室の一つ待庵がある。その横には、上品な小物・衣料店・アロマ・さおり織教室・喫茶・ホテル複合店がある。阪急大山崎駅前には、民家再生による白い梁と大きな窓のおしゃれなカフェレストランがある。人口が少ない(大山崎1.5万、島本3万)という落ち着き、京阪の中間、淀川を臨む竹林の坂を巡る中世に起因する趣深さ。このくらいの町が幸福なのだろう。

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