自転車バス専用レーン、ルールとマナー、電動自転車の危険性
10/26警察庁自転車交通総合対策、10/30コミュニティサイクルの記事の関心から、昨日、「現場からの視点による交通まちづくりとしての自転車」(自転車交通政策研究会主催)を京都大学で聞いた。土井勉@京都大学 のコーディネート、小林成基@自転車活用推進研究会の基調講演、西田純二@社会システム総合研究所らのパネル討論があり、とても勉強になった。「トラックいっぱいの薬よりも一台の自転車」※といわれるほど、重要な自転車。自転車政策にとってとくに大切な3事項が心に残った。報告する。
①中途半端な自転車政策は、短期的には公共交通からのシフトを促し、結果、中期的には公共交通を弱体化させ、クルマ依存を強める。自転車政策をやるなら、バス・自転車・タクシー専用レーンをつくり、流入するクルマを制限することとあわせ技でないとダメ。
②駐車違反反則金の38%は、運転者がないと主張され支払われていない。英国では、バス・自転車レーンを普通車が通ると、カメラで自動的に車両確認され、誰が運転していようが所有者に罰金通知書が郵送され、三回督促で反則金は五倍。払わないと車検が通らないという。偏光レンズや汚れは、それ自体、厳罰。これは、警察と運輸局がタッグを組んでいるからできる。縦割り行政の日本は、いつになったらできるやら?(小林さんから、聞き間違いご指摘。ありがとう)
放置自転車も、歩道の自転車走行・二人乗りもマナーの問題じゃない。ルールの問題だ。ルール(法)を守らせることができない※※から、責任逃れでマナーと言っているにすぎない。マナーとはやったら尊敬されることで、ルールはやったら罰せられることだ。
③電動自転車は2倍アシスト可能の法改正がおこなわれ、高齢者が20km/時で歩道を走る傾向にある。大半のクルマ利用は10km以下であり、高齢者はクルマから電動アシストにシフトする傾向も。本当に高齢者自転車は車道でなく歩道走行か? 1500万人の聴覚障害者は、リンを鳴らされても気づかない。
なんで法が守れない自転車政策になっているか。それは、警察も市民も、クルマを支障なく通すことに腐心し、邪魔な人や自転車を道から排除してきたからだ。「交通事故にあったと思ってあきらめてください」という、慣用句がある。交通事故は、あきらめるものか?クルマの危害や道路占有、クルマが歩行者や自転車にクラクションをならすこと、「危険だ」と親切ごかしに自転車を道路から排除することは、仕方のないことなのか? このクルマ頭を変えないと、総合自転車まちづくりはできない。
※ トラック一台分の薬より、一台の自転車」。ドイツの有名なことわざ。イギリスやノルウェーで、国家として「自転車戦略」を定めているのは、この「健康」つまり「医療費問題」にこそ主因がある。 日本の現在の医療費はおよそ32兆円。うち10兆円が、生活習慣病に関わるもの。メタボ対策なら、自転車を考えよということ。
※※ ICタグが安くつけられるのに、防犯登録のシールで、警察署ごとの電話問合せをしてるのか?全市域の駐輪場の会員にICタグをつける自転車政策を自治体が条例化すれば放置自転車問題は一挙に解決できる。いつまで、退職者雇用のシルバー人材センターにルーチンワークの撤去をやらせているのか?撤去とマナーキャンペーンは言い訳以外の何者でもない。駐輪場は、自転車の補修・空気入れのできる地域の自転車屋に請け負ってもらえば良い。
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コメント
見事なサマリー、ありがとうございました。一点だけ訂正をお願いいたします。カメラで反則を捉えているのは、フランスではなく、英国です。三回督促で反則金は五倍。払わないと車検が通りません。
投稿: 小林成基 | 2011年11月 8日 (火) 16時13分
とても魅力的な記事でした!!
また遊びに来ます!!
ありがとうございます。。
投稿: ビジネスマナー | 2011年11月 8日 (火) 19時36分
> 高齢者が20kmで歩道を走る傾向にある。
時速のことでいいですか?
時速と距離が混在しているので、わかりにくかったです。
投稿: 理系 | 2011年11月10日 (木) 12時42分