世間と路地(9th路地サミット向島)
10月21日22日墨田区中小企業センター
「世間と路地」
1 世間とは何か
■世間(仏教的意味)=移り変り、煩悩などのけがれに汚染された破壊を免れない迷いの世界 仏教の世間対処=無心無私の処世〈阿部謹也『世間とは何か』pp51-52〉
※サンスクリット語のloka(路迦:壊され否定されていくもの)、穢土
↑ 世間は人間関係、自然をも含む
ex. 大晦日夜はさだめなき世の定めかな〈「世間胸算用」〉
↓
■世間(世の中、道理のある世界、常識という意味)
ex.向島で世間学を学ぶ
特色:世間の掟・長幼の序、
・贈与互酬(借りたものは返す、もらったら返す)
・排他的/名誉・連帯(ハレ・ケガレ)
ex.世間を騒がせた〈阿部pp16-20〉
▼世間を越える近世の町人
西鶴の「世は無常」の諦観で世間を越える←ボーダーラー:町人台頭〈阿部謹也pp134-137〉
好色と金の浮世pp146-148 色・金=仏→個人が透けて見える〈阿部謹也p153〉
▼世間を否定する近代個人
世間拒否個人主義荷風と玉の井
2 現代における課題
自立しないまま、世間から切り離された人々
(指標を失ったまま)↓
小さな世間化する子どもの世界、モンスターの世界
ネット空間依存でやりすごそうとする
課題 コミュニケーション能力欠如、イノベーション不能⇒CSCD
∴高度専門家教養科目としての向島学
3 向島が提供する世間
提供環境:9尺路地、口コミネットワーク(徒歩、自転車)
コーディネータ:向島の世間に押しつぶされそうになりながら、世間と世間外、個人とを何とか取り結んでいる住民。地元ではマイナー。外部からは高く評価され、当人はとまどう。妬まれる。
キャスト:①旧来の世間、
②世間を越えようとするボーダラー、
③世間を誘惑する個人主義(アート)
提供効果:外部者にもう一つの世間との遭遇を演出、解説、教育する
狭い世間の人々に、その社会的意義を再確認させ、
コミュニティ再生に利用しようとする
最近の傾向・外部者の急増、にわか化(予習不足人の到来)
・外部から内部に住み着き帰化する人物の定着化
・内部者の高齢化とものわかりの良さ
具体的プログラムの例・・・・・・コミュニティツーリズム
ex.長崎さるく、大阪あそ歩
| 固定リンク
「まちなか再生とツーリズム」カテゴリの記事
- 上野武『大学発地域再生』清水弘文堂書房(2018.08.15)
- 小林重敬編著『最新 エリアマネジメント』(2018.04.04)
- 学びあいの場が育てる地域創生ー産官学民の協働実践(2018.03.30)
- 子ども食堂(2016.07.26)
- 四国落人山地の豊かさと予土急行国道33号線(2016.04.05)
最近のコメント