佐藤友美子、土井勉、平塚伸治『つながりのコミュニティ』
私は、こんな役立つ本について、新聞書評を書かない。
しっかり読んで、密かにネタに使う。
人口減、財政破綻、環境破壊と大災害…。
それは、政治家や行政、企業が悪い、その尻馬に乗る無能なマスコミ、無責任学者の責任だろうか?
そのシステム破綻の根源には、安く・速く・何時でも「plentyたっぷり」を求めてきた「consumer消費者」が居る。詳細の説明はしないが、「consum」とは「食いつぶす」ことである。
当事者性vsないものねだり 佐々木俊尚 のなかで、我々の当事者性が求められている。
閉塞感のなかで、「元気の良い橋下さん」にすがるのが大勢、内閣ができたときは、誉めそやし、3ヶ月するとミソクソ評論家気取り、自分では地域で活動しないジジイではいけない。一方的な供与関係、依頼関係は長続きしない(pⅵ)。
地域活動に参加するには、
▼敷居の低い参加機会※1
▼運営の持続性(ビジネスとしてやり繰り)※2
が必要。
手法としては、
1)現場思考
2)当事者性のある困難を、改善推進のチャンスにするしなやかさ
3)結果をカンフル剤とするのではなく、日常化する
4)プロセスの共有化
展開手順としては、
①ビジョン・プレセス共有⇒②相互理解・資源発見※3⇒③信頼with risks not 信用with担保⇒ ④自発的小口・ローカル投資参加
その結果、
①人様の役に立ち
②存在が認められ
③家族、地域に居場所(仲間と場)ができ(ⅷ)
幸福に暮らせる。
※1 六甲山を活性化させようと思えば、六甲山に関心のある市民が、友人、知人に「六甲山からの手紙」を送ることだ。口コミが重要(p97)
遊歩道に、植物名を書くプレート(個人名付)を寄付で、本人とネーチャーガイドが一緒につけ、エコ基金に参加する手法もある(p122)。
※2 限られた資源、時間、資本の下、見えない資源を発見し、限られ時間で支えあい、不安定な資本と喜び(収益)をわかちあう仕組みが重要だ(参考『「分かち合い」の経済学』
※3 人々が六甲山に求めるのは、高度経済成長期の回転展望台ではない。六甲の空気と山・植物を感じることだ。ならば、植物生態がわかるネームプレートを、市民サポーターの投資参加を得て、そのエコ基金を活用することが重要だ。なぜなら、投資者は、何度も六甲山を訪れるからだ。具体的には、エコ基金10万円一口なら、1プレート+六甲・摩耶交通機関終身切符。
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