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2011年8月 5日 (金)

ひたちなか海浜鉄道は震災で町の風景になった

震災で被災し、このたび復旧した茨城県のひたちなか海浜鉄道をお見舞いに行った。
 行政補助も、自己資金のめどもないまま、ひたちなか市役所融資と緊急支援で、4月6日から復旧工事にかかった。
 茨城交通湊線存廃の3年前は、どうしても残して欲しい太平洋に突き出た旧那珂湊市(4万人)と、日立の企業城下町でJR線にある旧勝田市(人口11万人)では、鉄道存続に温度差があった。ただ、地元住民のおらが湊鉄道応援団の活動などもあり、第三セクターでの存続が決まり、吉田社長が公募で招かれた。
 ところが、この3年間のさまざまなイベント、グッズ販売、CM撮影ロケ提供、通学定期大幅割引、まちかど博物館、おさかな市場、大洗水族館との連携など矢継ぎ早の努力により、全国の鉄道ファンが注目し、マスコミを賑わした。海浜鉄道は、なかみなと市(勝田+那珂湊)にとっては、まちの基幹・風景になってしまった。そのこともあり、今回の市役所の素早い動きに、誰も異論がなかった。
 もし、赤字続きの鉄道に県がだらだらと補助を続けていたら、この時点で復旧はできなかったであろう。
 本当に、ひたちなか海浜鉄道は必要なのか?別にバスでも良いはずである。しかし、この3年間で、ひたちなかの市民は、鉄道がひたちなかの町の風景として必要で、まちなかを多様な人々が巡る姿を鉄道で実感し、鉄道がある町の豊かさを自覚したのかもしれない。
 結果的に、災害はひたちなか市民に、鉄道の意味を問うことになった。
答えはYES!Img_0777

鉄道やバス路線を、残すことだけを考え補助するのは間違いである。なぜ、三木鉄道は廃止になったか?考えよ。
 鉄道やバス路線を活かして、どんなまちづくりをするのか、そのことが明確化されていなければ、もしくは鉄道を活かしたまちづくりのプロをスカウトして社長にせねば、補助だけでは残らない。
 神戸電鉄粟生線の赤字を沿線自治体がみてくれないと廃止したいと神戸電鉄が言い出した。国も支援しないと決めた。
 それで良いではないか。まちづくりの未来をみつめて、必要ないと市民が判断するなら、廃止すれば良い。廃止して、価値の低い近郊都市になることを、みんなが望むなら、それもあり。影の薄い鉄道の無い街、神戸の裏側で良いと市民が決めれば、それで良いではないか。しかし、本当に議論したのか。行政の役割が問われている。
 まちのビジョンも決めず、上下分離しても、誰も乗らない。神鉄の延命にはなるが、地域の価値をあげることにはならない。ひとたび事故がおきれば廃止。いまや、理念のない投資を、市民が許してくれる時代ではない。
 いっそ上下分離して、茨城県にならい、社長を公募してはどうか。

※ 通常、国25%、県25%、市25%で、事業者自己資金25%=7500万円が出せるかというと、この3年間、大赤字の茨城交通湊線を県が支え、公募で採用された吉田社長のアイデアもあり、さまざまなイベント、グッズ販売、CM撮影ロケ提供、通学定期大幅割引、まちかど博物館、おさかな市場、大洗水族館との連携などにより、「蓄え」がないこともなかったが、それを出しきってしまうと、今後、運営リスクが残る。

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