« 今、問う。生活学とは何か~東日本大震災を前にして~ | トップページ | ポストメトロポリスの自給持続都市 »

2011年8月11日 (木)

コミュニティサイクルを持続運営するのは可能か?

手軽で便利な移動手段として、環境負荷のない自転車は人気だ。健康にもよく、チャリ通勤も首都圏では流行っている。しかし、放置自転車で駅前や歩道が混乱し、歩道を走る自転車が、歩行者に危険を及ぼす。
 そこで、都心では自転車を共有しようという考え方がある。短時間の自転車を無料・軽費で貸し出し、ポートとポートを移動したら自転車を置き、用事を済ます。用事が済めば、歩くか自転車で駅近くのポートまで。
 名古屋の名チャリは会員が多く市民に浸透しているが、レンタル料・会費で運営するのは難しい。広島は広報不足で会員が増えず、事業補助が無くなれば難しい。パリのコミュニティサイクルは広告料で自立的にできるいるというが、MCDecaux社が、信号、ベンチ、ゴミ箱、バス停、照明柱、フラッグホールまで、広告規制の厳しいパリで、美しいデザインを包括委託されているなかで、コミュニティサイクルの広告収入で運営されているのである。一種のPPP(Public Private Partnership)である。
 とは言え、破壊行為の多いパリでは、自転車の維持コストは高く、この部分はパリ市の別会計負担なのである。
 結局、富山市のように、建設省出身市長の「交通を格段によくすることがまちを良くする」という哲学による行政負担と国の手厚い支援がなければ、コミュニティサイクルは成り立たない。
 費用の多くは人件費である。ポートの受付維持管理、需要の多いポートへの自転車回送の費用である。ポートの受付を全自動ICカードという手もあるがイニシャル軽費がかかるし、慣れない人の不規則利用、事故対処の要因も必要となる。電動自転車の充電を考えると、現行車両では無人は難しい。
 神戸でも、第2回まち・ちゃりシャトルの実験をこの秋行う。実験のための実験にしないため、事後の持続展開を考えたが、行政の永続補助は難しい。
 幸い、神戸市では国の大きな補助事業になっていないので(悔しいが)、自立的な手を考えねばならない。そこで、2つの努力模索を提案した。

1)都心の不便・周辺部のホテル・博物館・アートセンタや、将来、一定地域としてコミュニティサイクルが導入しやすい(車道余地が多く、自転車走行空間の可能性が大きい)地区を、この実験のサポーターにし、見てもらう。体験してもらう。住民、お客さんに紹介してもらう。
2)総合交通体系、包括まちづくりのなかに、自転車を考慮し、放置自転車対策⇒シルバー人材センター(退職者雇用)といった、後ろ向きの対処枠組から脱せねがならない。自転車を、環境負荷の少ないまちの魅力・クルマに頼らない美しい都心のシンボルにしていくために、役所の部局を越えた連携をせなければならない。
 昨日の会議では、事業委託のJTB、神戸市役所の各部局の皆さんの相互理解を見る限り、上記の課題にチャレンジしてもらえるように思われる。補助金がないときこそ、知恵を出さねば、地域資源を洗い出し、支えあわねば。
乞、ご期待! 

|
|

« 今、問う。生活学とは何か~東日本大震災を前にして~ | トップページ | ポストメトロポリスの自給持続都市 »

自転車」カテゴリの記事