できる範囲の心づかい【鉄道ホームと旅館朝食】
バリアフリーというと、工事費が必要だと、なかなか尻ごみになる。大阪モノレールでは、ホームドアやホーム嵩上げではなく、一部に柵を設け、車両とホームの隙間を数cmラバーで詰め、板スロープで2-3cm上げている。車椅子やべギーバギー、押し車を押す高齢者・・・、どれだけの人がこの心遣いで助かっているか。予算はなくともできることはある。
山口の湯田温泉に、お多福という古い旅館がある。豪華なホテルが並ぶ裏通りに、一泊朝食つきで4000円である。その朝食の写真を示す。超低料金ゆえ、豪華なものではない。しかし、普通の気持ちのこもった日本の朝食なのだ。
日本の産業の状況や震災を考えると、特段の施設整備や豪華旅館の安売りではなく、長年培ってきた日本の普通の配慮、心遣いこそが、今、一番大切なのではないかと思う。
国際観光の目玉は、有名観光地だけではなく、こうした日常の配慮の風景ではないか。
国の観光政策は、こうした隠れた魅力を紹介することも重要ではないか。
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