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2011年7月20日 (水)

まちづくりに役割を果たすタクシー経営

福祉タクシーを運営する経営者に聞いた。
 通常セダンタクシー50台、車椅子可・ストレッチャー(移動寝台)付福祉車両8台、回転椅子付セダンハイヤー1台、ほかに自動車整備、中古車販売、駐車場経営をやっている。
 米国の高校、大学を出て、ホテル接客、外車整備販売を経て、親族の経営するタクシー会社を任された。
 タクシーは、歩合制で、まともな売り上げがなくとも、1.5万円/日で0.75千円経営者に置いてくれ、15日/月、出てくれる年金暮らしの高齢ドライバーで良い。適当に走り、適当に待っていれば、サービスせずとも売り上げになる。客の顔を視ず、何もしなくても経営できる。
 価値観は、どれだけ売り上げたかで、どれほど感謝されたかではない。貧しいドライバーを前提に、サービス皆無の安定した経営ができていた。
 ところが、1995年の阪神大震災のときに、福祉車両で被災患者を次々、被害が少ない病院に搬送したり、看護師を輸送した。5階の市営住宅から患者をおぶってタクシーに乗せた。このとき、お客様から感謝され、かつ高額の料金をいただいた。

タクシー経営を始めたとき、
・経営を安定させる
・感謝され、尊敬される仕事
を目標とした。
 50台のタクシー(歩合制)で□億円の売り上げに比べれば、9台の福祉車両に9人正社員は、タクシー料金以外に介護保険の介助報酬や、障害者の支援費が、年間200万円を含めても、4000万円/年・程度の売り上げにしかならず、経営的には厳しい。しかし、責任を持って仕事をしてもらうには、給料は高くなくとも社会保険・有給休暇のある社員でなければ福祉タクシーはできない。幸い、救急病院からの依頼や、救急における民間救急としての紹介があり、何とかやっていけている。

交通まちづくりにおける、(行政支援のある)コミュニティタクシーやデマンド・乗り合いなどのサービスをする場合、安定的経営に見合うサービスが必要である。そのためにも社員制をとることが望ましい。受託には、競争入札、住民・利用者による評価が欠かせない。

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