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2011年6月21日 (火)

【授業報告:交通まちコミ】モビリティ・マネージメント

かしこいクルマの使い方 を考えるプロジェクト京都(http://www.kashikoikuruma-kyoto.jp/index.html)に掲載されている藤井聡さんのエッセーを引用して、モビリティ・マネージメント(MM)の授業をした。自動車の社会的費用は、暴力団に暴力はいけないと説くようなもんで、なかなか理解してもらえない。そこで、自動車の個人的費用を示した。

1)経済費用
・車両(200万円[2000cc]/7年間)+税金(年7万)+車検(年5万) +駐車場(年12万)+任意保険(年10万) +ガソリン代や、高速道路の使用料、一時駐車料・タイヤやオイル等の交換料金(13万円)=年75万(2054円/日)
(駐車違反・速度違反反則金やエンジントラブル・傷補修はなく、洗車は自分でするものとする)
・公共交通とニコニコレンタカー、タクシーにすると
年間レンタカー12泊24日  =30000円
タクシー利用55回×1000   =55000円
公共交通費 1万円/月×12=120000円
                              =20.5万円
2)人身事故確率・死亡事故犯人確率
・「人身事故」は、年間約89万件(平成18年の1年間)です。クルマの利用人口(約5千万人)から換算すると、例えば50年クルマに乗り続けると、一生のうちで「人身事故」を起こす確率は59%※1になります。
※1;1-[1-(89万人/5千万人)]50=0.59
・交通事故で亡くなる方は、年間約6,400人(平成18年の1年間)です。クルマの利用人口(約5千万人)から換算すると、例えば50年クルマに乗り続けると、一生のうちで「死亡事故」を起こす確率は0.6%※2になります。
※2;1-[1-(6,400人/5千万人)]50=0.006

給料20万円、西宮北口ー石橋間・通勤、職場:大阪大学ビジネス、結婚や子育ても視野に入れているとした。クルマで20分、電車で徒歩を含め70分。近くに中古レンタル2500円/24時間のニコニコレンタカー、カーシェアのtimes24(200円/15分)がある。
駅までの距離は環境も含め学生に考えてもらった。12人の学生の反応は、
                駅から5分(クルマ無)1名
駅から10分(クルマ要)2名、駅から10分(クルマ無)3名
駅から15分(クルマ要)3名、
駅から20分(クルマ要)3名、
となった。
女性「クルマが必要なとき、わざわざレンタカーは辛い。自宅にいつでもクルマがないと」
ちなみに、駅から20分クルマ要は、全部女性だった。駅から5分クルマ無は男性。

結論:MMの計算だけでは具体性がない。クルマが必要やと思っている人の行動変容は困難。親が、クルマがあって、環境のエーとこに住むと思い込んでいるなら、クルマ選択でしょう。(男性は、クルマありなし、多様な選択傾向があった)
 とくに農村部では難しい。次、江田島でやるときは、例えば2台あるクルマを1台にするとか、個別具体メニューをつくり、それを選択するやり方でないと、難しい。

学生のご指導に従い、次回、農村部では、具体メニューを作ってみます。へへーっ
《こうして、今日も大学院生の指導に素直に従うことになった。授業って、教えあい!学びあい》

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