航路を守る《広島県江田島市》
先週は、東京日帰り、広島の沖・江田島(旧海軍兵学校所在)日帰り、大学内新カリキュラムの学内調整など、流石に疲れた。ブログをまったく更新できず。
昨日、中国運輸局後援で、江田島の航路、バスをどう残すのかを講演した。
ひっついている島なのに東能美島、西能美島、江田島に別れ、4つの町があり、安芸郡と佐伯郡に分かれ、人口6万で海産が豊か(むき身牡蠣、かつて日本一)で造船もあり、対岸の広島・呉に通勤もでき、温暖で豊かな島だった。今、人口3万を切り、4町は合併、橋がついたため、多数あった航路が維持できない。そこでフェリー、高速船を整理し、バスの接続を整備した。「あれか、これか」を明確にし、維持の方向を調整した行政の努力は妥当である。が、4町の利害がからみ、皮肉な事に、住民の関心はクルマ利用に傾いてしまった。
高速船、バスの経営はますます厳しくなり、おまけに橋ができたから「離島ではない」ということで、国の航路維持の補助も難しい。ところが、橋は南端の倉橋島にかかり、さらに音戸大橋を渡ってぐるっと周って呉に着く。さらに、高速道路無料化で、広島へはクルマで行きやすくなった。
大都市広島の対岸にあり、能面や仏像を彫るアートや、Uターンで上品な民家レストランもできつつある。クラフトマーケットも企画されている。
みんなで航路を維持して、この強みを活かしたまちづくりがしたいと、熱心に聴いていただいた。広島へ行くのに、ぐるっと360度、周っていくような手しかないのは困る。みんなで乗って支えよう。
この熱い気持ちが、どう行動に現れるか、アンケートやワークショップなど、二の手を、市は考えているようである。
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