« 【授業報告と宿題】+「新神戸⇔三宮」論議 | トップページ | 【ツーリズムメディエート論通知】+《反省》社会を変えるには怒りは敵と思え »

2011年6月 1日 (水)

日本の自転車政策の課題

自転車を活かしたまちづくりを意図し、自転車専用道や自転車レーンの設置をめざした自転車通行環境整備モデル地区事業が、2008年98箇所選定された。が、実際には、歩道上に自転車をあげ(自歩道)、自転車通行位置指定ありor自転車通行位置指定なしが75%にのぼり、自転車レーンの実証実験がわずかに3箇所、自転車道の実証実験が8箇所にとどまった(鈴木美緒他「わが国の地方自治体における自転車政策の動向」第43回土木計画学研究大会)。
 都会では道路空間が狭いから難しい、と訳知り顔をする研究者もいるが、本当か? 本来なら、一車線を削減して自転車道に、または路肩を自転車レーンにすべきである。事実、すぐれた実践例(東金沢停車場線※1日はアクセスできたが、なぜか2日表示できなくなった。以下に現物を掲載します)もある。
Img_0001_newImg_0002_new (「石川の土木」石川県土木部、「まちなかにおける自転車利用環境の現状・課題」金沢市より)

この東金沢の試みの素晴らしいところは、バス停でも、交差点でも、自転車レーンが途切れないところである。「バスが停まっていれば追い越してはいけない」と自転車教育をしようとしていることである。
 日本でよくあるのは、交差点で急に歩道に上げられたり(写真)、Iwatelifenikki_2 

(岩手ライフ日記http://iwatelife.blog7.fc2.com/blog-date-200809.htmlより)、
バス停で、バス待ち乗客に突入レーンが多い。Tecchannokarisuma (テっちゃんのカリスマ日記http://green.ap.teacup.com/gucchi/882.htmlより)

もっと危ないのは、「なにわの自転車危険地帯」 という状況。大阪は、開発途上後期、東京オリンピックの頃のままか?

こうしたなか、土木計画学会に出ていた佐藤宜秀さん(UR都市機構)からメールをいただいた。公務を続けながら、自転車を都市再生に活かそうという、アクティブな実践・研究活動をしておられる。驚いたのは、佐藤さんが撮った、コペンハーゲン、ロンドンの自転車通勤の動画。

冬なんで、「滑らんかいなあ」「えらいスピードやがクルマとぶつからんのかいなあ」、と心配していた。が、じっくり見ていて気がついた。自転車と走行空間を共有、接しているクルマは、日本よりズーっとゆっくり走っている。なにわの交差点では、クルマが圧倒的に支配的、威圧的で、速いスピードで走る。自転車は命をかけて追われるように走っている。
視察時の撮影動画(コペンハーゲンの通勤風景)
視察時の撮影動画(ロンドンの自転車通勤風景)

ははーん、わかった。
何で日本で自転車レーンが遠慮して、歩道に乗り上げ、歩行者と交錯するのか。

発展途上国では、昔の中国のように、クルマが少なく、天安門広場は自転車の大群が走行していた。
今日の先進国では、デンマークやイギリスのように、歩道や車道とは別に、自転車走行空間が担保されている。
先進国ではない日本のような中進国では、いまだに、クルマ優先の道路思想が一部の地方官僚や警察官僚に支配的であるから、歩道で人と自転車が錯綜する。クルマという物やそれによる利益のみに価値を置き、人や環境、コミュニケーション、安全は名目上、お題目として唱えられるだけである。国交省が都市の将来ビジョンを考え「自転車走行空間の確保」を募集したのに、手を挙げた自治体は、いざはじめてみれば、脳ミソが中進国だからクルマ優先を変えられない。それを親切ごかしに「自転車が危険にさらされるから、歩道に分離しました」と・・・。よう言うてくれるワ!(ブチッ!)

中進国の頭を叩き割る実証実験をせねばならない。国交省は「中進国どタマかち割り自転車実証実験」を企画せよ。

|
|

« 【授業報告と宿題】+「新神戸⇔三宮」論議 | トップページ | 【ツーリズムメディエート論通知】+《反省》社会を変えるには怒りは敵と思え »

自転車」カテゴリの記事