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2011年5月

2011年5月31日 (火)

【授業報告と宿題】+「新神戸⇔三宮」論議

28-30日、筑波大学で開催された土木学会計画学委員会に参加、「土木計画と宗教」を発表させてもらった。自転車実証実験の報告発表が30以上あり勉強させてもらった。
 始発で大学に戻り、興奮冷めやらぬまま授業をした。
 バリアフリーを越えて、街頭による地図情報提示とターミナル交通ポータルサイト「のりばインフォ三宮」、さらにはその限界からプロバイダー4社(駅すぱーと、ナビタイム、ジョルダン、駅探)へのバス情報提示手法「関西バス情報見える化会議」(近畿運輸局)ならびに四国、広島等でのバス情報提供の取組み(例えば、高知県で室戸岬から足摺岬を検索せよ。見事にバスが出てくる)を、私の「えらい目にあわされた」体験漫談で紹介した。今後は、その情報が携帯やスマートフォン・iフォンを含めたwifi通信で提供される「どこでもいつでも移動支援案内」=ユビキタスを話した。
 宿題は、配布した西田純二「ユビキタス技術による‘まち歩き’支援システム」を読んでくること。次回、議論し、その上で自由移動手段としての自転車について話題提供する。

ところで、利用者利便を第一義に考えるべきで交通事業者の都合、権益だけじゃいけない問題を事例として提示した。新幹線で新神戸駅に着いても「JR市内発駅乗車券」は使いにくい。JR在来線接続がない。地下鉄200円を支払い隣の三宮に行かないとJR在来線につながらない。料金抵抗と、乗換え回数抵抗、さらには新幹線新神戸駅と地下鉄新神戸駅はかなり遠い移動距離抵抗がある。交通局事業者の採算論理と、JRの論理だけではなく、利用者利便を考えて工夫せよというのが私の意図である。
 ところが、経済学専攻の学生から、企業は利益を最大化させるのがミッションなのだから、200円料金の市内発駅内在化により利用者利益を最大化し、企業利益を遺失しするのは悪であるとの意見が出された。
 確かに、ミルトン・フリードマン主導するシカゴ学派のNeo Liberalismにたてば、そうかもしれないが、その結果、社会的共通資本が遺失している現況(宇沢弘文『社会的共通資本』(岩波書店[岩波新書], 2000年) を考えれば、この学生の意見はいささかバランスが欠けているかもしれない
 このとき、経済学専攻の別の学生が「企業と消費者の相互に信頼がないことが課題」ではないか(と私は受け取った)という指摘がなされた。モンスターカスターマーを前にして、企業は個別利益を優先するし、個別利益を優先する事業者を信頼しない消費者は、地下鉄三宮ー新神戸間という社会資本を忌避し、クルマで新神戸駅に集まるのではないか。もしくは、新幹線アクセスの悪い神戸市を避ける要因になっているのではないか。=公共利益の遺失
 これを解決するには、交通局とJRと観光事業者、行政が一緒になって、この課題解決の社会実験を行い、そのことを通じて相互理解を深めていくことではないか。

この学生の指摘はとても重要な指摘・議論だと思う。私は、これからの社会資本の整備、成長産業の育成については、信頼に基づく社会をいかにつくるかが課題だと思っている。自転車や地下鉄市内乗車券化も含め、相互信頼を醸成する協働による社会実験こそ、地域相互信頼性を構築する武器なのではなかろうか。  

ここでは、世界企業はすべてCSRを戦略としており、禿鷹資本主義のフリードマンを「時代遅れ」とする学生もいたが、こうしたせっかちな評価は非建設的で非教育的であり、避けた。ただ、宇沢は、『自動車の社会的費用』(岩波書店[岩波新書]1974年)でも、利便率最高の自動車の社会的課題を早くから明示している)⇒次回の宿題

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2011年5月25日 (水)

大津俊夫「ミュンヘンフォーラム」

『神戸復興塾通信』第22号、2011年4月

大津俊雄は、阪神大震災で被災した夏、Muenchener ミュンヒナーForum フォールム(ミュンヘン市民討論会)を学びに現地に飛んだ。復興のお手本になるのはM市であろうと前から睨んでいたからだ。Forumの立役者Kluehspies クリュスピース氏の家に泊めてもらい、4 日に亘って市内を自転車で観察した。という。
 大津は阪神大震災で大活躍し、神戸復興塾を興し、それが神戸まちづくり研究所に展開している。平常時はともかく、災害になると、突如、素晴らしい行動と文章を残す。紹介したい。

 彼の重い経験から発する格言は多い。例えば「都市計画は社会哲学的な問題だ。都市計画とは車を流す事だと思われていたが、街中の道路を改善して交通問題を解決できた町は無い」
‘60 年代は西ドイツも経済の高度成長期で、BMW 本社のあるM 市は市電を撤去して自動車道路を軸とした都市計画を打ち出した。市の職員でありながら反対を唱えたK氏は辞職して、市電に乗る運動やレール撤去反対デモを指揮して20 年間戦った。その結果は原案の1/3 が道路事業化され、1/3 が地下化し、1/3 が廃止されて保全や緑地化した。今や市民であふれる旧市街(Burg ブルグ内)は、こうして車から守られて歩行者天国になったのである。市庁舎の広場は、私が45 年前に来た時は市電・車・人で雑然としていたが、今は謝肉祭で仮装した男女の歌と踊りの場に化していた。観光客はのどかに仕掛け時計を見上げている。
 Seoul 市の高速道路をはがして再生した清流づくり(裏ではバス体系の再編)、ブラジルのCuritiba クリチバ市でのバス体系と公共施設の改善なども日本の交通関係者からは絶賛されている。しかしそこからは市民の声があまり聞こえてこない。K 氏は困難なプロセスの中で、対立する行政と市民を話合いに引き出し、そこに専門家を加えた円卓会議を作り、公開討論会を開いた。会合は小さい時には100 人規模で、大きい問題では1 万人規模に及んだ。これで行政は学んだ。「計画情報を早い段階から公開して、市民の意見を盛り込んで修正した方が、結局は事業がやり易い」と。市民も学んだ「意見を言う限りは、責任も分かち合わなければならない」と。専門家も「合理的に理屈ある話合いをリードするべきだ」と悟った。
 このプロセスを経て関係者は、M市の道路計画の勝敗や形態よりも重要な「話合いの場Forum」を勝ち得たのである。更にK 氏はこの場を市内に於ける大型開発案件の全てを話し合うシステム「開発問題に関する市民討論機構」へと昇華して定着させた。既に新空港計画や郊外団地計画などで実績を上げている。このレベルにまで市民活動を高め得たのはM 市以外ではStuttgart 市(独)、Portland 市(Oregon 州) 、SanFrancisco 市など少数であろう。
市民の声が弱い発展途上型開発では、technocrat テクノクラート(技術官僚)によるトップダウン(いわば開発独裁)で都市インフラが整備され勝ちである。民の声が出てきた中進型開発では、市民に参加の手続きが用意されるが、公開説明会や対案具申で市民巻き込みを図る形式的参加に終わる場合が多い。先進型開発では、自立した市民と市行政の話し合う場が随時、更には恒常的に準備されている。
 復興に向けて求められる態度は、細分された専門領域的分析(アナリシス)よりも、市民の知見も統合的に再編し実現するシステム(シンセシス)を、試行錯誤で早く構築することである。主旋律なきマーラーやジャズの演奏にも似た非指揮者たる手法が必要である。

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2011年5月24日 (火)

谷口ジロー『遥かな町へ』と映画『阪急電車』

倉吉市観光交流課からコミック『遥かな町へ』をいただき読んだ。

日常に疲れた48歳が、ふいに「スーパーはくと」に乗り、故郷の墓で、中学生の自分に戻ってしまい、中学の夏休みに失踪した父を、もう一つの人生でも止められなかった、浦島太郎物語。
 誰にでもある、私のなかにあるもう一つの人生と記憶の町への憧憬・・・とともに、そんな長い夢の後の「今の暮らし・家族」へのいっそうの慈愛。
 それが、60年代の地方都市、みんな生き生きと普通に暮らしていた町の描写のなかで輝いている。Img_458630_22993381_0 Img_458630_22993381_1 Img_458630_22993381_2

http://blogs.yahoo.co.jp/hiroko43onelove/22993381.htmlより)

 水路端の赤瓦や背後の打吹山の緑が美しい倉吉に、谷口ジローの描写を一日かけて探りに行きたい気持ちになった。近く、フランスで映画化されるという。その撮影・描写の場所に、解説板がたって、多くの人が訪れる日が来ることを望んでいる。

映画『阪急電車』も、西宮と宝塚を結ぶ六甲東麓の美しい暮らしを描いている。山があり、空があり、川があり、そこに悩み、喜ぶ、普通の暮らしがある。
 人生って、まちのなかに抱かれており、多様な人々の暮らしを物語るような町や電車でありたいものだ。都市計画や土木計画はそんな町・インフラを目指さねばならない。

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2011年5月23日 (月)

三朝温泉と三徳寺投入堂

倉吉のまちを散策し、投入堂を参詣し、三朝温泉に泊った。
 倉吉市役所や三朝町役場・観光協会・広域連合のお世話になった。

■倉吉の赤瓦観光地が開発され、新規にアートのギャラリーができたり、地元の方が福神めぐりや講談で歴史を語るなど、大阪の淀屋の親戚や里見家のゆかりなど、地域の歴史発掘が行われ、10年前の衰退市街地を知っているだけに、地域が明るく激変して嬉しくなった。昼は、餅しゃぶImg_0610
■三朝温泉が、朝の投入堂訪問などを仕組んだ滞在型観光を模索しつつあるが、まだ、取組が初歩段階。もっと、投入堂とラジウム泉効果をアピールすべきだ。
■投入堂は一度は登りたい。修行の山だが、誰でもチャレンジできる。一度は、行くべし。Img_0619 Img_0620

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2011年5月19日 (木)

進士五十八『日比谷公園』鹿島出版会

本書は、単なる都市公園計画史や造園論ではない。
 都市と緑と空間に関する生活誌であり、公園から見た都市文明論である。

いうまでもなく、日比谷公園は日本都市公園の代表であるが、その変遷は都市世相史を反映し、常に、単なる空間用途論によって改廃の危機を背にしている。進士はこれを卒論として研究し、その利用の生活誌まで調査している。

日比谷公園の特色は、単なる公園広場ではなく、洋花、洋食(松本楼)、洋楽(音楽堂)をそなえ、かつ江戸城の堀石を活かした和庭園も含めた多様構造にある。その多様な公園が、関東大震災での避難場所として、戦時中戦後の高射砲陣地から食糧畑、仮埋葬地として、また年越し派遣村の記憶に新しい政治プロパガンダの場として、文士や芸術家の交流の場として、さらには児童遊園による教育の場として、多様な公園生活史を歩んできた。進士はこれを「幕の内弁当」の生活美として評価している。天才建築家が作る造形のみに意味があるのではなく、人と緑と時間がおりなす歴史性・文化性をおびた生活のなかにこそ美が存在する。

こうした生活美こそ、コミュニティの核たりえる。進士の指導教員であった井上清は、帝都復興計画で公園と小学校をペアにしてコミュニティ核にして配置している。さらに、井上は多摩霊園や、公園での児童指導にも手を染めている。ゆりかごから墓場まで、緑が護って来た。これが都市公園である。

井上の公園形成事業を、都市生活史に位置づけて受け継ぎ、全国的に展開したのが造園学会長、都市計画学会長を経歴した進士の功績であり、その最初で終生の対象が日比谷公園である。本書はその記念碑的著書である。

生活からみれば、公園こそ都市の核であり、建築や道路は、ガワにすぎない。見えない生活に眼を凝らした進士の態度こそ、究極の生活学である。見えない空気、経済価値のない緑こそ、生活に最も大切なものである。生活学を学ばない造園や都市計画は、アンコのないガワ研究かもしれない。
 私は、大都市計画学会会長を勤め学長を務めた進士先生が、なぜ、小さな生活学会の会長をわざわざ勤めていただいたのか、その思い、意味が本書を読んで初めてわかった。
 ぜひ。日本生活学会に入りいただき、ガワを越えて勉強しませんか。市民も、学生も気楽に発表や会合参加できます。
7月16日に「木器と木の文化シンポ」「同潤会大塚アパートメントハウスシンポ」
10月8日に、震災と生活学シンポ
を行います。来春の大会は大阪。
紹介者は、森栗としてください。
正会員:10,000円 市民会員:6,000円 学生会員:5,000円

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2011年5月18日 (水)

4月17日20日、自宅の全ての電球をLEDに換えたことを報告した。

これを機会に、炊飯器、洗濯機、朝食準備・弁当づくりを7時前に、7時以降TVを切ってラジオに・・・
 オール電化の場合、夜間23時~7時が夜間電力で8.19円/kWh、リビングタイム7-10、17-23時が21.64円/kWh、デイタイム10-17時が28.02円/kWhとなる。必死で、8円のときに電気を使うのだ。実は、一般家庭でも「時間帯別電灯」を選択することもできる。この場合、7-23時が27.25円、夜間が8.19円となる。
 加えて、徹底的に昼間の電気使用を削減し、太陽光の余剰電力買取48円/kWhでがっぽり儲けようと考えた。電気冷蔵庫の温度を弱にして、庫内を整理し、外出時は留守節電などを実施した。さらに夜間電力を使うヒートポンプも冬以外は設定温度を落とし、水量を落とす設定にした。
 ちなみに、我が家の太陽光発電は22kWh、48円だから、1056円/h。ヘタなパート労働より儲かる。疲れたと文句もいわない。土日も働くが、曇天や夕方は働きが悪い。

その成果が、電気料金で評価された。

Img

オール電化で、請求が7006円、ガス代0円。太陽光発電による余剰買取が11136円となった。何と、光熱費0円どころではなく、4130円儲かってしまった。

去年は、9272円の請求で、太陽光が178kWhで5712円ほどの買取。太陽光の健闘もあるが、LEDも含めた電気使用で2266円のお徳、太陽光余剰買取制度の活用で5424円の徳となる。
 お昼に炊飯器を動かしたり、昼間に電子レンジを動かすような無駄を避ければ、珈琲をわかしたりパンを焼くのを7時までにすませば、ざっとこんなもん。

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2011年5月12日 (木)

【武庫J大5/13、交通まちコミ5/16:資料・宿題】

5/13武庫J大生活学14:50鳴尾駅、学生は前回芦屋岡本見学のメール課題を5/12までに必ず提出せよ。かつ、長屋ブログを読んで置くように。F先生、昭和町1、2を参加者分印刷し持参ください。 

「寺西家文化財長屋ブログ抜粋」 昭和町1 昭和町2

5/14、15日本生活学会大会

 私は15日11:50頃「家庭部門CO2削減」を話します。首都圏でご関心のある方は参加ください。

5/16 交通まちコミ授業は、広島交通連携を議論する
美しい広島のために

5/23 数量化できないものを数値化する意味を議論する。宿題、研究しておくように。

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2011年5月10日 (火)

【授業報告:交通マチコミ】数字はデッチアゲ?⇒【宿題】

20110509交通まちコミppt

山口市の交通まちづくりの資料を活用し意見交換。資料は以下のとおり
1. 地域間バス交通の強化
合併前の自治体である小郡~阿知須間、秋穂~阿知須間の路線バスを新設。利用者数も増加傾向にあり、地域間移動の利便性が向上し、地域間交流の活性化や市民生活の質的向上に寄与している。
2.地域住民組織によるコミュニティタクシーの導入
市内8地域で地域住民組織が事業主体となったコミュニティタクシーの実証運行を実施し、全ての地域が本格運行へ移行予定。買物や通院といった日常の移動手段として好評であり、市民の日常生活の質的向上に寄与している。
3.わかりやすい公共交通情報の提供
鉄道やバスといった市内の公共交通機関を網羅した総合時刻表、公共交通マップの配布のほか、公共交通に関する情報提供を行うホームページを開設。公共交通を利用する際の障害のひとつである情報不足を補い、利用者の利便性向上に寄与している。
4.公共交通を利用する動機づけとなる事業の実施
啓発イベントやノーマイカーデーを柱とした「市民公共交通週間」、モビリティマネジメント、パークアンドライド実証実験を実施。新たな利用方法の提案や、個別化したよりきめ細やかな情報提供等により、全市民レベルでの意識の醸成を図った。以上の地域公共交通活性化・再生総合事業を活用した取組を始め、市民、事業者、行政の協働により、持続的な公共交通を創り守ろうとする総合的な取組として非常に高く評価することができる。
功績の内容(1)多様な主体の実質的参画
山口市では、平成18年に外部有識者、関係事業者、公募の市民委員及び行政などで構成する「山口市まちづくり委員会」を設置し、山口市の公共交通のあり方を住民と行政が対立するのではなく、協働の意識醸成を行いながら検討してきた。平成19年9月には「山口市市民交通計画」を策定し、地域住民とは地域特性に最適な移動手段の確保等について、各地域で地域勉強会を開催し、交通事業者とも月1回のペースで意見交換会を開催してきた。こうした検討は、計画策定後の現在も引き続き行われている(毎年70回以上)。
コミュニティタクシーの導入に当たっては、交通不便地域の交通弱者の移動手段を確保するため、地域住民組織が主体となって検討を進めるとともに、運行ダイヤ、バス停の設置、企業協賛金の集金及び回数券の購入等までを行っている。市の職員は、市の広報誌での情報提供や、モデル地域毎に担当が1人ついて、住民の取り組みのサポートをしている。
(2)創意工夫
合併前の自治体を結ぶ地域間バス交通の強化では、主要商業施設の乗り入れや結節点の整備などにより利用者の利便性の向上を図った。コミュニティタクシーの導入では、地域主体により市内8地区で実証運行を実施し、運行基準(平均乗車率30%以上、平均収支率30%以上)を満たした地区について本格運行に移行することとした。各地区において、定期的な会合等を行い、利用動向や収益状況を踏まえながら検討を進め、全ての地域が本格運行に移行する予定となっている。またこれらの取り組みとあわせて、公共交通機関についてモード
を横断した総合時刻表や市中央部の路線マップを作成・配布することで、わかりやすい公共交通情報を提供し、公共交通機関の利用の促進と利用者の利便性向上に寄与した。
(3)自立性・継続性
コミュニティタクシーの実証運行では、1年間の運行期間終了後、本格運行に移行するか否かについて、定量的な基準により評価を実施している。本格運行後も、3年間の運行期間を経て運行を継続するか断念するかは事業主体である地域組織が最終判断を行う。その他にも、3月上旬の第1週を「公共交通週間」として設定し、
各種イベント等を実施するほか、「グループタクシーの実証運行」など、様々な取組を実施している。

ミニホワイトボード片の赤字は学生の質問、黒字は感想。白板書はその回答等、教授者。

くるくるバスという個別地域の住民協働型交通まちづくりを、一つの自治体の理念にし、成功事例を作った。こうした成功事例が交通基本法に結実する。ノーマイカーデーではなく、給料日後金曜の「呑まないかデー」の方が意味があるという話は学生の興味を引いた。しかし、本当に過疎化人口減が続くとこれでやりきれるかどうか?。厳しい質問。それは大きな行政課題。トップの政策課題。
結局、交通の問題は交通のみならず、地域の活性化やコミュニティ構築に重要との理解が得られた。

ここで教授の挑発「数値にならんもんは政策にならん。コミュニティ好きがコミュニティ大切ですねと100回言ってもダメ。デッチアゲでも数字を示せ」
⇒学生絶句「集会の回数ですか?」(「デッチアゲ」はないでしょ・・・)

正確に言うと、すべての数値は一定の条件のもとに出され、限界性がある。にもかかわらず、一定の合理性で示さないと政策にはならない。目先の数字を無限定に信じてはダメ。その向こうにある見えない意味を想像することが科学だ。これを逆に微分すれば、幸福や神、コミュニティ、活性化のような数値にできないものも、どのようにして合理性をもって示しえるかが、科学の課題なのである。

そこで宿題(5月23日)次のうち、いずれかの命題を解け。
(ヒントはブログにある場合もあればない事もある。ただ、研究者・専門家なら原書にあたれ)
【宿題1】神の存在について、信じるほうがベターか、信じないほうがベターか、確率論で論証せよ。
【宿題2】幸福の限界効用、及び、供給0のときの絶望、エネルギー過剰消費の傾向を、数理的に説明せよ。
【宿題3】原発の信頼性の逓増率、及び事故による信頼性回復の困難性を、数値を持って説明せよ。

10日13時アクセス分析。「宿題」と書くと、大学内のアクセスが一気に増える。「原発」と書くと、某eonetが突如アクセス。監視されている?物事の奥底を見極めようとせず、目先の言葉や数字に反応するのは、人がいかに科学的に思考できないかの証左であろう。だからこそ、積分して科学的に数値を出すのだ。

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2011年5月 9日 (月)

【授業報告:2011まち歩き】天神橋筋商店街~適塾

OPで午前、大阪市くらしの今昔館見学。町家・長屋展示は天神祭v.で、家前のちょうちん傘を掲げ、店前の幕や、皿・箱などによる造物が美しい。くらしの今昔館夏祭展示近代展示では、次回行く空堀の暮らし展示がわかりやすかった。ボランティア解説もあり良かったが、こちらの時間、各人の興味に関係なく(他を見たいのに長話が続くので行けない)、一方的に知っていることを全部しゃべろうとする、クイズなど個別対話小芸に走り、全体が見えない典型的な観光ボランティア。
 各地の観光ボランティアが、退職者の歴史趣味にとどまり 、多くのビジターが、この親切を避ける。そうではなくて、訪問者の関心にあわせ、相互交流をすすめるようなツーリズムメディエートが求められる。そのためには、自己の暮らしを示しつつ、ビジターの思いをくむ、高度な現場コミュニケーション能力が求められる。(その成功例が長崎さるく)今回は反面教師となって、授業としては成功。

午後は、37名で長柄橋で人柱・前近代橋梁工法、蕪村と毛馬の話、葭原墓地(北斎場)が天神橋筋六丁目(天六)が新京阪(阪急京都線)のターミナルとなったことを説き、双子池と天満運河、日本一長い天神橋筋商店街を南下、天満天神繁盛亭、天満宮、ガラス発祥碑を経て、鴻池邸(大阪美術協会)、木造文化財の愛珠幼稚園を経て適塾。大部屋で正座し以下の話をした。
 大阪が育てた経済人松下幸之助は晩年、夢をもって道を定めねばならないと言った。大阪大学は、民間で有能な人材を育てた緒方洪庵を学祖とし、民間寄付で始まった大阪外事専門学校が基礎となっている。この大部屋で、福沢諭吉大鳥圭介、大村益次郎、佐野常民、手塚良仙、長与専斎、橋本左内ら皆さんの先輩が辞書を奪い合って勉強した。大阪大学は、全国の秀才が集まり、大阪市民によって育てられ、時代を切り開く伝統を持つ。今日の日本のおかれた状況は厳しく、就職活動も困難を極めている。しかし、幕末の日本に比すれば何ら問題はない。皆さんは、自らの置かれた道=この素晴らしい先輩の後輩であることに誇りを持って、勉強してほしい。
 その後、学祖緒方洪庵先生の像とともに記念写真を撮った。(右奥、ピンクは茶谷招聘教授[長崎さるく発案、推進者])Img_06071

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2011年5月 7日 (土)

80-88番【お遍路授業2011年春報告】

5月1日、80番国分寺から一本松急坂を登り、トトロ山道を81番、82番、3~4人×7班(速さにあわせ)で歩く。CSCD教員2名、社会人聴講3名、学部院生22名(うち1名社会人院生)。
一人で歩いたときに比べ予想以上に時間がかかる。昼から歩き始めたこともあり、日没になる班も出た。が、美しい桜舞う山海の景色を胸に入宿。疲労の激しい学生もあり。
 班によりGPSを持たせたが、全員で充分使いこなせなかった。

5月2日、疲労遍路は玉藻城見学の後、屋島シャトルバスで登山、84番、下山。琴電八栗口から徒歩で八栗ケーブル、85番。昼食は山田屋でうどんが多い。琴電で86番志度寺へ。志度から長尾へは、コミバス利用、JR造田経由など。87番長尾寺門前あづま屋。Img_0585

5月3日、コミバス、または徒歩で前山池おへんろ交流サロン、道の駅。遍路道コースと女体山コースに分かれて、88番大窪寺。Img_0588

・多様な専攻の学生が班毎にお互いの速度を気遣いながら、語り合いながら歩いた。
・個々の学生が、個々の体の状態を自分で考慮し、多様なコースを歩いた。挑戦した。
・通常0~2組客の古い門前旅館の風呂(定員3名)に、命ぜられずとも互いを気遣いながら27名が連携して入った。まさか全員が入れるとは・・・。狭い所を譲り合って座り夕食朝食をとった。料金も徴収担当を決めず、教員の前の箱に指定時間に個々にお金を入れて個々がお釣りをとった。記録せずとも信頼しあい、一気にお金が集まった。Img_0584
・学生が、参拝者、子ども、住民、旅館のおばさんなど、多様な人に出あい、声をかけてもらい、食べ物の接待を受けて感動していた。
 単に歩いているだけなのに、お遍路って、相互信頼し、わかちあい、ささえあい、声掛け合いの教育効果がある。歩くことで、風土や地域生活、逆に自己の体と語り合う。
 学生の充実した顔を見ると、お遍路はコミュニケーション教育だとつくづく思う。
それにしても27人は楽しい(「多い」と言ってはいけない)。

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【新連絡:武庫J大、お遍路、まちあるき】

武庫J大生活学:5月6日(金)授業は、先方の都合により、芦屋、岡本歩きに変更

5/8(日)都市ツーリズム論、ツーリズムメディエート論は、13時、天神橋筋6丁目駅北改札から3番出口の「大阪市住まい情報センター・くらしの今昔館前広場」に集合
OP(興味のある方、何とか朝起きられる方):くらしの今昔館(学生証提示で300円)見学希望者は同場所に10時集合(昔の長屋などを見学予定:参考文献森栗茂一「長屋の住み方とその評価について」『都市住宅学』第48号、pp100-110、2005年1月、都市住宅学会

OP(茶谷教授):5月22日「さるく観光尊師と大阪市飛田を歩く」

阪大お遍路5/1-3は有意義に終りました。写真、GPS等の資料のある人は、仲間と連携をとり記録を整理しておいてください。10/1に、小さなものでも発表をお願します。Fさんの写真スライドショーもみたい。

10/1(土)中之島センター発表交流会は、受講生激増につき、以下のようにしたい。
 10~13時 お遍路発表、交流会
 13~14時 交流昼食会
 14~17時 まち歩き発表、交流会
 17時~  茶谷招聘教授を囲んで
〈一般、市民参加、見学歓迎〉

集合写真等は、多忙につき整理できていない。今週中にアップする。  

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