アウトリーチ活動に関するワークショップ(WS)
昨日、阪大豊中のワークショップ用のマッチングセミナー室で、コミュニケーションデザイン・センター、21世紀懐徳堂、大型教育研究プロジェクト支援室(以下、支援室)、歴史教育高大連携や多様な専攻の教員、事務職員、医学部名誉教授など40余名が集まり、神戸WS研究会のファシリテーションによって、ワールドカフェ(※)の手法を使い、「アウトリーチ(Outreach:以下Orはどうやるのか」「大学のアウトリーチとは何か」を、自由に語り合った。
※ワールドカフェ=4人1テーブル(× n)に分けられた参加者があるテーマについて話し合いをするのですが、途中でメンバーを相互のテーブルで入れ替えたりして話し合いを継続していくというやり方をします。それだけ聞いちゃうと何の変哲もない感じを受けるでしょうが、うまく使うと大人数(最小構成12~最大1000人以上)が短時間で全員の意識の共有化が図れたり、課題に関しての参加者のコミットメントを醸成したり、今までにない創造的なソリューションを生み出せたりするという優れた効果をあげることができます。http://www.ekkei.net/2008/02/blog-post_26.html
3000万円以上の交付金等を受けているプロジェクトでは、Orが義務づけられ、20億以上の世界拠点プロジェクトについては、事務も全部英語の世界標準支援体制が組まれ、Or専門の職員、教員が配置された。
が、ではどうやってサイエンスカフェをするの?、サイエンスカフェ以外のOrはあるの?、そもそも忙しい教授にどうやってOrをやる気になってもらうの?と、担当者は悩むケースもあったようだ。
そこで、表題のワークショップ(以下、WS)となった。
が、そもそもアウトリーチという言い方が、大学から一方的に与える志向性で双方向でない。JST(科学技術振興機構)的に言えば「パブリック・エンゲージメントとは、これまでパブリック・アンダースタンディング・オブ・サイエンス(公衆の科学理解)としてきた活動を一歩進め、積極的に「関与」してもらおうというもの」となるが、何か上から目線、双方向じゃない。
一方で名誉教授からは、コチョコチョ、サイエンスカフェなんか意味あるのか、大学の果たすべきパブリックを考えなアカン、内部的議論で昔と変わってないやないかと一喝された。
そうはいうものの、現状は、同人誌的研究会の内部了解=自己満足研究が少なくない。むしろ、大型プロジェクトを獲得している研究者は、研究革新のためにOrに積極的でカフェ以外の多様なOrを求めている。それがすすめば、学内の内部了解=自己満足研究の一部に底上げがなされ、学内連携がすすむのではという期待がある。隠された標的は、ほとんど外部資金を得られない研究に対する活性化かもしれない。
恥ずかしながら、外部に開く、コミュニケーションをとる以前に、内部の双方向コミュニケーションを図らねばならない。おそらく、内部活性化を図ることが、社会との双方向コミュニケーションの機会を増やし、結果としてパブリックを考えることになると思う。
市民に、ワクワクドキドキを提供する前に、学内の対面コミュニケーションを増やし、一緒に考えていくことが大切だ。素朴で恥ずかしいが、昨日は、とても楽しい「出会い系WS」だった。
今回は、スタートアップ。今後も、神戸WS研究会の知恵をお借りしながら、学内外の双方向出会いをすすめて、研究のイノベーションを促進したい。
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