某第三セクター鉄道の悲劇
某都心からAニュータウンまで約30分、500円というA鉄道がある。B都道府県出資の第三セクターである。退職高齢者が多いオールドニュータウンになりつつある。若干、運賃が高めであるが、これまでは通勤定期を会社が支払ってくれていたので気にしなかったが、退職者には500円を越える運賃、バス台を含めれば往復2000円は厳しい。
実は、A鉄道という会社は存在しない。B都道府県都市開発の一事業だった。
二つのトラックターミナル、空港物流、空港ホテルの経営、さらにはホテルの空港ビル賃貸料、光熱費まで支払っている。
これらの事業の状況をみると、A鉄道は154億円の借金、沿線商業施設にも116億円の借金があり、連結株式勘定は16億円だが、単年度4.8億円の黒字には希望が残る。が、86億円借金があるC空港物流(年1.5億赤字)に年8億円支援、さらに、B・D航空ホテル経営に10億出資、単年度1.4億円支援し、そのビル賃貸料4.8億、光熱費3.6億円を関連会社に負わせても、ホテルは年間1.7億の赤字と13億の借金であえいでいる。
こんななか、この会社を一括売却しようという動きがある。
ことは、A鉄道の健全運営やニュータウン再生、クルマに頼りすぎない地域づくりの問題だけではない。Aニュータウン事業はC空港とは何の関係もない。A鉄道と商業施設、ニュータウン再生は、個別の地域再生事業として、情報公開して住民とともに手を考えるべきではないだろうか。
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