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2011年2月16日 (水)

土地を私物化しない町は栄える①

日本人の土地に対する固執、商店街で個別利益を求める対立や、農振解除を求める農民、もう人口減少・産業は伸びないのに、土地デフレやないか、エー加減にせーよ、と言いたくなる。この原因を見事に言い当てたのが先に紹介した広井。
 第二次大戦後の農地改革で私的所有の絶対性が高まり、共同体的制約から解き放たれるなかで、高度経済成長のなかでの開発志向と呼応して、私的所有権が暴発したのが日本の現状(広井2009:133-134)であり、コミュニティの核を作るのは難しい。

それでも高知のひろめ市場は、民間が土地を安く提供し、小さな店が競い合い、賑わっている。
 平成10年1月1日現在、建設省所管(当時)財団法人民間都市開発機構(以下、民都機構という)が所有して、その前年に、中堅ゼネコンであるD建設株式会社(本社:高知市)に平場の駐車場として、その運営を委託していました。平成10年1月、D建設に土地の活性化提案があり、理解が得られた。
 土地は、平成15年5月31日までの一時使用契約とし、土地はその後、D建設関連会社のひろめ市場運営会社が取得した。こうして、1階部分店舗3,061平方メートルとピロティ324平方メートル(よさこい広場)及び2階・3階(屋上)に合計220台の駐車場を建設することが決定した。
 この「ひろめ市場」事業費は、全体の建設費及び駐車場設備費などで約5億円、1階の内装費と什器備品に約1億円が投じられることになりました。建築面積が3,600坪ほどですから事業費としては少額の投資。実は、開発業者が負担しなければならない発掘調査費は、約1億5千万円でしたが、エレベーターホールのみ発掘調査を実施し、その他は50cm切り下げて「べた基礎」工法としました。
 また旧大店法により、500平方メートル以上の床面積をもつ商店や大規模店舗は、物品販売業を営もうとする場合に商工会議所の調査や意見聴取、地元説明会などの手続きに1年数ヶ月を要するという内容でした。地元商店街が中心になって運営するとしても例外規定が存在しませんでした。旧法成立の頃には、地元商店街と郊外型大型店進出による対立といった図式があり、その上で調整機能として成立した法律でした。土地使用料650万円を毎月支払いながら、その結果を待つゆとりもなく、県庁や商工会議所関係者に相談したところ、唯一の例外が、「飲食業を除く」という規定でした。このため、物品販売業もコーヒーやビール(ジョッキなどによる),その場で飲食できる状態で食品を提供するなど飲食業を中心に出店調整をすることになりました。物品販売専業者の出店を500平方メートル以下にしておいて、オープン後に旧法の定めた手続きを実施して行くことで調整をしました。
 その結果、楽しい和式フードコートになっています。
 さらに、新聞発表された低額の出店料や共益費では5年間の経営計画としては、事業が成立する余地がありませんでしたが、一度初めて好評なら潰せない。平成23年のいまだ、営業を続けている。(仙波山の狸ばやしhttp://plaza.rakuten.co.jp/kkuni/

永遠の仮設という意味では、震災後の区画整理事業用仮設をまちづくり協議会の事務所にしているところがあるが、地域の核として、一時使用が十数年続いている。
 人生も、まちづくりも、仮設の連続。何かもつくることのみを目的と、できれば、まちづくり協議会解散では意味がない。プロセスデザインこそ重要なのだ。

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