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2011年1月14日 (金)

地域交通計画マイスターの活用法

3年前に施行された地域公共交通の活性化と再生に関する法律は、国が公共交通の許認可監督業務を越えて、地域交通計画に責任をもった画期的な法律であった。この活性化再生事業において、自治体は法定協議会を設置し、これまで赤字バス補助くらいしかやったことのない自治体が、地域交通計画を策定するようになった。なかには、国の補助を受けてコミバスを走らすためだけに、アリバイ程度の協議会と形ばかりの計画を書いた自治体もなくはなかったが、一方で、交通計画のエキスパート、とくに若手が登場する自治体もあった。

市内上限200円バスを始めた京丹後市職員、高齢者免許返納制度と組み合わせた特割バス定期券を導入した土佐清水市職員、過疎地交通移動を県境を越えて確保しようとした広島県神石高原町の職員、住吉台くるくるバスを陰で支援した神戸市職員、阪神駅バスネットの総合情報提示を実現させた兵庫県職員、工業団地でのモビリティマネージメントのモデルを作った京都府職員、自治基本条例と組み合わせた住民協働の交通計画を作った広島県大竹市職員、住民協働のコミュニティタクシーを導入した山口市職員、他にも京都府木津川市、千葉県南房総市、千葉県我孫子市、長野県安曇野市など、各地にまちのビジョンを考慮し、地域交通計画を練り上げた有能な自治体職員:マイスターが輩出し、これを支える組織や予算が組まれつつある。

こうした人財を国の宝:マイスターとして認定しようという動きが先導的運輸局で進んでいる。全国的に進めて欲しいと思う。では、このマイスターをどのように活用するか、考えた。

概して、せっかく輩出した地域交通計画の人財も、移動転勤で能力を発揮できなくなるケースも多い。なかには、急進的改善をしたため、旧来踏襲の組織から疎まれ、左遷というケースもないわけではない。
 私は、次期通常国会に出される交通基本法に基づく、地域公共交通の確保維持改善法において設置義務のある協議会に、これらのマイスターをファシリテータとして派遣してはどうかと考えている。
 小さな自治体では交通計画を専任で担当できる人を配置するのは難しい。今後は広域を統括する県の協議会の役割が大きくなるものと思われる。このマイスターを国の運輸支局に、首席官として派遣し、県や自治体を305億円補助予算のみならず、人財面から支援してはどうか。
 一方で、自治体の現場・立場の知識が少なく、法的監督の意識が抜けきれない運輸局の職員を、マイスター先の自治体に派遣して実地修行してもらってはどうか。

自治体職員のマイスターを運輸支局の首席として派遣し、運輸局の職員を自治体現場に派遣する人事交流。そして、国の補助予算を組んだ法定協議会をマイスターがファシリテートする。運輸支局の首席としてのマイスターが県内をサポートすれば、県内全域、担当者もいない過疎自治体の交通行政の支援にもなる。自治体と運輸局との人事交流を、法律施行にあわせて実施することを提言したい。
 今すぐ、実現に向けて取り組むべきである。

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