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2011年1月

2011年1月31日 (月)

バスの高齢者優遇定期券、一日乗車券、環境定期券、免許返納者割引

某都市圏の交通連携会議で、公募市民から「高齢者向けの割引があれば、クルマからバスへのモーダルシフトがすすむのではないか」という意見が出た。
 フランスでは交通税、ドイツ・米国では、自動車・鉱油財源から公共交通利用促進運賃支援があるが、日本では、原則、補助がない。私的移動に、運賃補助できないというのが、財務省見解。
 昔は、人口が増え、産業が拡大してきたので、バス会社の企業努力で高齢者割引ができたこともあった。自治体交通局では、自治体の施策としてバスの高齢者割引もあった。が、2~3%の高齢化率が20~30%に急進した少子高齢化の現状では、厳しい自治体財政の中でこれも難しい。

そこで、 事務局の某運輸局の担当者が、高齢者割引定期、一日乗車券、環境定期、免許返納者割引の全国的な一覧を作った。
全国バス高齢者割引、一日乗車券、環境定期、免許返納割引一覧
 みごとな労作である。運輸局って、予算がなくて、動くのが難しいと聞いているが、こんな役割もあるのだ。この表を見た、市民も、バス事業者も、ウーンとうなってしまった。

割引施策を作っても、利用者が増えなければバス会社は減収になり制度は続かない。
・伊予鉄は、都心に乗り入れ渋滞に巻き込まれていたバスを、電車に連絡する100円バスに再編し、利用者を増やしている。このなかでの高齢者の出歩き促進のための割引、企業との連携の環境定期、バスロケーションシステムでの運行状況のバス停でのお知らせ、百貨店お帰りチケットなど、総合的に展開し、利用者も収益も増やしている。
・くしろバス、阿寒バスの場合は、温泉施設までのシャトル機能と共通化が、高齢者割引による利用促進、それなりの収益に貢献している。
・西鉄も、福岡都心のホリデーワンコインバスなどのPR強化により、対前年2倍の利用者となっている。とはいえ、高齢者割引で収益が増えたとはいえないが、総合的に仕掛けていこうとしている。

ここまで事業者がやっているなら、国や自治体はこれを支援する施策、予算確保をしても良いのではないか。住民も、クルマで勝手にしますではなく、皆で考え、エコ通勤などに協力すべきだ。福岡では、西鉄と沿線1600の企業がエコ通勤で契約を結ぶ事例が急増しているという。

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2011年1月28日 (金)

80番ー82番札所:うどんとみち草

25日、四国バス情報見える化で四国のほとんどのバス事業者と、共通情報提供について議論。27日は、広島で市民を交えた交通連携を議論してきた。真ん中の26日は、お遍路3回目区切り打ちを1日25km、軽く歩いた。

高松市の西隣・国分寺町の讃岐国分寺から急坂を登り山上の遍路道を81番白峯寺、打ち戻って82番根香(ねごろ)寺、さらに打ち戻って急坂を降り、国分寺に戻った。
 地域調査・議論の合間なので、杖や笠、おいづる(白衣)や納経帖もお経もないまま、形式よりも心と思い廻った。冬は誰も遍路をしていない。大師堂に納経所兼売店があり、管理のおばさんは「お遍路さんも都合があるもんね」と線香の香炉、蝋燭立を掃除している。
 さすがに、誰も居ない大師堂で、平服のままお経をあげるのは勇気がいる。半熟遍路としては、思わず新しいお経を買ってしまった。当然、経は空に暗じているが、経がないと不安。 一人なので、当然、納経所のおばさんの耳に入る。いい加減に、読経するのは恥ずかしい。通常は先を急ぎ、早口で唱える経を、今回は経本を開き、ゆっくりと文字の意味をかみしめつつ丁寧にとなえ、子どものこと親のこと、お大師様に話してみた。
 納経の朱印も要らないといえば要らないが、やっぱり欲しい。納経帖がないがというと、紙に墨書して朱印したものをいただけた。形式もやっぱり必要だなあと再認識。
 読経で、だんだん体が温まってきた。この勢いで山を登ると、遍路道を掃除しつつ、小鳥に餌をやっている退職夫婦に出会った。勧められてかぼちゃの種を掌にのせていると、やまがらが手にのる。見上げると、数羽の小鳥が次をねらっている。冬の山は、小鳥と出会うには格好なのかもしれない。

Img_0234 
 82番根香寺には、牛鬼の伝説があり、この鬼が退治されたから、麓には鬼無村がある。

 山上、81番札所と82番の間に、みち草という食堂がある。夏の通し遍路の時には、ここの「氷」の文字に引かれて休憩したとき、大変だろうと2ℓのお茶を接待いただいた所だ。誰もいない食堂で夏のお礼を述べつつ、カレーにおでんの汁を入れつつ、いただく。遍路のときは、何を食べても至上に旨い。おばちゃんは、山の店がないと困ると言ってくれる人がいるから、やめれないと笑う。最近、英語の遍路本が出て、外国人お遍路さんが増えたという。先日、中国系米国人が来たという。
 坂を下りると、次の電車まで30分ある。夕食には早いが、これまた夏に御世話になった、国分寺門前、踏切脇の三嶋うどん店に行く。素うどんに天ぷらを入れる。昆布の天ぷらなど面白く見ていると、「何でも目についたもの2品入れなさい。(440円のところ)400円にしたげるから。目についたものは食べないと(もったいない)」とすすめる。夏も、この調子で、お茶をたっぷり御世話になった。そのお礼を言うと「商売だけでやっとるんと違うんよ。みんなが、おいしいって言ってくれるから、やってるの」と、いつもの三嶋うどん店節。
 楽しい会話をいただき、急いで駅に走る。おばちゃんの話に気をとられ、電車の時間を忘れるところだった。Img_02361

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2011年1月25日 (火)

ブログお休み

せっかく見ていただいたのにすみません。
これから高松に行き、その後、広島に行きます。
旅先では、パソコンを開かず、しっかりと現場を見て、話しを聞くことにしたいと思います。

金曜日に報告します。

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2011年1月23日 (日)

【交通まちコミ授業連絡】+タクシー事業者との懇談

24日、最後の授業。受講生の要望により、電動レンタル自転車・赤バスを経験し、実務者や交通計画の哲学を聞くことができた。また、私が今やっている環境計画と交通を活かしたまちづくりをお話した。就職活動に忙しいかもしれません。が、まちをどう考えるか、皆さんがどのように生きるかには、役立つかもしれません。就職してから3年後くらい、困ったときに本当に役立つかもしれません。
 最後は、お互いの得たことを、文字に書いて確認・定着化したい。その上で、場所を変えて、11:30頃から、きつねうどん・たぬきそばを食べます。自費購入・弁当を加えそのまま昼食突入もOK。

【A市タクシー協会全員と懇談】1995年100円コミバス元祖、武蔵野市ムーバス以降、国のコミバス補助があり、A市は市営バス解散・民間譲渡を機会に、2001年コミバス3路線を走らせた。沿線住民は喜び、A市でコミュニティと言えば、100円バスを意味した。しかし、市民の意見を聴取せず、タクシー事業者にも相談せず始めたため、沿線以外の住民が「我が地域にも行政がコミバスを走らせろ」となり、一方で路線バス・タクシーの乗客は減り、かつ赤字は膨らみ、国の補助は期限切れとなった。
 こうしたなか、行政依存の100円バスを路線バスとのバランスをとって200円とし、個別モードではなく、公共交通を活かしたまちづくり20年計画を定め、時刻表配布や幹線整備、地域支線を住民協働のコミュニティタクシー(以下、コミタク)で支える仕組みを作り実践してきた。
 当初は、住民の不信、タクシー事業者の反発で、紛糾多々であったが、現場議論を重ねるなかで、地域の移動は収支も含めて効率的持続的に地域で支える、それを行政が支援する仕組みを、作ってきた。私は2006年からこれに関わった。
 当初、私に指をさして糾弾したタクシー会社が、コミタクを3年やってきて大きく変わった。住民に感謝されつつ安定した仕事が確保されることに安心感を持ってもらえたのではないか。
 そのタクシー協会から懇談の申し出があった。かつては、業者どおし足の引っ張り合い、行政には不信、住民からは信頼されず、そんななかでの減収で苦しんでいた事業者、私を糾弾したタクシー事業者が一致団結して「交通計画のなかでのタクシーの役割」を懇談したいと言い出した。
 隔世の感である。私は、以下の3点を指摘した。
① 活性化再生総合事業、および次期:生活交通サバイバルでは、タクシーが法的に公共交通として認められた。
② 少子高齢化のなかで、これまでのタクシー経営とは違うもの、介護福祉、子育て支援、デマンドや路線的運行など、地域の議論に加わって新しい役割を果たさねばならない。
③ 役割を果たしたからといって、儲かる話はない。そこそこ赤字にならない。
 ということで、地域一丸で頑張って欲しいとした。

道路整備された人口減の地方で、バス・鉄道という集約型移動が難しいのは明らかである。①は、タクシーが住民と協働して地域を支えるなら、公金支援がなされるようになったということ。②は多様な個別移動サービスを住民とともに考えろ、そのためには歩合制という雇用形態も改めねばならないということ。③は、低い儲けでもそこそこ雇用が確保されれば良いではないか、ということ。

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2011年1月20日 (木)

高田誠『P&G式伝える技術 徹底する力―コミュニケーションが170年の成長を支える』

元P&Gジャパン広報渉外担当部長がP&Gの組織運営のノウハウをまとめた。

■組織運営はコミュニケーションの組織的徹底であり、目的を明確化し、論点ポイントがどこかを明示し、言いたいことを3つにまとめて「書いてから」議論せよ。
⇒こんなん、ワークショップの手法で、ようやっとるワネ。
 →と言いつつ、最近の私は、適当に慣れと勢いでやっている。やっぱり、パソコンじゃなくて、紙に書き出して、空間のなかで意識化して考える努力が必要。

■自らの強みを掘り起こして整理し、1番をめざすこと。その結果、誇りとやる気が生まれる。
⇒これは、自治体や地域団体のファシリテート、学生との共同ワーキング運営で最も重要。

ここまで読んで、全部、ぼくのやってること、珍しくも興味深くもないというのが、私の感想。
 声かけの仕方まで指示するコーチングのようなもの、かな?と思った。要は、自信がなく迷っている人には、P&Gという名前で、「ふーん」と安心できる本かいなアと思った。

しかし、よくよく読んでみると、いつでも明確に目的が整理されているか、論点が意識化されているか、省みると自信がない。大学の組織は、まったくダメ。
 そういう意味では、自分や組織に置き換えつつ、煩悶しながら読みすすむと、結構、自己反省になる。とはいえ、P&Gに素直に感心するつもりなら、読まないほうが良い。
 この本に学ぶのではなく、この本と対話する、論争するつもりなら、読む意味は大いにありそうである。

20・21日は、両備ホールディングス訪問と山口市職員モビリティ・マネージメント、山口市タクシー協会との意見交換、地域公共交通会議など。

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2011年1月19日 (水)

【再掲】大阪の市民力に期待する

15日は、大阪市立扇町総合高校で、減災のつながりパネルディスカッションのコーディネート。
大阪の市民は、マスコミが流布する「ケチ、がめつい」おばちゃんではなく、地域に愛着心が強く、地域のためいろんな活動をしている。会場の扇町総合高校のブラスバンドが一生懸命、歌ったり踊ったり、交流型のコンサートをしかけると、一生懸命手拍子する。この寒い体育館で、シャイだが、よくやる。
 高校生の演奏、表現も素晴らしいが、この素晴らしい子どもたちのために、150人の市民が安全な地域づくりをと、学校で宿泊避難所体験をすることに感動した。

大阪の市民って、何てカッコイイのか。青春時代を過ごした、この町のために、できることを協力したい。改めてそう思った。
 私は平松市長には物申したいことは山ほどある。しかし、1期目ではできない、言えない事もある。私は「この素晴らしい大阪の市民を大切にしたい」、そういう思いで協働地域づくりの集会をファシリテートしている。橋下大阪府知事の「不祥事の多い大阪市役所を解体し、府市合併する」という主張も、一つの正義かもしれない。しかし、困難を自ら解決せず、TVコメンターよろしく評論ばかりで、ヒーローにすがろうとする大阪府民:お笑い100万票(有名人・漫才師が出馬すると100万票で一位当選する。横山ノック・西川きよしなどの当選)=「ヒットラーのようなアジ演説にノウノウとついていく府民」に、400年に及ぶ大阪市の町人文化を壊されたくない。
 大阪府と大阪市は違う。大阪府の赤字は大阪府が解決すべき問題であり、二重行政を問題にするなら、大阪府を解体して関西州にすべきだ。知事ブレーンのUさんが関西州を主張してるのに、何で今更、府市合併なのか? 大阪市役所の正常化・改革は、大阪の市民が自らする。大阪の市民力を高め、その力で改革しないと難しい。ヒットラーが大阪市役所に単独乗り込めば解決するほど、市役所の課題は簡単ではない。力づくよりも、皆が一緒になって地域のあり方、市役所のあり方を考えて、市民力で改革せねばならない。
 そういう意味で、私は天才ヒットラーによる府市合併(大阪都構想)・新自由主義的な効率論には反対である。市民が町に寄せる愛着心、それにもとづく地域活動、お金で買えない、見えないものこそ、大阪市の宝ではないか。大阪市のことは、大阪市民にまかせてほしい。決して天才とは言いがたい平松市長が、真面目に市民の声を汲み取ろうとするなら、私は平松市長に期待し協力したい。
 天才を社長にしてはいけない。構成メンバーの能力を把握し、そのモチベーションを高めて、マネージメントする目配りの利いた凡人が社長に良いとは経営の神様:ドラッガーの言葉。平松さんは、いろんな人の声を聞こうとして、市長になってから片耳が聞こえなくなった。確かに大きな力はないように見える、凡人かもしれない。しかし、大阪の市民文化を育て、その力で市役所を改革するのは、恫喝するTV映りを気にする天才ではない。大阪を踏み台にして大臣になりたいようだが、自民党が政権から落ちて行き場を失い、それで大阪都構想なのか、迷惑です。宮崎を踏み台にした、東国原とそのまんま。
 大阪市民文化の力をなめたらアカンでー。

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2011年1月18日 (火)

【宿題】神戸市シルバーカレッジ生活環境学科

17日、午前・午後の特別講義の宿題を掲示する。
60歳ー90歳の全日制市民は、男も女も労働に追われる定時制市民に成り代わり、以下の課題を、被災した畏敬すべきわが町のために為すべし。期限は、来年の1月17日。評価法は自己点検。1つでもできれば、貴方は60歳から始まる全日制成人市民の第一歩であり、貴方の幸いである。忘れる人は、それなりの人生であろう。あなたの為すべきことと人生の価値は、多く全日制にあり、評価は自己が為す。毀誉褒貶は世評に任す。

震災神戸全日制市民の宿題
① 丸五市場に行って、市場市民の再生・努力を味わう。ミャンマーカレー、水餃子などを食べ、市場市民と語り合う。
② 地蔵盆、ダンジリ、地域の祭、イベントなどに、「住民の一人のAです。皆さまご苦労様です」と言って、お供え、寸志を持っていき、綺麗に立ち去る。2年続ければ、いつか、声をかけてくれる。地蔵盆では、8月23日(所によって24日)昼にお供えを持っていき、夕方、拝みにいく。
③ 神戸市の低炭素まちづくりの呼びかけ(シルバーカレッジ事務局掲示、このブログ掲示)に呼応して、役割を果たす
④ ギャラリー島田(北野)など骨のあるギャラリーに行き、絵を買ってみるほどの人間になってみる。絵=人の生き様・思いを、身銭を切って受け止めれる人間になってみる。または、これはというオペラや芝居を、決断して観る。芸術出費係数を増やせる価値ある人間になる。
⑤ 大阪大学CSCDの大学院授業「都市ツーリズム」「ツーリズメディエート論」「お遍路」「交通まちコミュニケーション」「ワークショップ」の社会人公開授業に有償で参加する(エントリーは3月)または、5月に実施されるコミュニティ・ツーリズム講座(関西あそ歩)、または、3月26・27日実施の朝日カルチャー「はじめてのお遍路」に参加する。地域での実践/今後は、次年度以降の宿題。http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/
⑥ 神戸まちづくり研究所の修学旅行震災体験現地交流プログラムに参加しする。見学からでもOK。メール問い合わせhttp://homepage2.nifty.com/machiken/
⑦ 地域での迷惑施設、迷惑マンション対策などまちなみ協定、子育て支援、高齢福祉、消防団・防災活動など、多様な地域活動に、元気なお姉さま方の下働きとして入れてもらう。相談先としては、区役所まちづくり課、CS神戸・地域人材支援センター(旧二葉小学校)など

さて、いくつできるか?来年の17日、全日制市民21歳~23歳の第1歩として、自己評価ください。なお、この指示は、ブログを見ていない他の受講生に、口伝え、ツイッター伝え願います。

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2011年1月14日 (金)

地域交通計画マイスターの活用法

3年前に施行された地域公共交通の活性化と再生に関する法律は、国が公共交通の許認可監督業務を越えて、地域交通計画に責任をもった画期的な法律であった。この活性化再生事業において、自治体は法定協議会を設置し、これまで赤字バス補助くらいしかやったことのない自治体が、地域交通計画を策定するようになった。なかには、国の補助を受けてコミバスを走らすためだけに、アリバイ程度の協議会と形ばかりの計画を書いた自治体もなくはなかったが、一方で、交通計画のエキスパート、とくに若手が登場する自治体もあった。

市内上限200円バスを始めた京丹後市職員、高齢者免許返納制度と組み合わせた特割バス定期券を導入した土佐清水市職員、過疎地交通移動を県境を越えて確保しようとした広島県神石高原町の職員、住吉台くるくるバスを陰で支援した神戸市職員、阪神駅バスネットの総合情報提示を実現させた兵庫県職員、工業団地でのモビリティマネージメントのモデルを作った京都府職員、自治基本条例と組み合わせた住民協働の交通計画を作った広島県大竹市職員、住民協働のコミュニティタクシーを導入した山口市職員、他にも京都府木津川市、千葉県南房総市、千葉県我孫子市、長野県安曇野市など、各地にまちのビジョンを考慮し、地域交通計画を練り上げた有能な自治体職員:マイスターが輩出し、これを支える組織や予算が組まれつつある。

こうした人財を国の宝:マイスターとして認定しようという動きが先導的運輸局で進んでいる。全国的に進めて欲しいと思う。では、このマイスターをどのように活用するか、考えた。

概して、せっかく輩出した地域交通計画の人財も、移動転勤で能力を発揮できなくなるケースも多い。なかには、急進的改善をしたため、旧来踏襲の組織から疎まれ、左遷というケースもないわけではない。
 私は、次期通常国会に出される交通基本法に基づく、地域公共交通の確保維持改善法において設置義務のある協議会に、これらのマイスターをファシリテータとして派遣してはどうかと考えている。
 小さな自治体では交通計画を専任で担当できる人を配置するのは難しい。今後は広域を統括する県の協議会の役割が大きくなるものと思われる。このマイスターを国の運輸支局に、首席官として派遣し、県や自治体を305億円補助予算のみならず、人財面から支援してはどうか。
 一方で、自治体の現場・立場の知識が少なく、法的監督の意識が抜けきれない運輸局の職員を、マイスター先の自治体に派遣して実地修行してもらってはどうか。

自治体職員のマイスターを運輸支局の首席として派遣し、運輸局の職員を自治体現場に派遣する人事交流。そして、国の補助予算を組んだ法定協議会をマイスターがファシリテートする。運輸支局の首席としてのマイスターが県内をサポートすれば、県内全域、担当者もいない過疎自治体の交通行政の支援にもなる。自治体と運輸局との人事交流を、法律施行にあわせて実施することを提言したい。
 今すぐ、実現に向けて取り組むべきである。

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2011年1月13日 (木)

神とどのように、つきあうべきか

12月21日、土木計画の政策は、現場現場での菩薩道であり、人はそのプロセスで仏になると秋山@関大:土木 先生の智をいただいたことを報告した。

日本では唯一絶対神はおらず、森羅万象・災害や天気、自然動態にまで、神をみている。さらにはモノにいたるまで、物の化として、霊をみている。この神:森羅万象からモノ、神から霊を粗末にしてはいけない。百鬼夜行して物の怪が暴れる。もったいないのである。人は、神のおかげさま で生きているのであるから。こういう神の下に、人はおたがいさまと言いながら「おかげ」や「おたがい」に様をつけて、自然やモノ、人との関係をもったいないと大切にして暮らしてきた。

この、もったいない、おたがいさま、おかげさま をマネージメントすることが、総合的なまちづくりの目的である。日本のまちづくりでは、都市計画、環境計画、交通計画、福祉計画、市民協働参画計画も、すべてもこのなかに入るのである。

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2011年1月12日 (水)

住民が負担シェアする淡路島長沢ミニバス

1万円/年×全100世帯(クルマ所有で利用しない人も含め)で運営しているバスが、淡路島の棚田の奥にある。最近、小学校が統廃合され、スクールバス混乗になって5便/日走る(日曜は休み)。運転手は、地元住民がボランティアで運行。退職したら二種免許をとってやっている。車両、保険、免許取得、ランニングの赤字約40万円補填など、市が支援している。

住民がここまでなぜできるのか、8日、I県の視察を案内して、淡路島に行った。
 北淡ICで降りたら阪神大震災の震源・野島断層がある。海岸部の集落は大変な被害で、区画整理事業で再興した。そこから、棚田を塗って山を登る。見事な景観である。大変な急斜面にも関わらず、畦やノリ面の雑草が払われ美しい。竹林もそれなりに管理されている。そうこうするうち、ミニバスの終点、東山寺に着いた。美しい尼の信仰寺で、信者も多いようだ。地元のリーダーをお呼びいただき、尼さん手作りの栗羊羹をいただきながら、話を伺った。

高齢者の海岸部までの移動確保は、以前から重要課題だった。ところが、震災復興で被害を受けた海岸の町部が、土地をめぐる私的利害対立で生活再建がすすまない状況を見るにつけ、助けあわねばならぬと皆が自覚したようで、乗る人も乗らん人も、全世帯が1万円出すことになった。通りすがりの高齢者に「何でこんなすごいことができるんですか」と訊いたら、「(小さな村だから)助けあわないかん。根性が良い」と言い放った。

何も考えず、クルマ依存を続ける地域、大きなクルマを競うような住民が多い地域に、行政が移動確保する必要はない。ただ、それでは地域は成り立たない事実を丁寧に知らしめ、情報公開をする必要がある。それでも、住民が動かない=根性(混乗)が悪いなら、新たな整備は必要ないし、既存のインフラ廃止も当然ではないか。

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2011年1月10日 (月)

非常時の人間行動3タイプ

9日、阪神大震災被災地を歩くiウォークを行った。鷹取で被災し、まちづくりに奔走し、語り部キャラバンの仲間で、後にプロゴルファーになった古市さんのお話を伺った。

災害がおきて火事が広がったとき、誰も消防に通報せず、ぼーっと火災を見ていた。これが非常時の人間ですと当時の写真メニュメントを見せてもらった。古市さんによれば、人間には非常時、3つの顔があったという。

①何もできない。しない。ボーっとしている。これが大多数。
②自分の権利書、貴重品を抱えて、自分だけ逃げ出す町内会長。
③家族を助けよう、近所の人を助けようと懸命に努力した人。

非常時の行動から、その人の本性が見えるという。
 非常時の行動は、日常時の行動が展開したものかもしれない。
①何も考えず、クルマに頼りすぎる生活を続ける人
②外車、大型車のステータスで、子どもを塾に迎えにいき、通行人の迷惑を気にせず、商店街にクルマを停車するマダム
③クルマに頼りすぎず、低炭素暮らしを楽しみ、公共交通で移動する人

相似形かもしれない。

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2011年1月 7日 (金)

ウィラートラベルはすごい!(再掲)

息子が帰省していた。ところが、明日、急に国分寺に帰らねばならなくなった。変更しようと思うが、帰省ラッシュですべて満席。臨時便6500円の切符がパーになるとパニックになっている。少し調べたらしく、大阪ー名古屋乗換ー夜行東京 で11000円なら1席空きがあるという。
 「へー」、そんなことが表示できるのかと驚き、私が別の手を考えた。関西発千葉行や埼玉行は確かに満席。それならと、静岡行を調べたら3席あった。三島まで4200円で行き、三島からJR、小田急、南武線、武蔵野線を乗り継げば国分寺まで2460円。「これでどうじゃ」と示したら、息子が感激。

そりゃそーだ。静岡県こそ、一定の人口があって関西から夜行バス便を引く可能性があり、かつ静岡県の東端三島は首都圏に簡単に行けて静岡県の貸切バスをチャーターできる。こんな発想、知識は、三島のロケーションや、バス事業の裏側を知らない素人には、できない発想。

ウィラーを調べてみると、新宿バスターミナルを住友ビルの下に作るなど努力している。準寝台まで含め座席サービスには6タイプの料金がある。音楽や映画・ゲームをしながらの専用車もある。確かに、多くの利用があるはずである。

某リムジンバスの始終点でも、雨の中を路上乗降させている。ツアーバスだから悪い、路線バスだから悪いとはいえない。九州の高速路線バス連携の自由乗降の3Qパスも、ウィラーのHPにバナーがある。高速バスとフェリー、飛行機を組み合わせた商品もHPにある。当然フェリー乗り場まで高速バスが行く。
 路線バス事業者は、高速バスで儲けて、地方の路線バスの赤字を維持しているという意見もあるが、逆立ちしたトンチンカン議論だ。

地方の赤字バスの確保は、国民シビルミニマムとして支援予算を確保すれば良い。次期通常国会に出される確保維持改善法はその方向をめざしている。

むしろ、路線バスの規制を緩め、ツアーバスも実質路線なのだから新規路線バスとして法的に認可し、みな一様にサービスを競ってはどうか。路線バスであろうが、ツアーバスであろうが、良いのもは良い。ただ、無許可・法規制の盲点をつくことを認めるわけにはいかない。ツアーバスに多い、ゲリラ的な路上での客整理、乗降り、路上待合は極力排除すべきだ。始終点では待合室のあるターミナルは必須だ。
 もし路線バスとツアーバスの境目をとることができないというなら、路線バス事業者は、駅スパートやジョルダンなどの全国ネットの路線検索に情報を積極的に提供し、さらには高速バスのみでの乗換情報、高速バスと路線バスとの乗換情報が提供できるサービスを構築すべきだ。【プロバイダー会社的には、第三者情報提供のBtoC】
全国の高速バス事業者は正規路線バスの強みを活かして、束になってウィラー以上の情報サービスをすべきだ。そこに、飛行機や宿を組み合わせた多様な商品を作り、商品情報をドンドン乗せるべきでないか。
 バスは情報産業なのだ。

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2011年1月 6日 (木)

桂坊枝独演会

上方落語の文枝門下(三枝の弟弟子)に桂坊枝がいる。真面目な人で、毎年独演会を開き、生誕50周年記念独演会の今年で16回目。しかも、ここ2年、3日連続(毎日異なる演目)の独演会をやっている。

私が招待されてから今年で11回目。たいていは、1枚招待を受ければ、家族は別に券を買った。ところが、今年は1月4日5日の午前と6日夕方に連続独演会を開いた。明日は国交省で会議があるので、今日、出かけた。

正月早々、迷惑な熱心さである。天満天神繁盛亭(大阪唯一の復活落語定席)にも、流石に少し空席ができた。ところが、聞きほれる面白さ、あっという間に5席(本人は3演目)が終わった。

昔、毎日放送のラジオで、一緒に仕事をしたことがあり、それ以来のおつきあいをいただいている。律儀にも、もう10年以上もたっているのに招待をいただく。

本人は、正しい落語を立志し、独演をするが、聞いてる方はしんどかった。「気を抜いたり、眠ってはいかん、舞台からは見えてるから」と、枕で言われると、ますます辛い。苦行のような独演会が提供された。「ありがた迷惑」とまではいわないが、面白いが、しんどい。長く感じた。ところが最近、あっという間に終わる。引き込まれているのであろう。
 おそらく、坊枝さんが、正しい落語ではなく、面白い落語を最近、演じるようになったからであろう。まだまだ力で勝負する悪い癖はあるが、本日聞いた「ちりとててん」は、上方落語らしい上品な仕上がりで、聞いていて惚れ惚れした。
 ただ、トリ演目の野ざらしは、もともと江戸落語であり、坊枝さんはゲストに来てくれた故古今亭志ん朝さんの形見とも思っているのか、こなれていない。
 坊枝さんの手で、上方落語風の演目として残せるよう努力するのではなく、たまたま出会った演目を、自分で楽しむくらいにしてほしい。
 自分が楽しんでいると、観客も引き込まれる。

60歳の従耳とはこういうことでもあり、そこを目指した知命の最初が50歳である。
坊枝さん、おめでとう。本日はありがとう。

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2011年1月 5日 (水)

リアルなとんでも初夢(再掲)

大晦日は、つれあいの実家で21時に寝たら、リアルな初夢を見た。

K空港から東に隣接するA山の温泉に行こうと、A駅前の格安レンタカーを予約した。K空港から西のK市中心街行リムジンはあるが、東はない。空港のHPを見ると、個別のダイヤはなく、バス会社のリンクのみ。これはと思うバス会社3つを調べて、やっとのことで、
「K市発、K空港、A駅前経由、O行」高速バスを見つけた。が、12:08発。12:05着飛行機では無理。
 挙句、最寄りHO駅までのシャトルがあることを発見した。が、K空港HPには書いてない。K産バスのサイトを探したがない。K産バスの路線図は特殊なソフトが必要で全体が見えない。困ったなアと思い、念のためK電鉄バスを見ると、サイトの端に「K空港シャトルバス実証実験」のバナー。「見つけた!」と思ったが、これまたこのバナーが開かない。
 結局、空港に着いてみんとわからんという結論に達した。

「いったい、何やねん!」
頭に来た私は、帰宅後、交友のある駐車場チェーンのT社(最近、ディーラー系レンタカーを買収)にメールし、K空港を含めた「鉄軌道アクセスのない主要空港」の駐車場に無人格安レンタカーを置くことを提案し、N空港、K空港、A空港で実現してしまった。

公共交通は大切だが、バスは情報がなければ利用しようがない。なのにバス事業者は経営が厳しく、やる気のある人材が少ない。HPも安いソフト会社に丸投げする。だから、HPがあっても高速バス以外は時刻表検索が動かない、使えないことも多い。国交省が予算を取ってシャトルバスを実証実験しても、広報ができていない。しかも、空港はバス会社のリンクばかりで、空港の公共交通アクセスをわかりやすく示す気がない。

こんなやる気のない実証実験に税金を使っていて良いのか?
 やる気のない事業者は、既存地元公共交通事業者であっても退場いただき、本当に必要なアクセスを考え、ビジネスとして提供してくれる会社には、公共交通であろうが、レンタカーであろうが、乗合タクシーであろうが、どんどん乗り込んでもらいたいというのが、私のとんでも初夢である。

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2011年1月 4日 (火)

面白いことは伝染する

正しいことはいっぱいある(から、どうでも良い)。
面白いことは伝染する(から、大切だ)。

森毅(数学者:京大名誉教授@高齢化で名誉も擦り切れてきた)の言葉。
社会正義と政策を考える人間は、面白いことを考えねば・・・。
年末の追悼番組での言葉を、ネタ帳にメモ

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