過疎山村とセニアカー
徳島県祖谷山へ行った。
平家の落人部落も、今は道路が便利になり、蔓橋までは立派。皮肉なことに、便利になったので出やすい。急激な過疎となり、阿波池田と合併して三好市。
左右の急峻な山の上に集落が張り付いている。主要道には鋭角に上り道が交差している。この細い急坂を高齢者の軽トラが登り、あの真上の集落に行くのであろう。では、クルマに乗れなくなった高齢者はどうしているか?
「こんなところに市営バスを走らせたところで、バス停にたどり着けないではないか」と落胆した。ところが、この急坂をセニアカーが降りてきた。
セニアカー(シニアカーとはいわない)は、バッテリーの品質向上で航続距離が伸びている。最新式では予備バッテリーを積めば10kmくらいの買い物お出かけは簡単。ただし、段差に弱く、転倒することがある。道路交通法の関係で、徒歩等と認められる6km速度だ。なかには、改造して10km出す暴走セニアカーもあると聞くが、モーターが消耗するようである。
そこで思いついた。土地の余裕のある過疎地では、可能な限り凹凸の無い歩道を整備し、バス停にセニアカーポートを整備してはどうか。タクシー券補助、乗りたいタクシーよりも、セニアカー購入補助が有効かもしれない。高知県土佐清水では、事故防止のための高齢者の運転免許返納が進んでいる。理由は、
①免許返納と当時に運転履歴証明書を発行してくれる。免許証と同じデザイン
②バス料金が格安割引になる
と聞いていたが、実は、セニアカー購入の割引が大きな要因かもしれない。
淡路島の環境未来島特区では、新しい安定したセニアカーを導入しポートを作り、コミバスと連動させることが、電気自動車や電気バスを無理に開発検討するより、近道である。
都市では、道路バリアフリーの一方で、セニアカー自体の軽量化、安定化が必要である。もう一回りコンパクトだと電車に乗せやすい。現状では、強引に突っ込む高齢者もいるが、抱える駅員、車内での占有面積を考えると、もう一回り小さく、さらに軽いセニアカーが必要だ。要は効率電池開発の問題だろうけれど・・・。
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