『もし高校野球の女子マネージャーがドラッガーの『マネージメント』を読んだら』
ドラッガーの『マネージメント』は、政策に関わってる者なら、経営学の開祖:ドラッガーを知らないとはいえまい。私も、文学博士なので、まちづくりや協働型交通計画の議論のなかでマネージメントを声高に言ってきたが、ドラッガーと言われ、その場は言い逃れ、密かに読んだ覚えがある。
ところが、本書は高校野球という具体のマネージメントが示され、自分の行動を反省すること7割、これはやってみよかが3割であった。
■自治体が計画する特区の顧客は誰か?その現実・欲求・価値は何か?すると目的がわかる
顧客=地域住民
目的=地域住民の持続的な安心暮らし
not:特区設定で食い扶持産業を起こし、高速道路を無料化してバンバン売りさばく
■到達目標を明示し、マーケティングさせることが第一である。そのフィードバック、継続学習はもっと大事である。
特区の到達目標=持続安心地域づくりとそこから立ち上がるイノベーション
マーケティング=該当地域の市町村はどう考えているか。都道府県の研究所はどう考えているか
フィードバック=どんな相手も尊敬し、信頼関係をつくり、常に情報交換する態度。
留意:ええかげんな調査をやっている研究所、ずさんな行政計画と最初から決め付けない。
■野球部がマネージメントで有名になり、入部希望者が増えた⇒拡大市場・新分野では、面接し最適規模を保つことが重要
反省:まち歩きの授業が人気沸騰で30人を越えてしまった。来る者拒まず、エー調子になってやっていたら、中身や人間関係が薄くなってしまい成果が上げられない。
■マネージメントの最大のメッセージは人事である
特区プロジェクトの人事権は、外部アドバイザーである私にはない。しかし、しっかりやっている市町村、方向を考えている職員を名指しして褒めることはできる。間接的人事権の発動?
ちなみに、我がつれあいもこの本を読んでいたというから驚いた。こんな具体的なマネージメントの本を読んだのに、何で冷蔵庫の野菜が腐るのか? 古い冷凍食品を処理するからといって、朝ごはんで、キャベツの炒め物の残りを食べている私に、豆腐の味噌汁と鰆の塩焼きはないやろう?
ゲップ!!!
早起き爺の朝食には追加で鰆を「出来立てです」と出し、早々に食べた私に対して「朝の安い電力で、マーボ豆腐を作り、冷静してよ。夕食にすれば楽」と命じれば良いではないか。「料理上手のマーボが食べたいの」と言えば、狸もおだてりゃ木に登る。冷蔵庫の余った野菜をかき集めて残り物マーボを作るはずだ。自分で作るのだから、不平不満も出ない。
目標設定と人事のマネージメントができていない。マネージメントをする気のない人間が、この本を読んでも、所詮、青春ドラマ程度に「マネージメントって高校野球にもあるんや。ふーん」で終わってしまう。本の真の価値は、読まんでも解かっている、わかろうと問題意識を持っている人しか、本当にわかることはできない。
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