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2010年3月

2010年3月31日 (水)

「オール電化って本当に環境にいいの?」って、本当なの?

オール電化で太陽光発電をすればCO2発生は減ると思っていたが、おもしろいデータをみつけた。
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夜間電力契約で確かに経済的だが、夜間でも全部を原子力でまかなえず、火力を使っており、火力発電はLPガス比で1.9倍のCO2を出すから、オール電化は必ずしもCO2を減らさないというのである。確かに、どっかで燃やして電気を作るより、家で直接燃やすほうが効率が良いのは事実だろう。
 でも、よく見ると、揚水用動力、水力を加えるとほとんどまかなえる夜間時間もある。しかも、原子力比率の高い関西電力で計算すれば、オール電化が火力発電だよりにしてCO2を多く出すと言えるか?
「オール電化はCO2を減らすか?」というこの分析は、興味深いが、あやしい。
 確かに、少人数だと常時給湯は発熱量を増やすかもしれないが、結論を読むとピーンときた。オール電化で太陽光発電がCO2削減でブームだが、それは原発依存だ、原発が停止したとき火力発電になってしまうという主張なのです。かなり、バランスの欠いた原発嫌いの話だなあと思って発行元を確認すると、地球環境と大気汚染を考える市民組織らしい。
 大気汚染で企業を糾弾し、原発危険性で電力会社を批判してきた団体らしい。世の中、オール電化・太陽光発電が流行り、頼りの社民党を含む民主党政府も原子力を使ってCO2削減に舵をきったなか、こうしたパフレットを作ったのであろう。
 大気汚染反対、原発反対、オール電化は嘘だと言いたいのであろうが、結論でバランスを欠いている。では原発なしでどのようにして25%削減が可能なのか示してもらいたい。
 実現できない、政策議論のできない、反対だけに凝り固まり行き場を失った「市民」よりも、CO2削減の方向を、生活方法も含め電力会社とも協働しつつ提案していくのが、新しい公共を支える、新しい市民ではなかろうか。
 60年代の亡霊のような「市民」には、私は関心がない。

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2010年3月29日 (月)

山村・張・藤木『世界遺産と地域振興』

2007年ユネスコは、第三回世界遺産委員会において、オマーンの動物保護区を取り消し、中国の世界遺産に対して警告を出した。雲南省の麗江も警告対象である。
 麗江は、成都とチベット、ビルマ経由インド方面(海のシルクロード)との茶葉を中心とした交易ルートの中継として栄えた都市遺産である。
麗江ウィキペディア
 しかし、世界遺産に指定されてからの開発は、世界遺産が中国の奥地開発の政治ツール化される(観光客数の増加期待・観光施設投資と収益増加)一方で、住民の生活の質向上になったかどうかを検証する必要がある。地域の自立的な制御=ガバナンスをおこなうマネージメントオフィスが必要である。

実際には、建物のファザードを守りつつ内部は大きく改変が許され、保護民居からは住民が出て、外部業者が入り込んで商売をすることになる。こうしたなか、宿泊客を制限したり、保護ガイドラインの遵守は、保護管理局が作られ(なかば強権的に)実施されているが、日本では住民合意は難しい。こうして、伝統文化(衣装や音楽、日常生活)が崩壊していく。そもそも、城壁に囲まれた都市ではなく、街並みを定義するのが難しい。その中での都市全体の景観保全は難しい。京都も同様。八坂の塔や清水坂を何とか保全しても、京都全体は普通の雑居ビルとマンションの塊といっても過言ではない。町家や京言葉、暮らしぶりといっても、落穂ひろいのような苦しさがある。
 しかし、地域の遺産を管理し保全し活かすということは、連続的落穂ひろいのなかにあるのかもしれない。麗江よりも保全は難しい日本でも、多様な試みがあっても良いように思う。それこそ、生活の質につながる問題である。地域資産を管理運営する組織が必要だと感じる。
 麗江では、ツーリストコンサートによるナシ古楽、民族衣装風ユニフォーム、現代トンパ工芸など、多様な試みがなされ、本書ではその課題が提示されている。これからの日本の観光地のあるべき姿を考えるとき、極めて参考になるジレンマが提示されており、観光による地域開発のあり方を考えるヒントになると思う。

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2010年3月26日 (金)

宮本常一が撮った昭和の情景(上下巻)

 上巻裏表紙に、伊那の吊り橋を幅一杯でわたるバスの写真がある。横板だけでは重量を支えられないのであろう、縦板を轍に踏んでゆるゆるとすすむ。
 民俗学から出発して、震災を経て、コミュニティづくりとして、うっかり交通計画に手を出し、えらいところに顔を出したと、己の迂闊軽率人生に悩んでいたとき、この写真に出会った。

日本一の旅人、旅する巨人宮本は、郵便局員をしながら天王寺師範で山極先生から地理学を学んだ。「旅の中でいわゆる民俗的なことよりも、そこに住む人たちの生活について考えさせられることの方が多くなった。・・・・・・民俗的な調査も大切であるが、民衆の生活自体を知ることの方がもっと大切なことのように思えてきた」(『民俗学への旅』)。
「すこに住む人たちの本当の姿を物語るのは話の筋ー、つまり事柄そのものではなくて、事柄を包んでいる情感であると思う」」(『民俗学への旅』)。
 私は、大阪教育大学の同じ教室で学んだ後輩である。

私は交通マニアではない。土木計画ではない。伊那の山奥の人々が、どんな思いでバスで町に出ようとしたのか、村と町との交流はどのような喜びをもたらしたのか、その情感に同情(同じ心持で考える)したいのである。まちづくりは、同情のシステム化であり、心なくして計画はありえない。民俗学の素養無くして地域づくりはできない、宮本常一読まずして土木計画はありえない。
 文化財訓詁学の民俗学者はどうでも良い。世のため人のため、政策づくり、計画づくりをすすめるプロは官僚は、今すぐ、宮本を読め。なかでもこの本は購入すべきだ。本屋で手に取ればその意味はわかる。【著作権により写真コピー掲載を控える】

■CSCD社会人公開講座、締め切っていますが、森栗分のみ担当者としては受け入れたい。土日のみのもの多し。集中モノ有り。ぜひ。本日限り。
http://cscd.osaka-u.ac.jp/activity/view/420

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2010年3月25日 (木)

社会人公開講座「これからのまちづくり」

■ツーリズムメディエート論(まちづくり)with豊中市まちづくり支援課 は、第1回を、4月12日(月)16:20~17:50豊中学舎CSCD1階スチューデントコモン・オープン教室 で、通りすがりの学生に見られながら、これからのまちづくりの方向を、豊中市のみなさんと一緒に議論します。学生は、理学・基礎工・工・文・経・法・高等司法・公共政策・人間科学・医・歯・言語文化・生命・情報・・・。どこから来るか?
http://cscd.osaka-u.ac.jp/education/2010/syllabus2010_25.pdf
お申込みは
http://cscd.osaka-u.ac.jp/activity/view/420
期限を過ぎていますが、担当者は、一人でも多くの方に来て欲しい。そう、事務にお伝えください。
■交通まちコミュニケーション特論(文系出発の協働型交通を活かしたまちづくり議論)も、4月12日10:30~12:00(豊中学舎CSCD2階スチューデントコモン)
http://cscd.osaka-u.ac.jp/education/2010/syllabus2010_28.pdf
お申込みは
http://cscd.osaka-u.ac.jp/activity/view/420
期限を過ぎていますが、担当者は、一人でも多くの方に来て欲しい。そう、事務にお伝えください。
■お遍路授業
http://cscd.osaka-u.ac.jp/education/2010/syllabus2010_26.pdf(5月1-3日徳島・遍路転がし)
http://cscd.osaka-u.ac.jp/education/2010/syllabus2010_27.pdf(9月18-20日高知)
今すぐ、申し込んでください。可能であれば、4月11日10-16時のオリエンテーション、9月25日夕の駅ラボカフェ、12月18日発表会への参加が、授業に組み込まれています。
■京阪神まちあるき
4/10長屋・適塾、4/17中之島、4/24空堀、上町、5/15西陣、5/22岡本芦屋、など
http://cscd.osaka-u.ac.jp/education/2010/syllabus2010_30.pdf
今すぐ、申し込んでください。可能であれば、4月11日10-16時のオリエンテーション、駅ラボカフェ、12月18日発表会への参加が、授業に組み込まれています。

※業務連絡・・・事務局さま:お申込みがありましたら、社会人の方が決断されたのです。せっかくですので、基本的には受け入れる方向でよろしく願います。

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現代湯治場:三朝の木屋

鳥取県三朝は、効能の高いラジウム泉。細胞の活性化を促すといわれ、岩盤浴による湯治で有名。三朝温泉街の中心にある老舗の木屋に泊めていただいた。射的や駄菓子屋のある細い路地の奥にある。館内は、手すりも座布団も畳の縁も、全部藍である。地下に5つの風呂場とミスト洞穴がある。元湯は100前からあり、一石で作られた洗面台など素晴らしい。かけ流しの湯に浸るとザーッと湯があふれ、湯底に置かれた臼に座る。昔、野口雨情が腰掛けたであろう石である。
 三朝では、現代湯治といって、各旅館の宿泊定員の5%を湯治用のメニュー(連泊者への湯治用食事・湯治料金)を割り振ろうとしている。ホテルで湯治したい人はそれで、老舗旅館で湯治したい人はどれで、湯治専門の宿はそれで、様々なタイプの湯治を提供しようとしている。

本日、18時より、ジュンク堂大阪本店でCSCD紀要:オレンジブックの即売トークショー。平田オリザさんと話し合うらしい。まあ、大学での楽しい話を世の中におすそ分けである。要、事前予約。

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2010年3月19日 (金)

丸の内リンクのバスはカッコイイ

クルマは年々進化しているのに、バスはダサい。経営が苦しくなった会社は、更新時期を遅らすからますますダサい。排ガスのノックスPM法の適用を受けない地方は、とくにひどい。よくこんなバスで商売をしているなあと思うほどである。すると、若者はスマートな高級バイクを買ってバス料金を節約する。
 高齢化で、通勤客が減ったから地方都市のバス経営が苦しくなったのではない。バスサービスが、ダサいから新規の客が来ないだけである。
 東京丸の内の無料バスは、クールなデザイン。乗り口が広く、運転席はボックスになっている。フロントガラスは途切れのない一面張り。これで、運転手がイケメンだと良いのだが・・・。
 かつて、岩手銀河鉄道の女性アテンダントのことを書いた。交通事業は、サービス産業であることを思い起こし、車両や人員も含めた、トータルデザインが必要ではないだろうか。Img_00531 Img_00541

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カーボンオフセット駅とエコ育マンション

リクルート住宅情報の取材で、阪急摂津市:新駅と、その駅前マンション「パークシティ南千里丘」を見てきた。太陽光発電、無水の男子小便器など、カーボンオフセット(CO2ゼロ)駅とは聞いていたが、雨水を利用した壁面緑化は美しい。その駅前は電柱地中化がなされ、シニア向けマンションや公共施設はあるが、ショッピングセンターは駅前ではなく町のなかにある。駅前も美しい。その駅前にマンションがある。駅前広場の導入路は路肩がとられず、不法駐車ができない。歩行者や景観に配慮している。周辺のせせらぎも整備され、魅力的だ。マンション販売センターも太陽光発電、雨水利用をしている。マンションは、カーシェアがあり、クルマ所有をしなくても安心して駅前暮らしができる。
 エコも重要なファッションアイテムであり、それなしの開発はありえない。この開発では、エコイクプロジェクトが推進されている。
 場所は阪急京都線駅前、JR千里丘駅まで9分、大阪モノレール(伊丹空港接続)摂津駅まで15分。
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2010年3月18日 (木)

駅のベンチと阪急100周年

朝、駅構内で、本社からの応援であろう若い社員が大声で朝日新聞の広告紙を配っている。「阪急電車は本日、100周年を迎えました。ありがとうございました。これからもよろしくお願します」と。新聞を読むと、100年前、箕面有馬電気鉄道が開通したそうだ。
 その記念事業であろうか、駅のベンチが一新された。昔の国鉄の駅には、重厚な木と鋳物のベンチがあった。最近は、プラスチックの青や赤であった。ところが、記念事業であろう、駅の全てのベンチが、濃茶(マルーン色)の美しいベンチに変わっている。電車の色とマッチして美しい。沿線住民としては、ちょっと鼻高である。
流石、阪急。Img_00561_2 写真は阪急石橋駅

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2010年3月17日 (水)

自動車は強い。されど、市民はもっと強い…くるくるバス開通5年目調査

住吉台くるくるバス開通5年目となる。まったくバスが走らず、青空駐車だらけの町がその後どうなったか。 「くるくるバスがもたらした持続可能なオールドニュータウン」『交通工学』42巻1号、pp25-35、2007年1月はあるが、数値調査が必要だった。その後の地域変化を神戸大学富田研究室がくるくるバスを守る会で報告をした。
①60歳台を越えると通勤がなくなりトリップ(移動:自宅→バス⇒電車⇒職場⇒電車⇒バス→自宅=4トリップ)が低くなるといわれれるが、住吉台の平均トリップは、40台2.31、50台2.24に比して、60台2.22、70台2.02、70以上1.87と、高齢者でも通勤と同様の需要があることがわかった。
②高齢者移動は、日常買物とその他目的となっている。どうも友人訪問が多いようである。
③さらに、バス路線ができて、友人の訪問を受ける16.1%、家族の訪問を受けるが17.5%となっている。高齢者は誘客施設のようなもの。
④昼食閑散期、15分ピッチの運行が30分おきになる。このとき空き巣が発生している。バスが走らないと用心が悪いから、運転手交替の昼も30分おきにしないで欲しいと住民。バス会社社長、苦笑い。善処せねばならないか。
⑤くるくるバス開通前、トリップシェア23.4%の自家用自動車は、バス導入後も23・5%と減じていない。クルマ派の人は5年たっても手段変更は困難。市バス41.8%→22.0%、タクシー21.6%→5.0%となり、便利なくるくるバス、タクシーより安いくるくるバスが、他の交通機関を食っているのが現実である。
⑥くるくるバスによる外出機会の増加は、70歳台47.0%、80以上44.1%は予想できるが、50台も34.5%となっている。クルマで通勤した後の、専業主婦の移動が困難で、くるくるバスはこれの外出機会を増やしたようである。
⑦転居しようと思っていた人がバスが走って転居不要となった人が74.5%、バスがあるから入居した人は67.9%であった。
⑧運賃200円であるが、350円でも乗ると答える人があり、4%以上の人が、お金には換算できない価値があると答えているのは興味深い。バスを走らせることと併行して、守る会で議論し、その議論をくるくるバス通信に載せ、住民が全世帯に手配りしていることが、有効だ。
⑨これらの結果、挨拶機会が増えた60.1%、住吉台に愛着ができた64.4%、自分たちの町は自分たちで良くする80.6%、永住したい66.2%、まちづくり活動に参加したい55.9%。バス路線を走らせると、ここまで住民協働・市民力が充実する。

もの凄い!交通なくして住民自治なし。

今日は、10時~天王寺区役所で生涯学習推進員つながり講座、明日はリクルート取材、明後日は広島YMCAで地域活性化講演

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2010年3月16日 (火)

東芝エレベーター広報誌にコメントが載りました。だらだら喋ったのに、上手にまとめていただいた。有り難い。東芝エレベータコンテスト:コメント

移動に“ドキドキする感覚” を期待したい
 今回、未来エレベーターコンテストの受賞作品を見て、「速度や効率を求める作品が少ない」ことに非常に共感を覚えました。
 私が今の都市に求めるものに挙げたいのは、“ドキドキする感覚” です。
 曲がりくねった道には「その先に何があるのだろう」とわくわくしますし、坂道は上りきった先に何があるのだろうと想像する楽しさがあります。
 真っ直ぐな道は移動効率はいいのかもしれませんが、こうした先の見えないことによる散策の楽しみは少ないのです。
 もちろん、都市とはまず「多くの人びとが集う場所」である以上、使い勝手のよいものでなければならないというのは前提条件です。しかし、人間が効率だけでは生活できない生き物であるならば、その人間が集まる都市にも、一見非効率に見える遊びの部分もまた必要な存在であると言えるでしょう。
 最優秀賞の「東京水系2030」は、ビジュアルの中心に「くらげに乗った老婦人が本を読んでいる」様子が描かれています。ゆったりとした流れに身を任せて移動し、移動の時間を豊かに過ごす。隣の乗り物に乗った人との会話もできる。「出会いが期待できる交通機関」というのは、コンテストの募集対象である学生の皆さんには大変興味深いテーマかと思いますが(笑)
 また、“ドキドキする感覚” という点では、「elevator park」も面白い。たくさんのシャフトで地上と地下を繋いでいるのですが、地下にギャラリーを設けて山車があるのがいい。あっと驚く感覚を移動効率を無駄にせずに実現していると感じました。この作品では舞台を東京駅前という既存の地下街が非常に発達した場所に設定していますが、人工地盤を使えば、他の都市でも実現できると思います。
持続するコミュニティーのインフラには「協働」を
 エレベーターやエスカレーターといった建物内を移動するための手段は、基本的に無料です。利用に際して料金が必要なものは、超高層ビルの展望台行きのエレベーターなどごく限られていると思います。
 日ごろ、お金を払うこともなく何気なく使っている階段やエレベーター、そして自宅前の道路などは、実は誰かしら管理者がいて、税金や共益費という形で運営コストを負担することで、自分もその権利者の一員であるわけです。しかし、これらのインフラを「自分のもの」と意識して使用している人は少ないのではないでしょうか。インフラを「自分のもの」として認識すれば、道路にごみを捨てたり、エレベーターにいたずらしたりする人も減るでしょ
う。では、そのように地域住民に感じてもらうにはどうしたらいいのでしょうか。
 そのために大切なのは、私は「協働」という考え方だと思っています。
 自宅前の街路樹を自分のセンスでメンテナンスできたり、エレベーターの清掃を当番制にしたりと、行政や管理会社に金銭で委託するだけではなく、管理に自分の汗を流すこと、そんな共働によって共感も生まれてきます。
 インフラを自分の手で管理しているものだと思えば、愛着も湧きます。地域住民が自分たちのものであるインフラの管理・運営に積極的に参加することで、その扱い方が変わるだけではなく、大切に扱われることで資産価値も増えるでしょう。マンションにお住まいの読者の方も多いと思いますが、普段何気なく使っているエレベーターをもう一度そんな見方で見直してはいかがでしょうか。(談)

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2008年度CSCD紀要Up

CSCD紀要は全編オレンジ。内容も、勉強会で喋ったものを、作品として仲間がテープ起し、デザインをしてくれる。臨床哲学の同僚が、こちらの意図以上に、丁寧に仕上げてくれた。昨年の編集委員会に感謝しつつ、UPします。

これが私の協働主義『orangebook2008』

ことしのオレンジブックは、二クラス・ルーマンを使って「計画ちゃうやろ、ソーシャルキャピタルちゃうやろ。作動や!やるっきゃないんや」を書いています。CSCDで売ってますし、

■3/25(木)18:00~ 大阪大学出版会「Communication-Design 3」刊行記念トークイベント

 「大学のコミュニケーションデザイン――5年間の軌跡」
 講師:平田オリザさん・森栗茂一さん
 
 会場:ジュンク堂大阪本店3階喫茶コーナーにて
 定員:先着40名様
 受付:電話予約承ります。入場無料です、

 詳細はお問合せください、TEL: 06-4799-1090

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2010年3月15日 (月)

これは読む価値あり!永松『減災政策論入門』

永松伸吾「減災政策論入門」書評『CEL』2010、1月号  本書は、シリーズ「災害と社会」の一冊として、「巨大災害リスクのガバナンスと市場経済」の副題で2008年に出版された。著者は防災科学技術研究所の特別研究員を経て、現在、阪神・淡路大震災記念人と防災未来センター研究副主幹である。
 防災というと、被害軽減のためのインフラ整備とその費用対効果や、インフラ活用や教育だけであった。しかし、災害は社会の仕組み(課題)を短期的にも中長期的にも可視化する。私たちが災害から逃れえないとするなら、低成長・人口減・高齢化のわが国で、いかにその被害を減らすのかという減災論が必要となる。
 同じ災害でも、途上国と先進国とでは人的被害の量が大きく異なる。また、災害で生き残っても、事後の生活再建、地域の復興を考えると、その目標をどこに置くのかは議論が分かれる。弱者救済論は、一方で自助努力(自己責任)論と、かみあわない論争をくりかえす。公助でもなく自助でもない共助だというが、その方法と目標が示されねばならない。本書は減災の目標を「被害軽減」から「尊厳ある生の保障」に移して再定義している点が、画期的である。
 たとえば、震災直後の義捐金、支援物資による贈与経済が、地域経済の再始動にブレーキをかける。贈与から市場への過渡期における、「弁当プロジェクト」のような仕掛けが必要だと主張する。中越沖地震では、地元の鮮魚商組合と料理屋、寿司屋、食堂、飲食業組合が連携し、仕入れから調理、配送までを分担して、被災者、復興作業員の弁当を作り、市場を始動させた。そのなかで、共同の意識が芽生えた。被災直後の贈与経済以後には、自立して尊厳をもって仕事をする生活人(尊厳ある生)=共同体の利益を、市場を通じて再構築するこうした取り組みが必要であろう。
 通常、災害直後は復興特需を見込み、贈与経済のなかで悶着する被災住民を横目に、防災施設や再開発など大型プロジェクトが導入される。しかし、こうした復興期における利益は、その89・4%が移出利益という(阪神・淡路大震災の場合)。さらには、低成長下ではその投資回収が難しく、開発プロジェクトにのって住居や店舗・工場に投資した被災者が苦しみ、地域経済が長く疲弊し、再開発が空室だらけとなる。これは目標を人間の尊厳においていないからである。
 本書は豊富な経験から具体的な減災政策を示しているという点で画期的であるが、今後は、被災地の家計と自治体財政をみつめたファイナンス政策も含めた議論が必要であろう。

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論文「交通計画における住民協働の有効性と展開手法」up

交通計画における住民協働の有効性と展開手法
~モード技術主義からプロセス重視のまちづくりへ~

『運輸と経済』2009年12月号、UPしました。
1 自治体交通計画の必然と課題
1-1 自治体交通計画の必然
1-2 地域公共交通活性化再生総合事業の課題
1-3 斬新モードに心を奪われるな
2 成功事例でなく注意事項
2-1 事例A市
【鉄則1】現場を歩き、状況をよく観察する。現場で市民に聞く
2-2 事例B地域
【鉄則2】ステークホルダー主体的ネットワークを、最も説得しにくいプレーヤーも含め、1回限りでも(軽くても)プラットフォームを始動する
【鉄則3】紙媒体によるプラットフォーム議論結果の全世帯情報公開
【鉄則4】具体的な交通サービス案を明示したアンケートの実施
2-5 山口市交通まちづくり計画
【鉄則5】地方都市・郡部では、環境や健康よりも、地域維持・地域愛で住民協働による交通を活かしたまちづくりをすすめることが可能。
【鉄則6】行政、住民、交通事業者らで、計画、運営(経営)、運行について、役割分担を明確にし、住民はその分担に応じて組織で動く
3 住民協働の進め方
3-1 広聴・参加・参画・協働・エリアマネージメント
【鉄則7】地域の実情にあわせて、現場でマイノリティの声に耳を傾けた議論と、議論にもとづく地域経営を行う必要がある。その人材、組織が必要である。
3-2 住民協働のポイントと予算化
3―3 住民協働の評価法と専門家養成

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2010年3月12日 (金)

高野卯港の絵を譲ってもらう

画家高野卯港の画文帖出版記念の展覧会が、神戸北野のギャラリー島田であった。(17日まで)ギャラリー島田
Img_new 絵を絵空事と思い、ほとんど関心のない私が、宮本輝「泥の河」のような煩悩ともいえるドロドロとした淀みに浮かぶ希望の灯りに惹かれ、「星の入り江」を買ってしまった。純粋に美しいものだけを求める芸術には興味はないが、高野卯港の絵はせつない。
 今回、絶筆となった「鞆の浦夕照」を無理を承知で譲ってもらった。福山のつれあいの父母の晩年の家に、どうしても飾りたかった。実母との葛藤、懐かしき神戸の思い出、外国航路の船員からもらった人形を80になっても飾るその人に、故郷の海の絵を贈りたい。
遠く離れて父母を思う、わがつれあいに感謝をこめて。

ギャラリー枝香庵(東京・銀座)3月30日~4月8日
天音堂ギャラリー(大阪)    4月15日~30日

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2010年3月11日 (木)

「当たり前」は本当に当たり前か

ユーザーイノベーション(2/3)、ヒューマンイノベーション(2/17)を、企業の方と話していたら、「そんなん当たり前です。私どもはいつでも、顧客第一主義を貫いています」と一蹴された。確かに、企業はそれで生きてるわけだから、私の話は書生議論だなあと、指摘を感謝し、己の不足を反省した。
 考えてみると、コミュニケーションデザインも、当たり前といえば当たり前。コミュニケーションを、デザイン(広義には「決定」)から再定義して、その実践のプロセスを教育研究しよう、社会実践に活かそうというのである。
 大切な事は、実践のなかでの臨機応変のプロセスデザインであろう。
 ヒューマンイノベーション理論も、実践のなかでのプロセスデザインを明示できねば、説得力をもたないと教えられた。
 コミュニケーションデザイン・センターが、平田オリザさんや川崎和男さんといった実践家を阪大に迎えたのも、実践のプロセスを教育研究、さらには社学連携に活かそうという趣旨だったように思う。
 無能、実績のない私が、どこまでプロセスデザインを示せるか?そこにかかっていると再認識した。

昨晩は、画家高野卯港を語る会に出た。本日、国交省委員会。少し、疲れている。

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2010年3月10日 (水)

宝塚駅バリアフリー(新しい公共)

Takarazuka_04 Takarazuka_03 駅と駅舎を巡る旅@めくるたびhttp://www.mekurutabi.com/index.html より引用
阪急宝塚駅は立派なコロニアルスパニッシュの高架駅。国道は地下に入れて駅前広場を作ったが、向かいのJR駅は貧相であった。古い跨線橋があって、障害者や高齢者は利用しずらかった。踏み切りも大きな課題であった。十数年前、地元住民と商業者、それに障害者団体が、橋上駅のバリアフリーをめざして立ち上がり、昨日、新駅がオープン、駅南北を結ぶ自由通路もできた。
 長年にわたる行政と住民との連携が実を結んだ。立派なコロニアルスパニッシュ。JRの駅としては極めておしゃれ。交通事業者も巻き込んだ動きが結実した。月曜日はその祝賀会があった。住民が、この活動をサポートしてきて退職する行政マンを拍手して送り、駅長が手作り入場券(開業当日限り)を全員に配った。
 メンバーのなかに懐かしい顔がある。昔、駅の騒音問題で工事反対を主張たマンション住民が、推進協議会主催の私の講演会に集まり、突き上げを食らわした。私は、利害相反は解決の第一歩であり、延々と負ける覚悟で反対運動をするのか、橋上駅化運動に積極的に関わり、その中で少しでも無駄な放送をやめさせ、音を小さくさせる議論に参加するのか、どっちなんだと切り替えした。そのときのリーダーが、立派に他の住民と一緒に運動を続け、そこに並んでいる。騒音問題も、議論が進んでいるとのこと。
 会長の挨拶が素晴らしい。「十数年やってきてこの日を迎えたのは嬉しい。しかし、これは第一歩だ。まだ、踏み切り問題も、駅広トイレも、観光案内所の課題もある。がんばっていきたい」
 彼らが得たものは大きいとはいえない。しかし、長年にわたって皆で努力し、身銭を切って、何度も足を運んで、皆ですすめてきた成果に、新しい公共の芽をみた。
大拍手!
 

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2010年3月 9日 (火)

川掃除(小さな公共)

基数月第一日曜は、自宅近くの四十谷川掃除日である。3面コンクリート張:幅数mの小さな川だが上流がマンションだらけになって、豪雨時はあふれることもあった。左岸は8-4mの遊歩道で、マンションができたところは拡幅されて自動車が通るが、一部歩行者専用。柳が植えてあって美しい。
 この美しい川を守りたいと私が言い出したところ、自治会や老人会が呼応してくれて、掃除日ができた。7時に一人であらかたゴミ拾いをした。集合時間9時に、数人が集まってくれていた。上流のN自治会は姿が見えない。下流組とN町方面の上流組にわかれ作業開始。
「最近、コンクリで綺麗にしたからゴミはたまらんと、N自治会は言ってます」「遊歩道の柳が枯れるたびに、自動車の声に押されて切り倒してアスファルト舗装してる」
栗「ほな、全部暗渠にして、柳なんか切り倒してバンバン車を走らせたら良い。神戸女学院の岡田山も見えんでエエー。高いマンションでも作れ。でも、昭和園(私の居住区)は、そんな町にはしたない」
自治会の皆さん「そら、そうですワ。川端柳の美しい町にしたい」などと話し、下流組と合流、ゴミを抱えて、右岸を歩く。
「ここの柳が枯れたので、歩行者専用道をクルマが通過する。柳の跡に住民が勝手に木を植えているのが役所はけしからんと言うが、だったら柳を植えれば良い。自動車道路にしたいから柳を植えんのだろう」「そやそや、伐れるもんなら伐ってみろ」
「川沿いの個人の家の敷地をセットバックしてくれるならレンガ舗装しようと役所が言ってる」栗「そりゃ、応用問題や。そんな無理なこと言わんと、4m幅はレンガ舗装させよう」
「新しい川端マンションは、何度か交渉して、川沿いに低木を植えることになりました」「前の社宅は綺麗にバラを植えてましたね」
栗「南昭和町の端の柳が枯れて伐られた。見て欲しい」「こりゃ、残念。でも、このあたりは綺麗にプランターを置いていますね。4m幅の沿道に駐車場があっても、木を残して綺麗にできる」
会長「そうやなあ。ウチの6m幅で駐車場がある左岸にも、柳が植えられるかもしれない」
などと、話し合いながら歩いた。

人々が、隣町も含めた現場を歩きながら語り合い、町の課題と解決法を話し合い、信頼を深めていく。川掃除は、ゴミもさることながら、こうした語りあいが大切なのだ。
 が、実は困ったことが一つある。55歳の森栗先生、老人会入会を勧められている。まあ、昔は40で隠居なのだが・・・・。
 

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2010年3月 8日 (月)

CSCD大学院社会人講座⑥【こんなのもある】

授業シラバスの最後です。社会人の方で、
・今年は出れないけれど来年検討してみよう。
・この日程だと出れないが、夏休みなど特別な設定をすれば出たい。とか、
・某自治体研修案【2/20記事】のように、ウチの会社でCSCD科目受講をサバティカル研修に利用しようか
 という方は「このブログを見た」と一言っていただきますと、「お試し券」として1回オブザーバー観察を個人として認めます。ただし、大学や事務、正式にはお試しと言う考えはありません。受け付けません。お遍路は集中ですので×。

フィールドワーク論
受講人数 10 人
対象 全研究科大学院生、一部学部生、社会人(2 名程度)
開講時間等 第1学期集中(9月28日、29日、30日)
開講場所 吹田キャンパス:(工学部U2 棟を予定)
・キーワード:ワークショップ、フィールドワーク
授業の目的 フィールドワークの手法やその限界、アンケートの可能性と限界。その結果をすり合わせるワークショップの手法、戦略、実際について学びます。
〔到達目標〕海外では常識の、ワークショップ型議論において、自由に議論できる技能、態度
を習得する。
講義内容 1 フィールドワークからヒューマンイノベーションへ(文系から土木計画へ)
宿題・・・デンマーク・アレクサンドラ研究所のユーザーイノベーションの意訳
2-5 ワークショップの手法 ゲスト 東末真紀
6 フィールドワークの手法(民俗学の見方、聞き方、語り方)
7-10 フィールドワークの戦略(まちづくりワークショップ) ゲスト 松原永季
11 フィールドワークの手法(態度変容型アンケートとユーザーイノベーション)
12-15 ワークショップの実際(公園ワークショップなど) ゲスト 辻信一
以上の順で講義をすすめる予定。状況により変更もありえる。
参考書 ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション
成績評価 3 回の出席30%と議論を観察して70%、総合的に評価する。
履修条件・受講条件 全研究科大学院生(社会人若干名)、全学部生
事前登録を4 月中に、メールでお願いします。
morikuri◎cscd.osaka-u.ac.jp まで(◎は@です)
学部生は、職業人の議論になぜ参加したいのか、ブログを参考に、書いてメールください。
来訪も歓迎します。
その他 社会人の受講を歓迎しま

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2010年3月 7日 (日)

CSCD大学院社会人講座⑤秋遍路【秋もお四国】

交流ツーリズム実践論
受講人数 15 人(全研究科大学院生、一部学部生、社会人〈5 名程度〉)
・開講場所 中之島センター、学外
・キーワード 遍路、巡礼街道、宿坊、語り合い、助け合い、リスクマネージメント
・授業の目的 お遍路交流と徒歩交通、公共交通活用の交流型観光 に関する基礎知識とコミュンケーションを体験し、その意味を議論する。
〔到達目標〕交流空間の体感のなかで、コミュニケーション能力の向上をめざす。
講義内容 [4/11] 1-3
・集合場所・時間 午前10:00 中之島センター
・内容 遍路ツーリズムの現状と議論
どうしても11 日が出席できない者は連絡の上、12 日午後と19 日午後、研究室に来て課題を
出し、個別指導を受ける。
[9/18,9/19,9/20] 4-12
・集合場所・時間 昼 12:35 高知県高知市はりまや橋上(予定)
・内容 高知市内(龍馬関連地も含む)、土佐市内を予定。
【6時に豪雨雷雨注意報警報の場合5/3-4 とする】【行き方は各自調べる。神戸のターミナルはわかりにくい。事前に、乗り場インフォ三宮 http://sannomiya.noriba.info/ などで乗り場を確かめておき、早めに行く。大阪から乗っても良い。連休中であり、帰りは17 時頃で予約を入れておく。早めに学割往復予約することをお勧めする。】【6 時時点で豪雨雷雨警報・注意報のない場合は雨天決行であるが、博物館見学等に変わることもある】
[9/25] 13-14
・集合場所・時間 午後6:30 京阪なにわ橋駅B1 アートエリアB1
・内容 なにわ橋駅で、お遍路カフェを行い、議論する。
[12/18] 15-16
・集合時間・場所 午前10:00 中之島センター
・内容 学部生はウェブコンテンツの指導を受けて構築し12/18 中之島センターで発表、院生は受講)以上の順で講義をすすめる予定。状況により変更もありえる。
教科書 特になし
参考書 ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション
砂の器(監督野村芳太郎)
中山和久『巡礼・遍路がわかる事典』日本実業出版、1575 円
成績評価 体験したことを議論し、それを評価する100%。
履修条件・受講条件 全研究科大学院生(社会人2 名程度)、全学部生
学部生は、運営の支援を行い、コミュニケーションの成果を12 月発表会で発表する
現地に行き、観察体験を前提としている。2 泊3 日の遍路体験に必要な旅費等は個人負担である。学研災など保険は受講義務である。宗教施設を巡り、宿坊滞在するが、礼拝等を強要しない。文化システムとしての巡礼の実態体験から、自由に学んでもらうことを期待している。
その他 社会人の受講を歓迎する。
体力のない方はそれなりに、お互い助け合い歩きましょう。弱い人に合わせて歩く。疲れたらバスを使ってもOK です。体の都合でクルマが必要な方も歓迎です。花咲く巡礼道を、語り合いながら歩きます。

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2010年3月 6日 (土)

CSCD大学院社会人公開講座④お遍路【先着順】

交通まちコミュニケーションの実践は歩くことだ
授業科目名 交通まちコミュニケーション実践論 単位数2
人数 15 人(全研究科大学院生、一部学部生、社会人〈5 名程度〉)
・開講場所 中之島センター、現地
・キーワード 春遍路、巡礼街道、宿坊、語り合い、助け合い、リスクマネージメント
授業の目的 お遍路交流と徒歩交通、公共交通活用の交流型観光 に関する基礎知識とコミュンケーション
を体験し、その意味を議論する。
〔到達目標〕交流空間の体感のなかで、コミュニケーション能力の向上をめざす。
講義内容 [4/11] 1-3
・集合場所・時間 午前10:00 中之島センター
・内容 遍路ツーリズムの現状と議論
どうしても11 日が出席できない者は連絡の上、12 日午後と19 日午後、研究室に来て課題を
出し、個別指導を受ける。
[5/2,5/3,5/4⇒宿坊の都合で5/1-3になりそうです] 4-12
・集合場所・時間 5/2⇒5/1に変更? 午前10:00 徳島駅(改札)
・内容 午前10:00 集合10:22 発―鴨島駅―遍路ころがしー11 番焼山寺(泊宿坊)―12 番大日寺(泊宿坊)―徳島市内【6時に豪雨雷雨注意報警報の場合5/3-4 とする】【行き方は各自調べる。森栗は神戸三宮神姫ターミナル8:10 に乗る。神戸のターミナルはわかりにくい。事前に、乗り場インフォ三宮 http://sannomiya.noriba.info/ などで乗り場を確かめておき、早めに行く。大阪から乗っても良い。連休中であり、帰りは17 時頃で予約を入れておく。早めに学割往復予約することをお勧めする。】【6 時時点で豪雨雷雨警報・注意報のない場合は雨天決行であるが、博物館見学等に変わることもある】
[9/25] 13-14
・集合場所・時間 午後6:30 京阪なにわ橋駅B1 アートエリアB1
・内容 なにわ橋駅で、お遍路カフェを行い、議論する。
[12/18] 15-16
・集合時間・場所 午前10:00 中之島センター
・内容 学部生はウェブコンテンツの指導をCSCD久保田特任准教授より受けて構築し
12/18 中之島センターで発表、院生は受講)以上の順で講義をすすめる予定。状況により変更もありえる。※ 宗教施設を巡り、宿坊滞在するが、礼拝等を強要しない。文化システムとしての巡礼の実態体験から、自由に学んでもらうことを期待している。※ 現地に行き、観察体験を前提としている。2 泊3 日の遍路体験に必要な旅費等は個人負担である。学研災など保険は受講義務である。
参考書 ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション
中山和久『巡礼・遍路がわかる事典』日本実業出版社、
成績評価 体験したことを議論し、それを評価する100%。
履修条件・受講条件 全研究科大学院生(社会人2 名程度)、全学部生
学部生は、運営の支援を行い、コミュニケーションの成果を12 月発表会で発表する
現地に行き、観察体験を前提としている。2 泊3 日の遍路体験に必要な旅費等は個人負担である。学研災など保険は受講義務である。
その他 社会人の受講を歓迎します。
※体力のない方はそれなりに、お互い助け合い歩きましょう。弱い人に合わせて歩く。疲れたらバスを使ってもOK です。体の都合でクルマが必要な方も歓迎です。花咲く巡礼道を、語り合いながら歩きます。朝の勤行は楽しい。

解説
四国遍路とは
四国八十八カ所を巡ることを特に遍路と言い、地元の人々は巡礼者をお遍路さんと呼ぶ。観光バスや車を利用する場合は6~10日前後、徒歩で巡ると55日前後かかると言われている。遍路は順番どおり打たなければならないわけではなく、各人の居住地や都合により、移動手段や日程行程などさまざまである。1
度の旅で八十八ヵ所のすべてを回ることを「通し打ち」。何回かに分けて巡るのを「区切り打ち」という。授業では、教授者が先達となって、短い区切り内を体験してもらうようにする。順番どおり回るのを「順打ち」、逆に回るのを「逆打ち」という。遍路(巡礼者)は札所に到着すると、ある程度決められた手順に従い、本堂と大師堂に参り、般若心経など決められた読経を行い、その証として納札を納め、納経所で寺の名前や本尊の名前、本尊を表す梵字などを墨書し、納経印を押したものを納経帳に受領することができる。この、墨書し納経印を押したものは朱印・(御)宝印とも呼ばれ、寺の本尊を写したもので大切に扱わなければならない。宝印は納経帳以外にも掛け軸、白衣にも受領できる。八十八カ所全てを廻りきると「結願」となり、その後、高野山(奥の院)に詣でて「満願成就」とする。
お接待とは
道中、お遍路さんに対して地元の人々から果物や金品、善根宿などを無償で提供することがある。これに対し、遍路は持っているお札を「お接待」してくれた人に渡すことになっている。こうした文化のおかげで、昔は比較的貧しい人であってもお参りができたといわれる。今日でも四国西南部ではお接待の場ともなった「茶堂」が残っている。「お接待」の心は、接待することによって功徳を積む、巡礼者もまた弘法大師のある種の化身であるという言い伝えからおこなわれる。仏教的には、無財七施に由来するが、無償の供与による交流は、コミュニケーションを増幅させ、施すほうも、施されるほうも、心理的に豊かな感覚を共有できるのである。
遍路のリスクマネージメント
白衣・・・蜂は黒い色を攻撃する。スズメバチによるショック死を防ぐ。
鈴・・・大きな音の出る大きな鈴は、鹿、熊、猪、猿との遭遇の危険を避ける。
杖・・・疲れてくると転倒する可能性が大きい。下りでは、体重を杖に分散することができるので衝撃疲労から膝関節を守ることができる。獣除け、くもの巣よけになる。
帽子、ヒノキ傘、手ぬぐい・・・日除けは重要。山では傘はさせない。レインコートは暑い。
リュック・・・手をあけておかねば危ない。
水筒・・・脱水による病気リスクは大きい。
携帯電源・・・緊急連絡用の携帯は毎日充電できるようにしておく。
手袋・・・道に迷って崖を昇る、雑草を握って這い上がるなどのとき必要
地図
コンビニ・・・事前に配置を調べ、食料等の調達を考えておく
早期入宿・・・4
時をまわってからの入宿は危ない。夕暮れは早い。山の夜は何も見えない。懐中電灯は、朝早く出るときに必要。今回は、それほど無理しない。
友人・・・必ず複数で歩く。必ず、誰かが弱い人につく。遅い人に合わせる。疲れてくると焦るので、勝手に早くいきたくなるが、もっとも遅い人を待つ。

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2010年3月 5日 (金)

阪大大学院CSCD社会人公開講座③ツーリズムメディエート論(若者と考える新しいまちづくり)【乞応募】

お詫び:言い訳…おもろい授業やが、社会人は受けにくいとの苦言をいただいた。
 確かに、平日は難しいので、②のように休日:中之島や現場で集中しているものもある。一方で、合併前の旧課程学部生4コマ(4×90分/週:半期:2単位)+CSCD10コマ(設置審に出した科目で減らせない)=14コマやってきた私である。平日現役、土日社会人公開と、春は死に物狂いで授業をしている。外大のノルマが10コマ、阪大の通常が6コマである。今年からは旧課程はなくなり、10コマのみ。2011年度からは設置審のしばりがなくなり、7コマくらいにしたい。そのときに、4単位を2単位×2に分割、交通は、昼と休日集中、都市ツーリズムは休日集中2コマ、自治体連携まちづくりは夕方、お遍路は休日にしたいが、今は許してください。今年は無理でも、来年OK。副専攻についても、休日にする先生がいないのですが、全学的に少しづつ変わると思います。休日、夜だけでマスターがとれるようにしたいのですが、制度を越えた無理をすると、人間関係と体力にヒビが入ります。以下、豊中市との連携授業です。
ツーリズムメディエート論■
・受講人数 15 人
・対象 全研究科大学院生、一部学部生、社会人(2 名程度)
・開講時間等 第1 学期=月曜5 限
・開講場所 豊中キャンパス:大学教育実践センター ステューデントコモンズ開放型セミナー室
キーワード:豊中市、まちづくり、千里ニュータウン、まち歩き
・授業の目的 〔目的〕キャンパスのある豊中市のまちづくりを座学と現地まちあるきで学び、市民に出会い、
これからのまちづくりの方向を議論し、議論し考える
〔到達目標〕新しいまちづくりの方向を理解し考えようとする態度を学ぶ。また、その議論の
方法、プロセスデザインの概要を体験的に理解する。
講義内容
1 文系が語る都市計画ではなくまちづくり、まち育て、エリアマネージメント
2 豊中市のまちづくりの流れ(豊中市職員)
3 討論(豊中市のまちづくりを考える)
4 豊中市のまちづくり(各協議会の議論)(豊中市職員)
5 討論(阪急沿線のまちづくりはこれで良いのか?)
6 千里ニュータウンのまちづくりの変遷(豊中市職員)
7 討論(千里ニュータウンは魅力的か?)
8-10 5/29(土曜)集合未定10-16 時くらいを予定
現地まちあるきパート1(討論したことは本当か?)
まずは歩いてみよう 現地を見てみよう 出会った市民に聞いてみよう
11 討論(歩いて発見したこと感じたことを語り合おう)
12-14 6/5(土曜)現地まちあるきパート2(別な町を歩き見、聞いてみよう)
15 討論(別な町を歩いて発見したこと感じたこと、豊中はこんな町になってほしい)
以上の順で講義をすすめる予定。状況により変更もありえる。
OP 12 月18 日中之島センター(学部生発表「豊中市の町とまちづくりを考える」、院生受講)
・参考書 ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション
・成績評価 毎回、出席カードを書き、出席と議論参加の回数、参加態度100%。学部生は議論参加態度80%、
発表20%)
・履修条件・受講条件 全研究科大学院生、全学部生
(学部生は、高度職業人をめざす立場から、12 月18 日に、議論の成果をまとめた発表を行い、院生から指摘をうけます。それに耐えられる意欲のある方を歓迎)
・その他 社会人の受講を歓迎します。学部生の受講を歓迎します。
科目名はツーリズムメディエート論ですが、ツーリズムはまちの良さを発見することとつながっています。諸般の事情のまちづくり議論になしますが、新しいまちづくりの方向を、皆さんと議論して模索しようという試みです。

参考
豊中市は、都市計画ではなく、いちはやく市民まちづくりをすすめた都市として有名です。最近は、市民参加でまちの資源を探し、それを活かすまちづくりを推進しています。
 
この授業では、豊中市まちづくり推進課と連携して、実践からの話題提供と討論を交互にすすめ、現場観察を2
回計画しています。
 
まちづくりに関連の深い経済や工学のみならず、市民の一人としての専門家には、必要な生の知識がいっぱいです。人生を有意義におくりたい専門職業人には必須の教養です。

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2010年3月 4日 (木)

社会人公開講座②都市ツーリズム論【乞エントリー】

授業科目名

都市ツーリズム論

受講人員

20

担当教員

森栗茂一、久保田テツ

対象

全研究科大学院生(社会人5名程度)、全学部生

開設時期等

集中(30回、通年ものですので13200円)

野外授業ですので、学生の管理上、1回任意参加はご遠慮下さい。

開設場所

中之島センター、現地

キーワード

まちなか再生、長屋・町家、さるく、遍路、アート、癒し、西陣、モダニズム

授業目的

スクラップ&ビルドによる再開発による都市再生ではなく、地方都市・大都市の縁辺部で、多様な表現活動を居住しながら展開する、交流を活かす動きが地域を再生させる。古い長屋・町家・門前町・集落・お屋敷街は若者・ビジターの再生・創造・交流意欲を高め、古い倉庫や工場、風呂屋の高い屋根は芸術空間を担保する。まちなか再生と遺産管理から、ツーリズムについて議論したい。

授業内容

1-4回 4/10 am10 於:地下鉄天神橋筋6丁目駅北改札(住まいのミュージアム連絡口)集合⇒ミュージアム内長屋で討論、天神橋筋商店街、適塾、なにわ橋駅内B

5-8回 4/17(中之島)「まちなか再生」、都市の遺産(長屋と町家)

9-12回 4/24  am10 於:地下鉄谷町6丁目駅北改札⇒空堀、大阪医学校跡、大阪外事専門学校跡、天王寺の七坂、阪南町

13-16回 5/15  am10 於:阪急西院駅出口西集合 西陣町家、北野天満宮

17-20回 5/22  am10 於:阪急御影駅集合 御影、くるくるバス、岡本、芦屋、西北

21-22回 7/2 pm6:30 於:京阪なにわ橋駅B1 まちあるきの意味について語り合う(ゲスト)六波羅雅一(空堀長屋再生を仕掛ける建築家

23-26回 7/3(中之島)長崎さるく、四国遍路とお接待、白川村と萩・石見銀山)

(ゲストスピーカー)茶谷幸治(まちあるき日本一のプロデューサー)

27-30回 12/18(中之島)(学部生はぶらクリウェブを指導を受けて構築し12/18中之島センターで発表、院生は受講)

教科書

森栗「長屋の住み方とその変化について」『都市住宅学』48

参考書

ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション

茶谷幸治『まち歩きが観光を変える』

西山卯三『住み方の記』

成績評価

毎回、発見カードを書く。回収してそれを評価する。学部生は討論を踏まえまとめ発表する。

その他

単なるまちあるきではありません。大学院生専門家と一緒に、まちの意味を考え、議論しながら歩き、その成果を語り合うのです。

都市再生とまちなか再生、中心市街地再生はどう違うのか?

 現代日本の都市は、大都市であれ地方都市であれ、中心市街地であれ、郊外ニュータウンであれ、多様な課題を抱えている。大都市の個別地区の再生には、都市再生が計画され、再開発による共同ビル事業が展開する。近年、大都市では大規模な都市再生が展開したが、それはオフィース床の過剰をもたらしている。

一方、大都市の古いビルや工場・長屋・町家では、安い賃貸料で入ってきた若者、芸術家が、多様なアート活動を展開するようになり、結果、地域価値を高めることもあった。これを法律用語「都市再生」に対して「まちなか再生」とよぶ研究者もある。

一方、地方都市の中心商店街は、クルマ社会の進展のなか、シャッター街になるものが多く、買い物客は郊外の大規模ショッピングモールや地方の中心大都市に買い物に出かける(高岡でいえば金沢、山口でいえば小倉、徳島でいえば神戸・大阪へ)。その再生は、今日の日本の重要な課題であり、その活性化の方策もまちなか再生の一部と考えている。

長屋と町家はどう違うのか?

 連棟都市住宅としては形体が似ているが、町家の形態は通りニワ、坪庭などに特色がある。町家が町に住むことを決意した定住民の町人の住居であり仏壇がある。長屋には間口9間(3m弱)の狭いものから大きなものまで多様であるが、都市移住者の仮屋(小屋)であるから、仏壇がない。「家」と「屋」の違いはここにある。

アートと芸術はどう違うのか?

 基本的には違わない。中身の定義は、人によって異なる。ただ、芸術が、芸術家個人の思考・志向の表現であった。しかし、近年では、地域の景観との融合を意図したインスタレーションやアートインレジデンスが模索されつつある。十日町大地の祭典に多くの人が押しかけるのもその流れであろう。さらには、地域の暮らし・風土によりそうような、現地に住み着いて現地の暮らしに寄り添うような芸術が展開している。どちらかというと、後者に、アートという表現を使うことが多いような印象を講義者は持っている。

「さるく」とは

 長崎方言で、あるきまわること。街なかを歩き回ることこと、都市観光の基本であり、長崎さるくの試みは、日本の都市観光の展望を、一気に本来的なあり方にすすめた。2007年、神戸市で「さるく」が行われた。

 考えても見よ。安定成長以後、「うち」を一歩出れば、街は自動車流動に押され、川は暗渠となり、海は埋め立てられ、ファーストフードとコンビニのチェーン店ばかりで商店街が衰退する。歩く人などなく、マニュアル以外に語る人がいない。「うちらの誇りある町」はどこにいった。

 町を「さるく」ことは、「うちらの町」を、内の人と外の人(ビジター)とのコミュニケーションのなかで発見していく、町を取り戻す作業である。町は「自慢たらたら」語るに足る舞台になったのだ。

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2010年3月 3日 (水)

大阪大学大学院CSCD授業社会人公開講座開始①交通まちコミュニケーション【乞応募】

CSCD社会人講座が募集開始。半期9200円。ブログ見て、たまたま1回来てみるのは?

何とも言えませんが、遠くからせっかく来たのに、帰れとは言えんでしょ!
一つ一つ紹介します。

授業科目名

交通まちコミュニケーション特論

受講人数

15

担当教員

森栗茂一、八木絵香

対象

全研究科大学院生(社会人名程度)、一部学部生

開設時期等

第1期=月曜日(討論が昼食時間に伸びることもある)

開設場所

豊中キャンパス

キーワード

交通まちづくり、住民協働、ソーシャルキャピタル

授業の目的

過度な自家用自動車(以下、クルマと称す)依存は、地球温暖化促進のみならず、人と人とのコミュニケーションを阻害し、中心市街地空洞化、オールドニュータウンの衰退を招いています。神戸市住吉台のくるくるバスや各地の交通まちづくりのアプローチの実際に学びつつ、中心市街地の衰退、少子高齢化やオールドニュータウン、温暖化防止の観点から、どのような施策が可能なのかを議論します。

授業内容

① 文科系研究者の挑戦―都市民俗誌から土木へ

② 討論:文系から総合計画へ

③ 住吉台くるくるバスと住民協働【資料1】

④ 討論:くるくるバスから学ぶ

⑤ 【宿題資料2】クルマの社会的費用+討論

⑥ 住吉台のソーシャルキャピタル評価

⑦ 【宿題資料3】討論:ソーシャルキャピタル評価

⑧ 新しい公共:協働の評価方法(森栗、八木)

⑨ 討論:新しい公共(八木コメント、森栗)

⑩ 地域の暮らし方を変える―富山革命

⑪ 地域の暮らし方を変えるー地域公共交通戦略

⑫ 地域の暮らし方を変えるー広島都市圏運輸連合

⑬ 地域の暮らし方を変えるーオールドニュータウン

⑭ 地域の暮らし方を変えるー神戸市環境実行計画

⑮ 討論:地域を変えるコーディネート力(学部生は12/18中之島センターで発表、院生は受講)

他に、4/23交通政策カフェ(なにわ橋駅ラボ)などに参加を勧める

教科書

【資料1】森栗「くるくるバスがもたらした持続可能なオールドニュータウン」『交通工学』422007年。森栗「交通を活かしたまちづくりと市民参画・協働・ボランタリー起業」『都市問題研究』696、大阪市都市問題研究会、2008

【宿題資料2】宇沢弘文『自動車の社会的費用』岩波新書

【宿題資料3】森栗「交通計画における住民協働の有効性と展開手法」『運輸と経済』第69巻第12号、2009年。

参考書

ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション(昨年度授業資料、内容掲載)

成績評価

毎回、発言カードを書き討論する。回収してそれを評価する。出席と議論重視。

その他

社会人、文理融合関心のある方の受講を歓迎します。

専門職として受講必要を考える学部生は、4/5 or 4/1210時- 豊中スチューデントコモン4階研究室で面接の上、許可する。

交通まちづくりとは

 クルマ社会の一方で高齢化がすすみ、交通弱者対策として、バス、自転車、歩行者もしくは道路状況・地域ニーズに応じた地域交通計画が必要となった。これは道路計画の展開、「地域交通政策」とよばれ、、都市計画部局の下にある。これに対して、地域福祉、協働による持続的地域づくりの観点から、市民政策NPOや現場改善型研究者からは、「交通まちづくり」が主張された。マルチモーダルな暮らしをどう育てるのかという視点から、国土交通省は「公共交通を活かしたまちづくり」「クルマに頼りすぎないまちづくり」「福祉のまちづくり」という表現で、MMmobility management)施策などを行っている。山口市では、総合政策部のなかに交通政策課があり「交通まちづくり」を市政の中心課題と位置づけている。本論では、こうした観点から、「交通まちづくり」の展開、「交通まちコミュニケーション」と表現している。

TOD・VODとは および本講座テーマの意義

 公共交通を中心とした、駅中心のまちづくりをTODという。私鉄が沿線の住宅開発をしてきた日本の都市開発は、基本的にはTOD(transportation oriented development)であった。1990年以降、クルマ社会のなかで、公共交通が不充分な地方都市では、クルマを前提とした開発が進展した。農地の宅地転用、「大店立地法」による郊外の大規模店舗もあり、VOD(vehicle oriented development) は加速された。高齢化社会では、中心市街地活性化と、郊外VOD地区が、今後の大きな課題である。近年の認知症ドライバーが引き起こす交通事故を考えると、1995年から2015年は中心市街地衰退が重要な課題であるが、2010年頃からは、VODの郊外住宅地・過疎地・首都圏郊外都市における地域交通問題は、深刻な課題になる。

地域交通計画から交通まちづくりへ

 日本の地方自治体には、交通政策はほとんどない。ただ、田中内閣(197274年)以後、地方自治体では、道路特定財源による道路政策があった。渋滞解消、時間短縮のための道路計画は、クルマを使った便利な暮らしを演出したが、クルマに頼りすぎる弊害も目立った。規制緩和による地方交通の切捨ては、クルマに乗れない子どもたち・高齢者・障害者に負担を強いる。また、地球環境に過大の負担をかける。福祉輸送=STS(スペシャルトランスポートシステム)もあるが、人間は、運べば良いというモノではない。多様な人が尊厳を持って、自分の判断と責任で、在宅で豊かに暮らし、自由な移動が保障されることが重要だ。

団地はなぜ高齢化するのか

 1970年以降のわが国の住宅団地は、大量の住宅地を一気に提供した。同じ世代、同じ階層の標準家族(当時は標準と考えられていた夫婦と子ども2人の世帯)が大量に同時期に入居した。通勤する男は、近隣とコミュニケーションがなく、専業主婦を中心としたPTAコミュニティが中心であった。地価上昇が停滞し、子どもたちが不便な郊外団地に戻るケースも少なく、住み替えが行われないまま、近年に入って一気に高齢化が激しく、課題が顕在化している。

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乳母の懐:私はこれで民俗学を辞めました

私は元民俗学。その因縁で、池田市史編纂委員長をしている。

編纂委員に、報酬が出てるんやから、市広報のコラム記事を書くのは義務だと言い出し、自分が書く番になった。長く、民俗学から離れているので頭の切り替えが大変だった。

【おんばのほところ】

 池田の心に残る風景といえば、五月山と猪名川というのが一般的である。しかし、人々が歩いて移動していた近世から近代、高度成長までは「おんばのほところ」を知らぬ池田人はいなかった。

 池田旧町の北側、綾羽町・城山町から巡礼街道(勝尾寺から中山寺にかけて)を通って畑村に行くには、杉谷川に沿った竹薮・樹木の繁った昼なお薄暗いおんばのほところ(現・体育館駐車場あたり)から接待池(現・五月丘小学校)に出るのが近道だった。
 ホーホーという恐ろしい声やザアーというざわめきが聞こえ、上から砂が降ってくる、狐や狸に騙された場所として皆語り合った。恐怖スポットであった。おんばとは、何やら砂かけ婆をイメージしそうであるが、市史の民俗調査では妖怪の話は聞けなかった。

ただ、全国の「乳母」とか「婆」「産」の地名をみてみると、産湯井、姥が淵がある。生活用水、鍛冶焼入れ水、死に水でも良さそうなものだが、なぜか「産」なのだ。これらは、ウブ、バウバウ、すなわちブクブクと泉の湧く音、淵で水がたぎる音、泉や淵に関わった伝説なのである。姥石の伝説も、石が成長する話しで、ブクブクなのである。ウブ・ウバ⇒御ウバ⇒オンバなのである。日本語や地名は、漢字で考えてはいけない。「乳母」や「婆」「産」は後からの連想で解釈した当て字であり、ブクブクという音に注目すべきなのである。幼児語で、水をブブというのはブクブクという日本語の擬音なのである。

ほところは、ふところ=谷の奥まった場所という意味である。落城の折に乳母が子どもを懐に隠して連れて逃げ、水を飲ませたので、この水を飲むと乳が出るという伝説もある。谷奥(=懐)は、地形的に言うと傾斜変換点であり、地質的には断層、地層の境界になっていることが多い。当然、水が湧く可能性が高い。乳母の懐とはロマンを感じさせるお話だが、要は地質路頭における傾斜変換地点の湧水箇所=ブブを意味しているにすぎない。(味気ない言い方ですが)

 この怖い場所を、冬の深夜巡る行事があった。毎年大寒の入りの頃、稲荷施行をする。赤飯を炊いておおきな握りにして油揚げを乗せた物二つを竹の皮に包んで、「せんぎょ、せんぎょ、稲荷せんぎょ」と言って、30人ほどで、あちこちの木の根元、洞穴に赤飯を供える。町内→鎮山(現、図書館)→池田山峠茶屋(現、五月丘停留所)→接待池→おんばのほところ→城山町→ひょうたん山(ダイハツ池田工場)→町内 と回り、夜10時頃帰宅するという。

 つまり、町はずれ、人の世界の境界を過ぎ、狐の世界(山)との境界を、不安の局地になりながら回るのである。なかでも、ウバウバという泉の音のするおんばのほところで、池田の人は、恐怖体験局地に達する。

町に戻って、池田市民は、お互い「実は」と、恐ろしい体験を語り合っていたのである。「おんばのほところ」の恐怖体験談こそ、池田人の心の原風景であった。(『新修池田市史第 5巻』)

地質と地形と擬音から理づめで考え、神やロマンで説明しない私は、旧来の民俗学を死臭がする、抹香くさいと罵った時期があった。旧来民俗学にとってはやっかいな存在と思われていた。事実、博士論文審査で、そう発言した長老がいた。

まちづくりや交通に関わるようになったのは、当然の帰結であった。

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2010年3月 2日 (火)

語り合う意味

大学院博士課程後期理学研究科の学生が相談に来た。
 専攻とは別に、大学院共通科目の私の授業をいくつかとってきた学生だが、博士取得で研究職を追求するのではなく、文系も含めた民間就職をめざすという。研究室の教授に相談したら、「がんばってください」と一言のみで、戸惑って私の所にきたようだ。
私は、
①研究で行けないから民間就職という姿勢では、民間は雇いたくない。挫折したことの意味や、挫折のプロセスで得たものの意味、その挫折力(危機対応能力)を活かして社会にどう貢献したいかを、プレゼンすべきだ。
②研究だけが人生の全てではない。民間就職もあれば、地方の大学・短大・専門学校の情報処理・科学ゼミ・基礎数学などの教員も、やりがいのある仕事である。トライすべし。
③小さい技術ベンチャーでも、大企業と連携して、大阪大学のプロジェクトで展開する可能性がある。やる気があるなら、それも視野にいれておけ。
 ①②③を視野に入れ、他方向で展開せよ。どれか一つに縛る必要はない。たまたま決まったものが天命で、一生懸命、社会使命をはたせばよい。
 このくらいの語り合いすらできない研究室だとすれば、その研究室からいったいどんな創造性が出せるのか疑問だ!研究の前に、一人一人の学生に向き合うことが、大学人には求められるのではないだろうか。

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2010年3月 1日 (月)

青年会は生きている

大阪市都島区の青少年指導員と青少年福祉委員の研修で講演をした。
 兵庫県の町でも何度が子育て環境について講演したことがあるが、たいてい、「なり手がなくて」と言いつつ、高齢の会長が出てこられ、PTAの延長で動員されたお母さんというのが多かった。民間での青少年指導・地域活動の実態は、難しい。
 ところが、大阪市では30代40代の指導員がたくさん活動している。聞くと、商店主もいれば、サラリーマンもいる。保育士もいれば、ゴルフショップ経営者・建築家もいる。男性も女性も熱心に聴いていただいた。みな、地域の青少年の指導を無償で続けている。
 50歳で定年で、青少年福祉委員に卒業するという。
 ここでピーンときた。
 昔は、村の青年団があった。若者が仕事が終ると若者宿に集まり、ソロバンを習ったり、祭の準備をしたり、ときには集団で娘組みと語り合ったり、ときには思いを持つ仲間を相手の家に連れて行き、夜這いの手伝いをすることもあった。乱交ではなく、ルールを教え、相手を尊重する「もて方」も教えた。ときには、身ごもることもあり、そのときは責任を持って婚姻させた。セックスありきではなく、性も含めた人間のコミュニケーションと社会生活を学んだのである。
 この青年会は、昭和30年代から宿が公民館となり、公民館活動として引き継がれたが、いつしか、会社の青年活動やYMCA以外、若者の自由な社会指導はほとんど消えてしまった。青年会は、30歳、40歳の定年制で、事後、村の指導:中年組に移る。
 おそらく、大阪市ではこの青年会が、そのまま青少年指導員制度に移り、今なお、働きざかりの若者が、町の青少年を指導しているのである。なかなか難しい。
Q:若者をどう指導したら良いか
A:規制、監督も必要だが、若者が集まれる場をつくる。一緒に語り合える場が重要。一方で、集まる行事を作り、たとえば地域の名所めぐりなどをして誘い出し、見つけた若者に何度も呼びかけるなど
Q:青少年指導員のなり手がいない
A:町会や婦人会など他の地域団体と連携して、聖和寄り合い会(天王寺区)のような連携を作り、区役所・コミュニティ協会と連携して、地域の総合案内冊子(活動、連絡先、期日、場所記入)を、全世帯に配っている例がある。

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