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2010年3月 3日 (水)

大阪大学大学院CSCD授業社会人公開講座開始①交通まちコミュニケーション【乞応募】

CSCD社会人講座が募集開始。半期9200円。ブログ見て、たまたま1回来てみるのは?

何とも言えませんが、遠くからせっかく来たのに、帰れとは言えんでしょ!
一つ一つ紹介します。

授業科目名

交通まちコミュニケーション特論

受講人数

15

担当教員

森栗茂一、八木絵香

対象

全研究科大学院生(社会人名程度)、一部学部生

開設時期等

第1期=月曜日(討論が昼食時間に伸びることもある)

開設場所

豊中キャンパス

キーワード

交通まちづくり、住民協働、ソーシャルキャピタル

授業の目的

過度な自家用自動車(以下、クルマと称す)依存は、地球温暖化促進のみならず、人と人とのコミュニケーションを阻害し、中心市街地空洞化、オールドニュータウンの衰退を招いています。神戸市住吉台のくるくるバスや各地の交通まちづくりのアプローチの実際に学びつつ、中心市街地の衰退、少子高齢化やオールドニュータウン、温暖化防止の観点から、どのような施策が可能なのかを議論します。

授業内容

① 文科系研究者の挑戦―都市民俗誌から土木へ

② 討論:文系から総合計画へ

③ 住吉台くるくるバスと住民協働【資料1】

④ 討論:くるくるバスから学ぶ

⑤ 【宿題資料2】クルマの社会的費用+討論

⑥ 住吉台のソーシャルキャピタル評価

⑦ 【宿題資料3】討論:ソーシャルキャピタル評価

⑧ 新しい公共:協働の評価方法(森栗、八木)

⑨ 討論:新しい公共(八木コメント、森栗)

⑩ 地域の暮らし方を変える―富山革命

⑪ 地域の暮らし方を変えるー地域公共交通戦略

⑫ 地域の暮らし方を変えるー広島都市圏運輸連合

⑬ 地域の暮らし方を変えるーオールドニュータウン

⑭ 地域の暮らし方を変えるー神戸市環境実行計画

⑮ 討論:地域を変えるコーディネート力(学部生は12/18中之島センターで発表、院生は受講)

他に、4/23交通政策カフェ(なにわ橋駅ラボ)などに参加を勧める

教科書

【資料1】森栗「くるくるバスがもたらした持続可能なオールドニュータウン」『交通工学』422007年。森栗「交通を活かしたまちづくりと市民参画・協働・ボランタリー起業」『都市問題研究』696、大阪市都市問題研究会、2008

【宿題資料2】宇沢弘文『自動車の社会的費用』岩波新書

【宿題資料3】森栗「交通計画における住民協働の有効性と展開手法」『運輸と経済』第69巻第12号、2009年。

参考書

ブログ:森栗茂一のコミュニティ・コミュニケーション(昨年度授業資料、内容掲載)

成績評価

毎回、発言カードを書き討論する。回収してそれを評価する。出席と議論重視。

その他

社会人、文理融合関心のある方の受講を歓迎します。

専門職として受講必要を考える学部生は、4/5 or 4/1210時- 豊中スチューデントコモン4階研究室で面接の上、許可する。

交通まちづくりとは

 クルマ社会の一方で高齢化がすすみ、交通弱者対策として、バス、自転車、歩行者もしくは道路状況・地域ニーズに応じた地域交通計画が必要となった。これは道路計画の展開、「地域交通政策」とよばれ、、都市計画部局の下にある。これに対して、地域福祉、協働による持続的地域づくりの観点から、市民政策NPOや現場改善型研究者からは、「交通まちづくり」が主張された。マルチモーダルな暮らしをどう育てるのかという視点から、国土交通省は「公共交通を活かしたまちづくり」「クルマに頼りすぎないまちづくり」「福祉のまちづくり」という表現で、MMmobility management)施策などを行っている。山口市では、総合政策部のなかに交通政策課があり「交通まちづくり」を市政の中心課題と位置づけている。本論では、こうした観点から、「交通まちづくり」の展開、「交通まちコミュニケーション」と表現している。

TOD・VODとは および本講座テーマの意義

 公共交通を中心とした、駅中心のまちづくりをTODという。私鉄が沿線の住宅開発をしてきた日本の都市開発は、基本的にはTOD(transportation oriented development)であった。1990年以降、クルマ社会のなかで、公共交通が不充分な地方都市では、クルマを前提とした開発が進展した。農地の宅地転用、「大店立地法」による郊外の大規模店舗もあり、VOD(vehicle oriented development) は加速された。高齢化社会では、中心市街地活性化と、郊外VOD地区が、今後の大きな課題である。近年の認知症ドライバーが引き起こす交通事故を考えると、1995年から2015年は中心市街地衰退が重要な課題であるが、2010年頃からは、VODの郊外住宅地・過疎地・首都圏郊外都市における地域交通問題は、深刻な課題になる。

地域交通計画から交通まちづくりへ

 日本の地方自治体には、交通政策はほとんどない。ただ、田中内閣(197274年)以後、地方自治体では、道路特定財源による道路政策があった。渋滞解消、時間短縮のための道路計画は、クルマを使った便利な暮らしを演出したが、クルマに頼りすぎる弊害も目立った。規制緩和による地方交通の切捨ては、クルマに乗れない子どもたち・高齢者・障害者に負担を強いる。また、地球環境に過大の負担をかける。福祉輸送=STS(スペシャルトランスポートシステム)もあるが、人間は、運べば良いというモノではない。多様な人が尊厳を持って、自分の判断と責任で、在宅で豊かに暮らし、自由な移動が保障されることが重要だ。

団地はなぜ高齢化するのか

 1970年以降のわが国の住宅団地は、大量の住宅地を一気に提供した。同じ世代、同じ階層の標準家族(当時は標準と考えられていた夫婦と子ども2人の世帯)が大量に同時期に入居した。通勤する男は、近隣とコミュニケーションがなく、専業主婦を中心としたPTAコミュニティが中心であった。地価上昇が停滞し、子どもたちが不便な郊外団地に戻るケースも少なく、住み替えが行われないまま、近年に入って一気に高齢化が激しく、課題が顕在化している。

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