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2010年2月 2日 (火)

高速道路無料化と命、暮らし

広島県知事が浜田道(島根県)の無料化を具申するなら、浜田ー広島間の高速道路の付帯する高速バスも無料化して欲しい。
 もし、新しくできる鳥取道(鳥取ー姫路)間の無料化をいうなら、鳥取ー神戸・大阪の高速バスは(鳥取ー姫路部分は)無料にすべきだ。
 高速道路無料化は、議論はあるものの、せっかく作った高速道路を活用し、地方と都会との交流を促進するという意味では、一つの考え方だろう。しかし、国の施策によって、高速バスの利用者が激減し、高速バスが廃止・減便されてはいけない。クルマで自由に往来する多数の利益のために、クルマを持っていない低所得者や、クルマに乗れない高齢者・中高生・大学生の移動の自由を奪って良いわけがない。
 高速無料化のために、智頭鉄道(鳥取ー姫路)を廃線においやってはいけない。鳥取ー姫時間のJR・智頭線運賃も無料にすべきだ。クルマで自由に往来し、地球に負荷をかけている多数の人が横行し、交通弱者が不便になるようでは、バランスのとれた政策とはいえない。
 そもそも、タダで走り回ることが、競ってタダを要求することが幸福なのか。
 昔、小さなバスに乗り合わせ、互いに席を譲りあい、声掛け合った美しい日本も、一つの幸福ではなかったか。タダでさえあれば良い。力のあるクルマに乗れるものだけが、交通弱者の苦悩、高齢化した過疎地の命・暮らしに思いをはせることができず、一人で自由にクルマをぶっ飛ばしながら無料を要求するような日本に、自分さえ楽でタダであれば良いという社会に、本当に「新しい公共」は生まれるのか。
 こんな施策で良いのか、こんな日本にして良いのか、民主党なら民主党らしく考えなおして欲しい。いつも弱きものの立場にたって奮闘してきた、阪神大震災のときにも心をくだいていただいた辻元副大臣が、これで良いとお考えとは、私は思わない。

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