運輸連合の戦術(共通情報提示)
情報共有化の第二戦術は、携帯・PC・まちかど案内板による共通情報提示システムである。
神戸三宮のバス停には1998年、明石海峡大橋供用以後、60以上のバス会社がひしめき、高松行乗り場が4つもあって混乱していた。バス停は各社の利権であり、共通化は難しい。後発事業者は、駅前の隅の放置自転車の横から乗り降りする。利用者は、駅前を左右に戸惑い、乗り遅れ、困り果て、神戸市インフォメーションセンターには、苦情が殺到していた。
こうしたなか、近畿運輸局、神戸市の努力で、三ノ宮駅周辺円滑化会議が設けられ、事業者、行政、市民、NPOが語りあうなかで、共通バス情報提供のサイトや、バス乗り場地図が運営されるようになった。⇒乗り場インフォ三宮
こうしたなか、新しくできた三宮バスターミナルでは、(独立系事業者、フェリー連絡バスを除いて)JRバスと神姫バスが自主的に、高松行を路線統一した。乗り場は1つに統一された。
情報の共通化は、エンドユーザー本位を促し、交通事業の連携後押しした。三宮では情報提示の有利性を知ったすべてのバス事業者が情報を迅速に提示し、サイトの運営協力をしている。運輸連合にはいたっていないが、その魁となっている。バス乗り場地図は、駅構内やバス停、通行人から尋ねられて困っているJTB、郵便局、チケットショップに掲示されている。
将来的には、携帯情報サービス、交通・観光情報センターを作り運営し、街角案内人を配置することが期待されるが、そのためには運営主体の経営をどうするかが問われる。運輸連合の必要性はここにもあるのだ。
必要であれば、全国的な交通情報提示会社とのビジネス連携も視野に入れる必要があろう。
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