命、暮らし、絆を守る新しい公共交通
鳩山施政方針演説をふまえ、新しい公共交通について述べる
日本の戦後交通政策の大罪を、マハトマ・ガンジーになぞらえ、
①理念無き交通インフラ計画
②サービス無き補助金
③地域責務道徳薄き事業者経営
④人間性無き交通工学技術と哲学無き研究者
を私は指摘します。
人間生活の移動の幸福や地域交通の豊かさは、行政による高速道路建設や事業者による交通サービスのみによるものだけではありません。
地域の住民が協働してバス路線を開設し、維持育てるくるくるバスが黒字で運営されるような試みや、大都市圏で多数の事業者と行政が連携して、市民ニーズに応えるようなバス専用レーンや通勤自動車制限、快速バスやゾーン運賃、ICカードなどの運輸連合の動きが大切です。個々の立場・能力を活かして皆で支えあい、地域の幸福を育てる。そのプロセスそのものや、そこで生まれる信頼感、生活の安心感、関わる人々の絆にこそ、交通まちづくりの価値がある。
公共交通が無くなり外出の機会を奪われた過疎地高齢者に、移動の希望を与えたい。
臨月で保健所に行くにも保育園に行くにも、自家用車を使い、路上駐車するしか方法がなかったお母さんに、安心して公共交通を使ってもらえるようにしたい。
障害を持つ人が、安心して公共交通で外出できるようにしたい。
若者がバイクで、高校生が自転車で走り回らなくても、交通事故の心配なく気軽に移動できるような暮らしを提供したい。
赤字で自信を失った交通事業者に、地域に新しい交通サービスを開発してもらい、誇りを持って、ある程度展開できるようなビジネスをしてもらいたい。
少ない財政のなかで、住民の要求に汲々としている行政マンに、事業者・行政・市民協働の交通まちづくり、そのなかでの連帯・信頼・絆を感じ、地域づくりする喜びを知って欲しい。
命、暮らしを守り、絆を育てようとする協働の試みから、新しい公共交通のビジネスフロンティアが拓ける。そんな試みをしてみたい。
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