運輸連合の戦術(ノーマイカーデー)
自治体の交通政策には戦略・戦術のないものが少なくない。
「毎月20日はノーマイカーデー」
なめとんか!クルマが便利やからクルマ買ったんや。電車乗ったらお金が要る。バスで立ったまま渋滞はしんどい。クルマやったら髭それるし、おにぎりも食べられ、ニュースも聞ける。ノーマイカーデーなんか意味ないことは、ノーマイカーデーの垂れ幕をしている役所の駐車場が、職員通勤で渋滞していることが証明している。ノーマイカーデー限定の安い地下鉄一日券は、早朝から高齢者が買い求め、通勤に使おうとしたら売り切れていたりする。
こんなことを言うと、自治体職員から嫌われる。
「私らも0円予算のなか、がんばってるんです」という。予算がないから、交通事業者に協力金を求め、ノーマイカーデーのポスターやステッカーを作り配布しているという。
違う。そんな戦術の無い、あんたの給料が無駄予算!
某市では、毎月末金曜を「職場コミュニケーションデー」として、公共交通通勤を奨励したところ大好評。市役所の前は通勤渋滞がなくなり率先環境重視の姿勢が市民に評価され、職員は給料日後の花金曜日に、皆で呑みにケーション。盛り場は繁盛し、タクシーは儲かる。バス会社も増発して儲かる。
実は、飲酒運転、酒気帯び規定が強化され、地方の繁華街は火の消えたようになっていた。夜まで呑んでいると、運転代行で帰っても翌朝の通勤が酒気帯びになる。とくに公務員の酒気帯びは厳禁である。職場の呑みニュケーションの機会は激減し、人間関係がギスギスする。
「職場コミュニケーションデー」は0予算でできる。呑み屋は喜んでポスターを貼ってくれ、タクシー会社や駅は喜んでチラシを撒いてくれ、バス会社も協力してくれる。ポスターやチラシくらい自分で作って印刷しろ。
事業は予算の有無ではなく、戦術の有無が重要である。
とはいえ、自治体縦割りのなかで、予算0円を言い渡されては、戦略を考える気力もう起きないのだろう。同情するが、同情するなら職員を運輸連合に派遣しろ。皆で戦略・戦術を考えれば、突如、素晴らしい意見を出すかもしれない。人間活用の意味でも、運輸連合は必要だ。
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