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2010年1月22日 (金)

日本の魅力=小さな旅館

仕事で山口によく行くが、湯田温泉の中原中也記念館の近くにお多福という「しっとりとした木造旅館」がある。小さな内庭があり、こざっぱりして清潔で、糊のはったユカタと丹前があって、何より案内、お辞儀など物腰自体が流れるように美しい。朝食が贅沢ではないけれど美味しい。ほうれん草のおひたし、きんぴら牛蒡、鮭に海苔、煮ぬき卵、烏賊さしみ、味噌汁・・・、特別ではないが、これが日本だと思える美しい食事。
 列車内で出会ったオランダ人を連れていったら、物凄く喜んでくれた。一方で、私には縁のなさそうな有名な京都の和風旅館があるが、泊まった人に聞くと、普通の旅館だったそうだ。
 この普通こそが難しい。出張には普通の旅館を探して泊まりたい。東京では北千住の舞鶴旅館が良い。昔、駅前には寅さんが酒をチビチビやったような旅館があった。こうした日本の旅館文化を残したい。外国人旅行客の中には、わざわざ旅館を探して泊まるという。
 山口の駅前を市役所方面に歩くと、蛍の飛び交う川を渡る。その橋の右角に、「たぬき」という和風喫茶がある。大内塗りの椀で、宇治ぜんざいでも食べてみるのも楽しい。流石、山口と思わせる店。ここから川沿いを歩いて五重塔、大内地区まで10分、西の京といわれる風情がある。
 各地の国立大学は、地方観光地の和風美を表現する旅館や和風喫茶などを発掘し、案内地図を英語・中文・韓語で表示し、旅館には多言語の説明書、案内掲示を配り歩いてはどうか。その情報をホームページで示してはどうか。研究を、地域に生かしてこそ国立大学ではないか。自治体は、大学とうまく連携することが重要だし、国の観光政策には、地方の国立大学をもっと活用する戦略が必要ではないか。

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