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2010年1月 7日 (木)

運輸連合の戦略

運輸連合は、地域のビジョンを明確にした上で、どのような戦略を描くべきか?
 乗換え無料、一定地域ごとの統一運賃=ゾーン制? いや重複バス路線の整理統合? ターミナルの整備? いや、LRT整備か?
 それらは手段・戦術。戦略無しに、新交通というモノをめざし、道路特定財源というセイドを活用して、国庫というカネを導入、モノ、カネ、セイドありきが、役に立たない新交通、無人走行なのに夜は早く終わるちっとも新しくない新交通を作ってしまった。
 都市圏交通計画における戦略とは、究極、情報の整備である。
 地方交通の中心はバスである。バスはインフラ整備が少なくて、中規模輸送が可能なモードである。鉄道は、巨大な投資を回収できないから、走らせてダメだったら撤退とはいかない。自転車も、自転車道の整備、サイクリングターミナルの整備など、無戦略にはできない。
 ところがバスは、走らせてダメならやめりゃ良い。こうして、各社競って、どこを走っているかわかる人にしかわからないバスが走り、都心では空バスが渋滞する。バスは情報が一番重要なモードなのだ。
 公共交通とは、異なる動きをする人間を支えるネットワークである。バス路線(線)を明示して、乗換え結節点(点)を料金面・移動面から円滑にする(乗換無料、バス・電車対面乗り換え)ことが重要なのだ。だから、その情報を共有化し、飛躍的に分かりやすく提示し、お徳感覚を明示することが重要なのだ。こうして、家からの第一歩がクルマでないことが、カッコよいようなライフスタイルを作ることが重要なのだ。⇒某市の環境実行計画で実行する
 情報の共有化の基本戦術は、共通ICカードである。一枚のICカードで駐車も駐輪もバスも電車も乗れれば、乗換無料化、ソーン運賃は簡単である。民鉄やバス会社こそ、民鉄統一カードがあれば有利で、JRカードなら割り引かないという手もある。地方では都心に入り込んでいるのは、バス・トラムを抱える民鉄なのだ。
 情報共有化の第二戦術は、携帯・PC・まちかど案内板による共通情報提示システムである。ICTの大規模な投資をしてもダイヤ情報が常時更新されねば意味が無い。交通情報センターというハコやタッチパネルというモノには補助がつくのに、情報の維持管理に補助カネがつかない。税金で作ったモノは、そもそも経営する気構えがないから、その管理を押し付けられた商店街や自治体は困る。共通情報をいかに商品価値のあるものし、ビジネスに結びつけるかが問われる。必要なら、ジョルダンやナビタイムなど情報会社と連携するビジネスセンスが、運輸連合に求められる。
 情報共有化の第三戦術は、バス路線の統合、ネットワークの明示である。地方都市では各社バラバラに都心にバスが入り、路線ごとの本数は少ないのに、都心では空バスがダンゴ運転になり、経営効率・サービス水準が低下している。幹線を5分間隔とし、結節点で支線から対面同時無料の乗換ができれば、それが早朝から深夜まであれば、誰も無理してクルマを持とうとしない。バスサービスの飛躍的向上、その情報の明示によって、人の移動をクルマから剥ぎ取ることである。交通行動の変容を促すことではない。情報とお徳感で、顧客を剥ぎ取る覚悟が重要だ。
 情報共有化の第四戦術は、広報紙による情報フィードバック。自治体広報誌に、バスのお試し半額券をつけるくらいの商売毛のある広報が重要である。

個々の戦術の具体は明日の朝、考える。

 

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