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2010年1月

2010年1月30日 (土)

命、暮らし、絆を守る新しい公共交通

鳩山施政方針演説をふまえ、新しい公共交通について述べる

日本の戦後交通政策の大罪を、マハトマ・ガンジーになぞらえ、
①理念無き交通インフラ計画
②サービス無き補助金
③地域責務道徳薄き事業者経営
④人間性無き交通工学技術と哲学無き研究者
を私は指摘します。
 人間生活の移動の幸福や地域交通の豊かさは、行政による高速道路建設や事業者による交通サービスのみによるものだけではありません。
 地域の住民が協働してバス路線を開設し、維持育てるくるくるバスが黒字で運営されるような試みや、大都市圏で多数の事業者と行政が連携して、市民ニーズに応えるようなバス専用レーンや通勤自動車制限、快速バスやゾーン運賃、ICカードなどの運輸連合の動きが大切です。個々の立場・能力を活かして皆で支えあい、地域の幸福を育てる。そのプロセスそのものや、そこで生まれる信頼感、生活の安心感、関わる人々の絆にこそ、交通まちづくりの価値がある。
 公共交通が無くなり外出の機会を奪われた過疎地高齢者に、移動の希望を与えたい。
 臨月で保健所に行くにも保育園に行くにも、自家用車を使い、路上駐車するしか方法がなかったお母さんに、安心して公共交通を使ってもらえるようにしたい。
 障害を持つ人が、安心して公共交通で外出できるようにしたい。
 若者がバイクで、高校生が自転車で走り回らなくても、交通事故の心配なく気軽に移動できるような暮らしを提供したい。
 赤字で自信を失った交通事業者に、地域に新しい交通サービスを開発してもらい、誇りを持って、ある程度展開できるようなビジネスをしてもらいたい。
 少ない財政のなかで、住民の要求に汲々としている行政マンに、事業者・行政・市民協働の交通まちづくり、そのなかでの連帯・信頼・絆を感じ、地域づくりする喜びを知って欲しい。
 命、暮らしを守り、絆を育てようとする協働の試みから、新しい公共交通のビジネスフロンティアが拓ける。そんな試みをしてみたい。

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2010年1月28日 (木)

両備の公共交通再生への実践・提案に学ぶ

岡山の両備グループはバス・市内電車に基礎を置く。2010年、その社長所感「公共交通再生の実現へ向けては必読。和歌山電鉄、中国バス、津エアポートラインの再生には眼を見張るものがあり、和歌山電鉄では利用者を15%増やし、公設民営の運営での補助金を当初見込みより格段に不要とした。駅長たまの命名者として有名だが、エムシー・ドゥコーの透明バスシェルターの地方都市(岡山)導入や、メインテナンス軽減の夜間照明付バス停の開発など、その成果と哲学は、日本の公共交通再生の希望の星である。
 小嶋社長は、銀行を辞めてバス会社を始めたとき、公共交通は早晩、継続経営困難とみた。しかし、真面目にバスの整備をする人々や、バスがなくなり移動できなくなった高齢者の姿を見て、地域の公共交通の再生を成し遂げる覚悟をしたと伺った。
 とくに、赤字補助に頼り、コスト高であれば税金補填ができるので、労賃も含め経営努力しないままであった公共交通事業者が、小泉路線で効率を問われ、なすすべもなく撤退する状況は問題である。自治体設置交通局があるからこそ、多くの公的赤字補助が自治体交通局に行くのに、市民の移動が便利にならない理由は、このあたりにある。
 ではどうするか。小嶋社長は、公設民営の再生に、公金を投入すべしとの論であるが、ここは注意が必要である。
 (自治体交通局も含めた)民営事業者が皆、両備のように効率化され、地域サービスに意識が高いとは限らない。むしろ、放漫経営のつけを赤字補助に頼り、利用者サービスを後回しにしてきた事業者のほうが多いのではないか。ヨーロッパのように、利用者ニーズにもとづき、交通事業者が連携した交通連合を提唱しようとする私が、「交通連合」を検索して驚いた。日本で「交通連合」といえば、交通労働組合の連合なのである。利用者利便よりも、事業者・労働者の都合しか検討されて来なかったのである。
 利用者のことを考えない民間事業者や、補助金を流すことしかしてこなかった自治体に、はたして公金を入れて良いのか。むしろ、地域の交通を守ろうとする心ある事業者と、少しでもクルマに頼らない町を創ろうと努力する行政が市民と協働して、交通まちづくりを計画・運営する地域組織にこそ、支援が行くようにせねばならない。(計画、インフラ、調整、経営、評価は)公設・協働民営ではなかろうか(交通路線の運行は事業者委託)。複数年度予算で協働の成果を評価しつつ、その運営組織の基金に支援が流れる仕組みが重要であろう。
 ではその交通まちづくりの地域交通連合経営体は、何から手をつけるべきか。小嶋社長は、自家用車をコントロールすることを第一と喝破している。事業者、市民、行政が一緒になって、渋滞のクルマをコントロールし、定時性を確保したバスを走らすことしかないのである。この自治体・事業者・市民の三者が連携し、警察も協力し、大胆な交通計画を実施することでしか、都市圏の公共交通の未来はない。過疎地の公共交通を維持することも必要だが、一方で地方の都市圏も支援せねばならない。

 

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続:両備の公共交通再生への実践・提案に学ぶ

両備の社長室所感「公共交通再生に向けて」で、気になる部分がある。
■中国バスの再建で明らかになったのだが、観光バスが1台1千万円高い、燃料がリッター10円高い、部品価格は3倍で、勿論、人件費も同様に高かった
 一般に、クルマがあふれてバスが遅れる。遅れるからバスに乗らずにクルマが増える。クルマが増えるからと、バス離れスパイラルが、バス会社の課題といわれる。
A:営業的赤字スパイラル
 しかし、それは経営の一面でしかない。
実は、赤字だから与信機能が無く資金調達できない。資金調達できないから、調達コストが高くなる。調達コストが高くなるから赤字が増えるという
B:調達の赤字スパイラル
がある。加えて、赤字だから労働条件で対立し、対立するから労組の嫌がることは何もできない、利用者利便より運転手の休憩時間を重視することになり、高コストで労使無会話となる。
C:労務面の不効率スパイラル
となる。
バス会社としては、学識者に渋滞による営業的赤字スパイラルを指摘されても、「いらんお世話」で、どうしようもない。赤字交通事業者の気がかりは、
B:資金調達赤字スパイラル>C:高コスト労務無会話>A:営業的赤字スパイラル
なのではないか。BとC、それに加えてAで、動くに動けないのではないか。

ではどうすれば良いか。
 仕分けで指摘されたように、地方の交通は地方に任せれば良い。ただし、自治体に公金が行くと、特別交付税交付金のように、交通勘定で申請したのに、自治体に来るとほとんどわからなくなり、退職引当や他の債務処理に粉飾される恐れがある。一括交付金ならさらに危険。
 全国10の地方に地域公共交通活性化再生支援評価機構を、自治体・事業者・市民の参画を得て設立し、そこが、各地の地域組織の連携交通まちづくりの動き(大は交通連合、中は現在各地にある地域公共交通活性化再生総合事業協議会、小は乗り合いタクシーを補助金無で運営する伊達市商工会議所、くるくるバスを守る会)を評価し、市民協働・利用者目線・環境負荷軽減観点から計画実行をアンケート、タウンミーティング、覆面調査で格付け評価し、複数年予算をもとに人的資金的に継続支援する。一方で、交通事業者には信用保証して与信を高め、安心して市民と協働して良い計画に参画して、その能力を市民に供与・活用いただく。もしも、破綻する会社があれば、保証者として機構が自治体に資金供給し、適切な救援企業を選定し、公設民営すれば良い。両備をお手本とする公設民営は、最後の手段のメニューの一つであろう。

余談・・・②調達面の赤字はなぜ起きたか?
実は、交通事業者のなかに危ない企業が多数あることは誰でも知っていた。ただ、それを公表すると与信できないから、これまで(赤字補助を見込んだ信用貸し)ごまかしてきた。しかし、近年、会計基準の国際化(連結決算、リスク公開、財務諸表公開、会計監査の過失責任、公正証書原本不実記載の厳罰化など)により、ごまかしきれなくなり、追い込まれた交通事業者は少なくない。だから信用保証が必要なのであり、交通事業そのものは走り続けさせるという公的担保であるから、JALと同様に、地方のバス・電車は守らねばならない。

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2010年1月27日 (水)

続:公共交通なんかダサい。バイクで行く!

昨日、若者の視点によれば、極端なPTPS(バス専用レーン、バス優先信号)がないと、半額ゾーン運賃でないと利用せんと言い切る若者の意見を考慮して交通計画を考えようとお伝えした。
 そうだなあ、大変だなあ、と思ったアナタ、そこの生真面目なアンタ、運輸連合のコーディネート資格なし!
 舌三枚必要やと言うたでしょ。
私の答・・・M君、あんたには公共交通乗ってもらわんでもエー。ただ、M君らの親にお伝えする。
「自動二輪の事故死率は、自動車の8.6倍。一生自動車に乗り続けたら交通事故死する確立が0.005%であったものが、0.04%と危険率向上。(http://www3.ocn.ne.jp/~daybreak/moto/105.html )もし学生全員が自家用車で通学する学生2万の大阪大学があれば、学生が入れ替わる4年ごとに、確実に自動車事故死亡者を1人出すが、2万人学生全員がバイク通学すれば、4年毎に確実にバイク事故死亡者を着実に8.6人積み上げる(毎年2人以上の学生を殺す)計算」
 親御さんにお伺いします。安くて便利なバイクを買ってやってるか、便利で半額になり乗換え無料のゾーン運賃になった(可能性)公共交通を利用するか、ご家族で話し合ってください。
 M君にはよびかけません。M君のお母さん、それでもバイクで良いですか・・・。

こんなエグイ計算をする知恵と恫喝的呼掛けをする舌が、コーディネーターには必要です。
 昔、雀も通わぬ山の中、大阪外大でバイク乗り回し学生と対峙するとき、この論理を使って、「学生の自由を認めろ」と言う教授会を黙らせました。その上で、箕面駅、茨木駅からのシャトルバスを走らせたのは、実は私。今では誰もご存じないでしょうが・・・。

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2010年1月26日 (火)

【院交通まちコ】意見交換

「今どき、バスや路面電車で通勤するなんて考えられない」というのが、若者(私の受講生)の感覚だ、と某バス協会の講演冒頭で言い放った。もちろん、最後は「皆さんの先輩が事業者の枠を越えてあんな立派なバスセンターを運営しているではないですか。皆で連携して、日本一公共交通が便利な町にしましょう」と呼びかけた。事後、メールでご挨拶申し上げ、運輸局からご説明をしたところでは、みなさん、機運が盛り上げってきているようです。
 その受講生から以下のようなメールが来た。流石、道路計画のプロ、面白いので本人の了解なしに(授業のメール・発言はいつブログにのるかわからんことは承知済)

今日は午前中のOB訪問が伸びてしまい、授業に出席することができませんでした。申し訳ありません。 ブログに書いてあった ※箕面キャンパス(バス230円)⇒箕面駅(阪急260円)⇒梅田駅(バス200円)⇒中之島センター を 120円+130円+0円=250円(学生半額・ゾーン運賃) M君、これならバス・電車に乗ってくれるカナ?それでも、バイクで来るかな? について少し考えてみました。 仮に箕面キャンパス周辺に住み、中之島センターに通学するのであれば、私の場合は豪雨や雪でない限り、上記の条件でもバイクを使うと思います。 というのも、バイクの場合、府道一号→中央環状線→御堂筋でおよそ 30分で目的地にいけます。上記の公共交通を使うならば1時間30分くらいかかるのではないでしょうか。また、バイクの場合は時間に縛られない(行き帰りとも)こと、これら二点が最もおおきな理由です。
 ではどうすれば公共交通を使うのか。上記のように安くすれば使うというわけではない。最も重要なのは利便性だと思う。学生はお金がないから安くすれば公共交通への転換は図れるかもしれないが、通勤を考えた場合、お金は問題ではない(通勤費支給制度)。しかし、公共交通の利便性を向上するのにも限界がある。そこで私が考えるのは、郊外からの自動車の乗り入れの抑制だと思う。すべての道路でなくても、渋滞がひどい御堂筋を午前だけ有料化するといったように自動車を不便にする施策がなければ、いくら公共交通の利便性を向上させても効果は少なくなってしまうと思う。つまり、パッケージ的な施策が重要だと思う。これは大阪についての場合だが、広島ではどうすればよいか。
  授業で出てきた運輸連合をつくるのは当然重要だと思うし、それでうまくいくかもしれない。しかし、私のイメージでは、公共交通(路線バス、路面電車)は自転車や自動車より遅いということが最もネックである。私の実家、金沢では、路線バスが発達していますが、ほとんどの路線では自転車で行ったほうが早い場合が多い。雪が降れば、歩いて行ったほうが早い場合すらある。(実際に冬の高校通学は歩いて行った方が早かった) だからこそ、私は公共交通(路線バス、路面電車)に迅速性を求めたい。たとえば、路面電車や路線バスに極端なPTPSを導入し、「路面電車が止まるのは駅だけ」「信号には止まらない路面電車」を実現できればと思う。それも時間指定(7:00-10:00、17:00-19:00など)で行えば、通勤以外の自動車交通には負担はかからない。 私は広島には1,2回しか行ったことはないが、地方都市内の公共交通ではPTPSは非常に有効な施策であると思う。

PTPS=バスレーンの確保、バス優先信号制御などを実施することにより、バスなどの大量公共輸送機関の優先通行を確保するシステム。Public Transportation Priority Systems

実は私は、あまりPTPSを信用していなかった。バスレーンに入ってくる自動車や、信号規制もたいした効果があがっていない事例を見聞きしていたからだ。しかし、それは中途半端なPTPS、意味のないバス優先レーンなどで誤魔化しているからだとわかった。極端なPTPS、素晴らしい発想、眼が覚める思いがした。広島の事業者・行政のみなさん、やりましょう。この若者の感覚に学びましょう。
 それにしても、この受講生の説得力は嬉しくなった。こういう青年は採ってほしいなあ。

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2010年1月25日 (月)

努力する環境運動から語り合う環境活動へ

地域環境活動の可能性について、某消費財メーカーと語り合う機会があった。某社顧客アンケートによれば、50%は環境に関心が無く、10%はガリガリの環境主義。20%は環境に関心が強くときどき行動するタイプ。20%は坂本龍一のようにファッションとしてのエコ。ガリガリのなかには、人間がいなくなればエコにOKとか、エコのためには経済低減あり、60年代以前の暮らしに戻れなんていう人がいる。
 しかし、ecologyやeconomyのecoとはギリシャ語のoicos、地域や人々の結びつきのこと。nomy⇒nomosは法則、学問、地域や人々の結びつきの案配・やりくりのこと。これに対してecologyは家計のあるべき方向の言葉と考られる。あるべき方向と、やりくりの間での葛藤・議論こそ重要。鷲田総長は、「こうあるべきだ」という単純な環境論は信用できないといわれます(第2回阪大懐徳堂シンポ)。地球環境温暖化も本当にCO2が原因かは、ICPP(intergovernmental panel on climate change)第4次報告でも90%の確度としか表現できません。CO2原因論は根拠が無いとか、CO2が問題やからランプで暮らすとか、極端な話は怪しい。
 そうではなく、みなで議論し考え、そうして行動することが求められるのではなかろうか。そういう意味では、関西のコミュニケーションから、新しい環境運動がおきるのかもしれない。キャップ&トレードなんか、ホンマやろうかと思う。きりきりやって、みんなやる気になるやろうか?
 関西人のコミュニケーションから、新しい民生部門の低炭素化実践運動が起きるかもしれない。関西人よ、語れ!環境を

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2010年1月24日 (日)

くるくるバス5周年と震災15周年写真展

バスの通わぬ見捨てられたオールドニュータウンに、住民協働でくるくるバスが開通して5年たった。くるくるバスを守る会主催の祝賀会に招待された。この不況でも乗降客数はほとんど減少せず、八百数十人を確保している(採算ライン700人/日?、当初予想ライン500人)。実証実験前に活動したCS神戸代表も来られていた。市役所企画調整局と区役所、交通局、運輸局、国道事務所、警察との調整、停留所新設にむけガードレールを切るため建設局と調整をしてくれた当時の担当者もかけつけてくれた。なつかしい記憶、当時の皆さんの努力を思い起こしつつ、ご挨拶を申し上げた。
 祝賀会の後、神戸市役所ギャラリーで、消防局保管の震災写真展を見学に出かけた。大火が迫る中、瓦礫にうずもれた妻との会話、亡くなった子どもへの思い、当時の手紙を読んだり、写真を見た。なかでも、火事の後の瓦礫の向こうに、一人歩く男性の姿がある写真が心を引いた。あの男性こそは当時の私ではないか。郊外の自宅から単線の地下鉄で板宿へ行き、街を彷徨したことを思い出した。瓦礫のなかで出会った市民やプランナーと、まちづくりを語り合った日々が瞼に思い起こされる。
 神戸市環境実行計画も複数の交通まちづくりに多忙な毎日で、震災記念の行事やシンポジュームにはあまり関心がないが、23日だけは立ち止まって、今ある私の足元をみつめなおすこになった。
 文系の私が、なぜまちづくり、コミュニティに関わったのか?交通まちづくりで何がしたいのか?もう一度、考え直す機会となった。

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2010年1月22日 (金)

日本の魅力=小さな旅館

仕事で山口によく行くが、湯田温泉の中原中也記念館の近くにお多福という「しっとりとした木造旅館」がある。小さな内庭があり、こざっぱりして清潔で、糊のはったユカタと丹前があって、何より案内、お辞儀など物腰自体が流れるように美しい。朝食が贅沢ではないけれど美味しい。ほうれん草のおひたし、きんぴら牛蒡、鮭に海苔、煮ぬき卵、烏賊さしみ、味噌汁・・・、特別ではないが、これが日本だと思える美しい食事。
 列車内で出会ったオランダ人を連れていったら、物凄く喜んでくれた。一方で、私には縁のなさそうな有名な京都の和風旅館があるが、泊まった人に聞くと、普通の旅館だったそうだ。
 この普通こそが難しい。出張には普通の旅館を探して泊まりたい。東京では北千住の舞鶴旅館が良い。昔、駅前には寅さんが酒をチビチビやったような旅館があった。こうした日本の旅館文化を残したい。外国人旅行客の中には、わざわざ旅館を探して泊まるという。
 山口の駅前を市役所方面に歩くと、蛍の飛び交う川を渡る。その橋の右角に、「たぬき」という和風喫茶がある。大内塗りの椀で、宇治ぜんざいでも食べてみるのも楽しい。流石、山口と思わせる店。ここから川沿いを歩いて五重塔、大内地区まで10分、西の京といわれる風情がある。
 各地の国立大学は、地方観光地の和風美を表現する旅館や和風喫茶などを発掘し、案内地図を英語・中文・韓語で表示し、旅館には多言語の説明書、案内掲示を配り歩いてはどうか。その情報をホームページで示してはどうか。研究を、地域に生かしてこそ国立大学ではないか。自治体は、大学とうまく連携することが重要だし、国の観光政策には、地方の国立大学をもっと活用する戦略が必要ではないか。

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2010年1月20日 (水)

運輸連合コーディネータのコミュニケーション力

コミュニケーションとは、異なる立場の者が相互理解して馴れ合いになることではなく、異なること違いを認識し、異なるからこそ、どうやったら協力して持続的地域幸福が実現できるのかを考えること。
コーディネータは舌を3枚持ち、場面場面で柔軟に対処せよ。
①交通事業者社員は、目先利益で動きたくなる。時代変化に対する運営・経営対応ができず自信を失いつつあり、既存の路線やバス停の権利を守りたくなる。しかし、地域に貢献したいという真面目な思いと、運行に関するプロとしての自尊心は強い。
⇒相手の立場は理解しつつ、市民協働の動向をお知らせし「悪者にはなりたくない。協力せな仕方ない」と覚悟してもらう。社会実験で利用者増加を実現し、成功体験を共有する。
②一部の行政職員、運輸局職員は、市民のために何かしたいと思いつつ、何もしないで失敗しないことを求める、困難から眼を避ける傾向もある。
⇒相手を信じ、できることをやってもらう。その事業に関われば手柄になることを示す。それでも動かねば、市民協働の動きを知らせ、抵抗をあきらめてもらう。県庁や政令指定都市など大きな組織では、それでも動かない職員がいるが、捨て置き別な事業を動かす。
③大きな論評はするが、要求のみで何もしない無責任市民。現場実践が苦手で、口先ばかり、マニアのNPO。
⇒上記の否定面ではなく、問題関心があり、熱心な人々と理解し、その知恵を集める場:プラットフォームを作る。その上で責任をシェアし、代表者が出てくるのを待つ。一方で、その成果を全居住者に紙媒体等ででフィードバックして、理解の裾野を広げる。さらには、株主、出資者、ボランティア車掌など、多様な参加を工夫する。市民には住民協働と励ましつつ、仕掛けと工程表はしっかり決め込み、役人と交通事業者を叱咤激励する。

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2010年1月19日 (火)

【院:交通まちコミ授業報告】

新しい公共、地域経営体としての交通連合について議論した。
 学生指摘の難点は、
◆リーダシップをもってコディネートできる人材がいますか、探せますか?
◆そもそも、バスや路面電車は遅そう(ダサい)、それで通勤するなんて考えられない
 人材は、すすめていくなかで出てくるかもしれないが、バス・路面電車はダサい、時代遅れのそんなもんで通勤できるかと、率直にいわれると辛い。東京以外で、電車・バスで通勤なんか考えられない。公共交通インフラのほとんどない地方出身の学生は、そう感じるのであろう。
 若者の厳しい声を前に、交通連合は、思い切った新商品を出さねばならない。
・ICカードなら、郊外から市内交通乗換え無料は必須
・土日祝日、定期・普通券大人1人につき、子ども2人まで無料。神戸市営地下鉄がはじめたエコファミリー制度は必然。(事業者は、減収を警戒したが、結果、利用者が増え、増収)
・大学院生・大学生・高校生・中学生は都市圏はすべて半額。

公共交通はダサい、家族ならクルマと思い込んでいる若者、それが結婚したファミリー世帯を、公共交通に向かわせるには、上記のようなびっくりするサービスを提供し、
 通勤時の徹底的なクルマ抑制を実施し、役所駐車場の有料化、駐車違反の取締り強化
 自治体広報紙で、お試し無料切符も含め、ガンガン宣伝する。

このくらいやりきってこその運輸連合である。自治体でけだと震える。事業者だけでもできない。市民も巻き込み、みんなで押し切り、新商品を提出する。

※箕面キャンパス(バス230円)⇒箕面駅(阪急260円)⇒梅田駅(バス200円)⇒中之島センター を
120円+130円+0円=250円 M君、これならバス・電車に乗ってくれるカナ?それでも、バイクで来るかな?

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2010年1月18日 (月)

運輸連合の個別対策対処

Cocolog_oekaki_2010_01_17_11_08 以下は、まったく架空の話?
①町の端のA地区にコミバス要望がある。途中に工場跡地を使った8000人の大団地が丘にあって駅まで徒歩15分。右折禁止で通過交通が入らず、バス回転地もない。B交通は入れたいが、通過交通反対・クルマ中心住民の反対を恐れる。B交通が、団地下とA地区入口を通って隣町まで、旧道を4本/日走っている(灰色)のでAへのコミバスは通せない。
⇒地域公共交通会議で課題を設定⇒町の交通を考える会(自治会役員+NPO+公募)でとりあげる。役所とB交通協働提案(60便/日:B交通で団地周回⇔駅)+(6便/A村、団地経由)を検討(柿色)、停留所は皆でB交通バスを仕立てて現地視察、自治会交渉で決定。
⇒予算0円。B交通独自路線・A地区乗り入れ赤字分は、団地売り上げで相殺。
②駅から町の東端のC地区にコミバスが行っているが、横長のループになっている(灰色)。C地区の横には、隣町の北隣駅があり駅舎が見えているのにコミバスはD地区を通り駅に戻っていく。
⇒北隣駅へ、C経由(緑)、D経由(青)で二分して走らす。遅れが出ず信頼性向上。
 ある程度採算がとれているので、タクシー会社も含めて民間にコンペ⇒予算0円
③市民議論、ビジョンに従い市は計画し、運営は行政がサポートした市民協働により事業者がおこない、運行は事業者が責任を負う。
 従来の市直営コミバスが100円なのに対して、B交通は160円。赤字は当然。どうすれば良いか?
⇒市が市民と協働し運営をマネージメント。①②のときに、一気に160円とする。ICカード利用になっているから、運賃支払い時の混乱は100円にせずとも起きない。一部、高齢者の負担を心配する党もあろうが、60円の負担より、インフラの持続性、インフラの利便向上、協働的福祉創造の時代だ。ばらまき福祉の概念しかない政治屋にはトニー・ブレア『第3の道』をよく勉強していただく。
※一部議員から、オレのバス会社をコミバスに使えとしつこい要求がある場合もある。料金共通化のときにICカード化が前提であるので、民鉄バス協のICカードに加入できない特殊事業者は入れないと、いなしておく。
④南端の人口300人のE村は、回転地も提供してコミバスを誘致した。議員圧力路線。が、途中のD団地以外からは乗らず、赤字が交通計画全体を圧迫している。
⇒課題を地域公共交通会議に上程し、考える会でとりあげ、考える会D団地E地区部会で赤字を共通課題として意識化する。6ヶ月の乗車運動の効果を見ることとする。努力してもらう。それでもダメなら土日運行休止。もっとだめなら、全面運行休止で乗合デマンドタクシー化を提案。経費を落とす。
⇒理由:皆の移動を持続的に担保したい。特定の地域が全体の計画の持続性を阻害するのであれば、非効率路線の住民は真剣に効率化を考えねばならない。
⑤通過交通が多く、渋滞が常時発生してコミュニティ交通が遅れて信頼を得られない。
⇒市役所そのものが職員モビリティマネージメントを実施、駅までの徒歩通勤、バス通勤を推進する。役所の駐車場を通勤有料とする。事後、他の市内企業にもエコ通勤の協力を呼びかける。協力した企業名を広報紙で広報する(協力しない企業を恥ずかしく思わせる)。その上で市民も駐車場有料とする。一方で、バスで来た市民には、帰り無料チケットを手渡す。
⑥議会から自転車を推進しろという声が強い。
⇒流行で施策をやってはいけない。本市の道路インフラ、地形起伏の状況、自転車道推進のコストと時間見通しを示し、考える会で議論してもらうとよい。議員さんもオブザーバーとして招待すれば良い。関心のある議員は来て市民議論を参考にするはずだ(来ない議員の横槍には、市民議論をご披露すれば良い)
 地域公共交通会議で、地域事情を考慮して自転車をはずして、徒歩>バス・自転車>クルマと規定。自転車は、河川堤防・湖畔など特定の整備が可能。

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2010年1月17日 (日)

運輸連合の戦術(バス路線統合と結節点整備)

  大都市のAターミナルにB駅を経て行くのは、E団地を押さえている紫バス。F-Jと生真面目に田舎を回る赤交通。赤と資本関係にありKLを押させる緑バス。このライバル青運輸。
 A都市圏は人口のわりに鉄道インフラがなく、バス需要が多く、バス王国と呼ばれているが、ラッシュ時C~D間は渋滞。A~C間は一般車も混じり停滞状況。B~C間は昼間も渋滞が発生している。
 バスは途中で客を拾うため先頭のバスはスシヅメで遅れ、後のバスが全員着席で続く。ダンゴ運転。ダンゴでダイヤが信用できず、座れないE団地の住民が、バスを嫌いクルマ通勤するからさらに渋滞。乗客はこりごりとB駅でほとんど降りてしまう。ラッシュ時のB-Aターミナル間は空のバスが列をなしている。
 クルマ社会だからバスが儲からないのではなく、バスが不便で、無駄なダンゴや空バスを運行しているからコストがかかるだけである。
 長い路線なので、渋滞でバス20分遅れは当たり前となり、バイク路側・反対側通行による事故が絶えない。道路幅を拡幅しようとするが困難。郊外のD-K間をようやく一車線拡幅したが、そうすると一車線分のクルマが増えてB-D間の渋滞に拍車をかけた。Cocolog_oekaki_2010_01_17_04_43_4
 これをピンク交通連合とし、A市がD、K、Lターミナルを整備し、B-D間の通過フィーダーバスを整理するだけで、渋滞は無くなる。AーB間の空バスもなくし、余裕ができた人員と車両を、D-E間、Fフィーダ、G-K間、LーJの増強に割り当て、時間を正確にし、対面乗換えにすれば、クルマからバスへの転換がすすむ。
 これまでの路線維持コストと収入を案配して、増収分を各社に割り振れば問題はない。
 ダンゴ運転もなくなり便利になったことを、行政と協働して広報。行政は温暖化対策になり、道路予算に苦慮する必要もなくなる。
 バス会社は、クルマ依存の激しいJ団地路線を、増便・正確ダイヤとし、一気に公共交通転換することを意図する。

乗換えは面倒だという声があるが、バス停で長時間立たすことこそ問題。渋滞の間、車内で立たすことこそ問題。ターミナルで対面乗換えでき、接続時刻が守られ、乗換え料金が不要なら、待合場所が綺麗でエアコン、バス接近情報、コンビニでもあれば、時刻不正確、少ない便数のバスより、利用者を増やすことは間違いない。乗換えは習慣の問題であって、東京の中央線快速・総武線、御茶ノ水乗換えを誰も文句言わない。そもそもB駅で市内電車に接続し、その料金を割引できればますます利用者は増える。

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【1月18日25日授業連絡】

【院交通まちコミ】18日、「新しい公共」「社会的共通資本」「自動車の社会的費用」「暗黙知」+これまでの授業内容+ゲストのお話 を振返り、この授業で何を学んだか?考えて来てください。事前にブログ内を見、少し本を読んでいれば考え、メモがあると喋りやすいですよね。18日の議論で、読んだほうが良い本を手分けし、25日分担して報告し、総括とする。
 学部ゼミは、18日総括し、演習も含め今後の展開を考える。

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2010年1月14日 (木)

交通連合の戦術(格安プチレンタカー)

90年代前半までは、確かにクルマは強かった。猫も杓子もクルマだった。今は、若者のクルマ離れ、クルマコストの低減が始まっている。格安プチレンタカーもどんどん拡がっている。自宅からシャトルバスで、いつでも駅に出れ、近くにプチレンタカーがあれば、クルマなんて持つ必要がない。
 私の場合、自宅から徒歩6分で阪急西宮北口駅。三宮へ13分、梅田へ2分。特急が毎時10分間隔。豊中市の大学周辺でクルマが必要、夕方大阪市内という場合、ニコニコレンタカーのHPで調べてみると、阪急南方駅近くのJOMOガソリンスタンドに支店がある。9時に電話すると、3時間前の予約ならOKという。そこを曲げて御願いすると、現場と交渉していただいたようで、11時OK。簡単な手続きで、小型車6時間が2100円保険込み。一回りして、新御堂筋から南下、新大阪駅をすぎると南方。ガソリンスタンドでクルマを返却。地下鉄南方駅から淀屋橋駅へ向かう。
 高速道路1000円を聞くと、里帰りはクルマを使いたいのは人情。近くのマツダレンタカーが安い。高齢者を乗せるには、クルマは便利。大型車を三日借りて、4万円くらいだったような。ただ、国道沿いのレンタカー屋まで自転車で行かねばならんのが不便。
 それでも長距離のクルマはしんどい。先日は家族でJRのこだま指定席往復切符を使った。とても安くて楽。里帰りだけだったらこだま指定席切符と思っていたら、これにも2000/日のレンタカーがついている。
 もし、駅や市街地に大型から小型までそろった格安プチレンタカーがあれば、駅に24時間格安の駐車場があれば、カーシェアリングとかパークアンドライドなんて施策にこだわる必要はない。
 必要なのは、どんな街にしたいのか。方向を住民とともに決め、人口や高齢化、地形や位置、医療や購買の状況に応じて、適切便利な移動手段を複数手段を用意することである。駅前に無料駐車場を作り、それだけで良いのかいろいろな居住者の意見をいれてビジョンをきめ移動のデザインを描く必要がある。
 それなしに、自治体職員が目先にはしり、コミバスだとか、パークアンドライドとかカーシェアとかMMとか、少ない予算で言葉ばかり先行させるからうまくいかない。
 個々の地域に最適な移動手段は何か?レンタカーや駐車場も含め、民間活用を視野にデザインを描くのが運輸連合である。これは自治体の中では難しいのかもしれない。

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2010年1月13日 (水)

運輸連合の戦術(共通情報提示)

情報共有化の第二戦術は、携帯・PC・まちかど案内板による共通情報提示システムである。
 神戸三宮のバス停には1998年、明石海峡大橋供用以後、60以上のバス会社がひしめき、高松行乗り場が4つもあって混乱していた。バス停は各社の利権であり、共通化は難しい。後発事業者は、駅前の隅の放置自転車の横から乗り降りする。利用者は、駅前を左右に戸惑い、乗り遅れ、困り果て、神戸市インフォメーションセンターには、苦情が殺到していた。
 こうしたなか、近畿運輸局、神戸市の努力で、三ノ宮駅周辺円滑化会議が設けられ、事業者、行政、市民、NPOが語りあうなかで、共通バス情報提供のサイトや、バス乗り場地図が運営されるようになった。⇒乗り場インフォ三宮
 こうしたなか、新しくできた三宮バスターミナルでは、(独立系事業者、フェリー連絡バスを除いて)JRバスと神姫バスが自主的に、高松行を路線統一した。乗り場は1つに統一された。
 情報の共通化は、エンドユーザー本位を促し、交通事業の連携後押しした。三宮では情報提示の有利性を知ったすべてのバス事業者が情報を迅速に提示し、サイトの運営協力をしている。運輸連合にはいたっていないが、その魁となっている。バス乗り場地図は、駅構内やバス停、通行人から尋ねられて困っているJTB、郵便局、チケットショップに掲示されている。
 将来的には、携帯情報サービス、交通・観光情報センターを作り運営し、街角案内人を配置することが期待されるが、そのためには運営主体の経営をどうするかが問われる。運輸連合の必要性はここにもあるのだ。
 必要であれば、全国的な交通情報提示会社とのビジネス連携も視野に入れる必要があろう。

 

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2010年1月12日 (火)

運輸連合の戦術(ターミナル整備)

今後の社会構築における構成要素は、情報、エネルギー、そして交通である。これらは、ネットワーク系であり、その結節点の整備、コントロール、広義のスマートグリッドが重要である。
 大きな話では、北陸新幹線新高岡駅に、万葉線電車を城端線に乗り入れ、市街地の衰退を防ごうという市民提案がある。素晴らしい提案であるが、インフラの整備には一定の予算が必要となり、合意形成に課題が残る。
 中程度の話としては、高速道路のバスストップを、鉄道の駅に結びつけ、エレベーターなどを整備する方法がある。四国方面のバスが通過する高速舞子バス停は、JR舞子駅、山陽舞子駅とエレベーターで接続している。明石海峡大橋の橋梁基部であり、高速道路が高い位置にあるからだ。JR・山陽電車も快速・特急を停めたので便利、利用者が多い。また、四国の高速道路インターのバス停に、駐車場を設けてパーク&ライドを民間事業者や自治体がすすめている。
 もう少し小規模、すぐできるものとしては、現状で結節している名神深草バス停と京阪藤森駅の情報をより便利にする方法。現状でも、大阪から東に向かう高速バスは、京都駅に寄らないものも多い。それらは深草バス停に停まるので利用者が多い。ところが、名神深草には、京阪藤森駅で連絡しており、京阪深草駅では接続していない。JR藤森駅もあるが、まったく別のところ。しかも、京阪だから、京都駅にはどういったら良いかわからない。嵐山へどう行ったらよいかわからない。定期観光バスがどこから出ているのかわからない。
 観光京都の運輸連合は、事業者が協力して、
①名神深草バス停を「名神京都深草バス停」と名称変更する
②京阪藤森駅を「名神深草」、深草駅を「深草龍谷大学」と名称変更する
 (この費用くらいは、龍谷大学がCSRとして負担すべきだろう)
③深草バス停に「京都駅へは京阪東福寺でJRに乗換え」「定期観光バスは京阪三条駅から」「奈良へは大阪方面、丹波橋駅で近鉄乗換え」「嵐山へは、京阪三条から地下鉄天神川経由嵐電嵐山へ渋滞知らず」と地図付で掲示し、その内容をバス各社に通知。バス各社は、その内容をホームページに反映させる。
④京阪電車・名神高速バスの連絡早見表をつくり、京阪四条祇園駅、三条駅に掲示する。
 以上、ほとんど予算不要、事業者の知恵と協働で可能。
ここまでくれば、行政は京阪電車「名神深草駅」と「名神京都深草バス停を結びつけるエレベーターを整備するだけだろう。
 連携でソフトを整備し、その方向でハードを整備する。ハードを先にしようとするから、動けないし、整備しても活用できない。

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2010年1月10日 (日)

もったいない宣言の実質化を求める

U市では、第2回もったいない全国大会を行い、市民にもったいない宣言を求めている。
1 ものは無駄遣いせず,食べ物は残さないように計画的に購入します
2 シャンプーや洗剤などは,詰め替え可能な商品を購入します
3 ごみを減らすため,資源物のリサイクルに積極的に努めます
4 買い物にはマイバッグを持参し,過剰包装は断ります
5 冷暖房の温度設定は,夏は28℃,冬は20℃を目安にします
6 歯みがきやシャワーのときなど,水の出しっぱなしをやめます
7 駐停車中は,車のエンジンを切ります
これでは国防婦人会の「欲しがりません勝つまでは」と同じ。ゴミ減量と温暖化防止というが、この中身では市民は宣言と温暖化防止の到達目標が見えず(その報告も見当たらず)効果的施策とはいえない。
 この点A市のもったいない宣言は
マイカー利用1割抑制    144kg
マイバック        72kg
省エネ照明        36kg
エアコン1℃節約     30kg
プラズマTV1時間抑制   27kg
分別リサイクル      18kg
冷蔵庫内整理       16kg
ブラウン管TV1時間抑制 11kg
詰め替え簡易包装商品の積極購入 10kg
等12項目あり、年間削減CO2量が明示され、HPにCO2削減量総量とゴミ削減総量が表示されている。
 しかし、ではそのCO2削減量はどのような家族世帯を対象にしているのかがわからない。そこで宣言のFAX提出先のA市エコセンターに電話で尋ねたが要領を得ない。
 そもそもCO2削減を考えるには、現状のCO2量を測定し、エコ宣言して1年間減らし、結果をみなければならない。民生部門のCO2は、ゴミ総量+電気・ガス・水道総量+自家用車+石油消費量で計測する。電気使用量×0.358㎏/CO2・年:ガス使用量×2.083㎏/CO2・年で計算する。A市の計算で考えるとマイカー1台やめると1440kg削減
マイカー利用1割削減  144kg
エコカーにする(燃費7.5割)   1080kg
マイカー通勤をやめる20日/30日 960㎏
マイカーをもたず、プチレンタカーにする 1296㎏
 ×台数 となる。数字を見れば瞭然。マイカーこそ民生部門最大のCO2対象なのに、それを除いてごみ減量でCO2削減というのは無理がある。U市の駐車場でエンジンを切りましょうなんて宣言では、CO2削減は難しい。本当は、マイカー(台数分)を含めて、電気・ガス・水道・ゴミ総量量で計測し、減量の目安としての12項目がある。こうして計測し、1年後を再度フィードバックして減量値を聞き出し総量計算するのが協働型環境運動ではなかろうか。

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太陽光発電とまちづくり

米国シリコンバレーでは、この不況で一気にグリーンビジネスが加速している。サンタクララ郡交通局の車庫に、地元の会社:スカイラインがソーラーを設置し、役所にオフィスビル一棟分の売電をしようとしている。山梨県北杜市では休耕田にソーラーを設置(補助金が大きそう?)している。自治体の不動産や消費のスケールメリットを使う手がある。そこで思いついた。
某自治体では、小学校も含めて、すべての事業について簡易な環境マネージメントを行い、省エネを推進しており、達成できなければ予算削減されるという。ならば、すべての事業において、自然エネルギー組み込みを努力義務とし、予算査定に反映させる。その上で予算化された自然エネルギー施設予算を集約し、巨大な太陽光発電設備需要をつくり、ソーラーパネル会社に入札をかける。条件は、一括購入する太陽光施設と同量以上の太陽光発電設備を、自治体施設に無償で設置すること。その環境価値を販売し、基金に組み込む。自治体所有のクルマは、一気に電気自動車にするのは困難。このグリーン電力証書を買って貢献する。これに、政府の低炭素補助を組み合わせれば、受注した特定企業にとっては大きな実験場になるし、自治体にとっては自然エネルギーを活かした特色あるまちづくりになる。
 関心のある企業は、ぜひご一報いただきたい。意見交換したい。

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21世紀の森づくり

環境政策におけるCO2削減数値目標について、幸か不幸か、不景気になり達成が見えてきた自治体がある。環境マネージメントの成果や太陽光などのグリーン電力を地域で集約して環境市場のトレードにのせる動きもある。しかし、家庭のCO2削減努力は、一般化、市場化は難しい。そもそも、市民みんなが、「そんなエコな町やったらなあ」という、削減目標到達によるビジョンが描けない。
 9月14日には「大切なのは達成数値だけではなく、持続型都市の包括的ビジョンであり、それに至るプロセスである」と書いたことを思い出した。そこで提案。
 すべての年間CO2排出量を、kgやtで計算しない。150cmの楠(年間493.13kg)として[環境家計簿]、本数で出してみればどうか。ちなみに、分別リサイクルで18kg、自動車1割抑制で144kg、自動車を持たないと1440kg。自動車を持たないと、楠3本プレゼントしたことになる。
⇒が、よく考えてみると理念的か。やはり、お金、円で数値化が必要か?
 市民参加の環境都市政策では、地域で排出削減効果が見えるようにすることが重要。
 まち全体としては、楠やCO2tかもしれないが、個人としては、円換算か。
 そもそも環境政策は、CO2削減だけではない。生物多様性、物質循環、CO2削減と3つある。この3つが、地域内でどのように取り組まれているのか、どうしたいと市民が思っているのか、まずは現場で伺って、ビジョンを考えることが重要ではないか。地域政策は、数値だけでは難しい。人の心が動かねば、成果が見えない。
 でも、円換算の数値がないと個人行動に結びつかない。
難しい。

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2010年1月 8日 (金)

運輸連合の戦術(ICカード)

九州は凄か!
JR九州のICカードSUGOCAと西鉄のnimoca、福岡市地下鉄のはやかけんとが共通化するという。2010年にはJR東日本と共通化、2011年九州新幹線全通の折には、JR西日本、東海と、電子マネーの相互利用も含めて共通化をめざしている。
 首都圏では、JR東日本のSuicaと民鉄バスも含めたパスモのどりらもが相互利用となっている。Suicaが3001万枚、パスモが1000万枚。関西はJR西日本のICOCAが502万枚、民鉄バスのPiTaPaが90万枚。SUGOCAは14万枚。ユーザーが少なければ、簡便なカードにならざるを得ない。
2008年から始まった広島都市圏では、ICOCAは電車・バス・アストラムに乗れるが、バス・電車共通カードPASPYではJRに乗れない。片側共通化になっている。スケールメリットもあって、ICOCAはセキュリティが高い作りになっている。これは辛い。
 民鉄、バス会社の強みは、居住地、職場、盛り場など、エンドユーザーに近い場所で活用されていることである。それだけに、地方では門から門までのマイカー通勤には劣勢である。JRは中遠距離に強く、マイカー通勤にも耐性があるが、高速道路に弱い。
 こう考えると、高速バス、路線バス、路面電車、アストラム共通のPASPYは、乗換え無料などICカードによる飛躍的なサービスを付加する必要がある。居住地の路線バス無料、職場までの路面電車無料を組み合わせ、高速バスでJRや高速道路通勤から客を奪い取る気概が必要だ。
 乗換え20円割引くらいのことでは、新商品のインパクトはない。客離れの激しいスーパーほど、客の顔色を見ながらだらだらと価格を下げる。そうではなくて、100円豚肉と、高級イベリコ豚350円を並べることが重要だ。きちっと乗換え無料という新商品を打ち出し、クルマ通勤から客を引き剥がしてくる覚悟が必要だ。
 こういう大胆な攻めをする運輸連合に、公金を投入し、そのリスクを負担・担保して支援するのは、当然ではないか。
 高速バスの収益で、赤字バス路線を維持しようと地方のバス会社が努力している今日、国が高速道路を無料化するなら、都市圏のバスや電車は半額にするくらいの補助を運輸連合に投入しなければ、公平性に欠ける。
 もし、高速道路無料化を北海道だけに限定するとしても、乗換え無料のゾーン運賃制度に挑戦する地方の運輸連合があるなら、そのリスク負担を支援するのは、必然である。

民主党国交省政務三役に伺いたい。人を大切にしたいのか、コンクリートの上をぶっ放すクルマを大切にしたいのか。コンクリート上のクルマではなく、生活が大事、人が大切だったのではないか。高速道路を無料化すればCO2が25%削減できるのか?小学生でもわかる詭弁はみっともない。
 過てば改めるにはばかる事なかれ。人と暮らしに支援する運輸行政をすすめよ。

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運輸連合の戦術(ノーマイカーデー)

自治体の交通政策には戦略・戦術のないものが少なくない。
 「毎月20日はノーマイカーデー」
なめとんか!クルマが便利やからクルマ買ったんや。電車乗ったらお金が要る。バスで立ったまま渋滞はしんどい。クルマやったら髭それるし、おにぎりも食べられ、ニュースも聞ける。ノーマイカーデーなんか意味ないことは、ノーマイカーデーの垂れ幕をしている役所の駐車場が、職員通勤で渋滞していることが証明している。ノーマイカーデー限定の安い地下鉄一日券は、早朝から高齢者が買い求め、通勤に使おうとしたら売り切れていたりする。
 こんなことを言うと、自治体職員から嫌われる。
「私らも0円予算のなか、がんばってるんです」という。予算がないから、交通事業者に協力金を求め、ノーマイカーデーのポスターやステッカーを作り配布しているという。
 違う。そんな戦術の無い、あんたの給料が無駄予算!
 某市では、毎月末金曜を「職場コミュニケーションデー」として、公共交通通勤を奨励したところ大好評。市役所の前は通勤渋滞がなくなり率先環境重視の姿勢が市民に評価され、職員は給料日後の花金曜日に、皆で呑みにケーション。盛り場は繁盛し、タクシーは儲かる。バス会社も増発して儲かる。
 実は、飲酒運転、酒気帯び規定が強化され、地方の繁華街は火の消えたようになっていた。夜まで呑んでいると、運転代行で帰っても翌朝の通勤が酒気帯びになる。とくに公務員の酒気帯びは厳禁である。職場の呑みニュケーションの機会は激減し、人間関係がギスギスする。
 「職場コミュニケーションデー」は0予算でできる。呑み屋は喜んでポスターを貼ってくれ、タクシー会社や駅は喜んでチラシを撒いてくれ、バス会社も協力してくれる。ポスターやチラシくらい自分で作って印刷しろ。
 事業は予算の有無ではなく、戦術の有無が重要である。
 とはいえ、自治体縦割りのなかで、予算0円を言い渡されては、戦略を考える気力もう起きないのだろう。同情するが、同情するなら職員を運輸連合に派遣しろ。皆で戦略・戦術を考えれば、突如、素晴らしい意見を出すかもしれない。人間活用の意味でも、運輸連合は必要だ。

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2010年1月 7日 (木)

運輸連合の戦略

運輸連合は、地域のビジョンを明確にした上で、どのような戦略を描くべきか?
 乗換え無料、一定地域ごとの統一運賃=ゾーン制? いや重複バス路線の整理統合? ターミナルの整備? いや、LRT整備か?
 それらは手段・戦術。戦略無しに、新交通というモノをめざし、道路特定財源というセイドを活用して、国庫というカネを導入、モノ、カネ、セイドありきが、役に立たない新交通、無人走行なのに夜は早く終わるちっとも新しくない新交通を作ってしまった。
 都市圏交通計画における戦略とは、究極、情報の整備である。
 地方交通の中心はバスである。バスはインフラ整備が少なくて、中規模輸送が可能なモードである。鉄道は、巨大な投資を回収できないから、走らせてダメだったら撤退とはいかない。自転車も、自転車道の整備、サイクリングターミナルの整備など、無戦略にはできない。
 ところがバスは、走らせてダメならやめりゃ良い。こうして、各社競って、どこを走っているかわかる人にしかわからないバスが走り、都心では空バスが渋滞する。バスは情報が一番重要なモードなのだ。
 公共交通とは、異なる動きをする人間を支えるネットワークである。バス路線(線)を明示して、乗換え結節点(点)を料金面・移動面から円滑にする(乗換無料、バス・電車対面乗り換え)ことが重要なのだ。だから、その情報を共有化し、飛躍的に分かりやすく提示し、お徳感覚を明示することが重要なのだ。こうして、家からの第一歩がクルマでないことが、カッコよいようなライフスタイルを作ることが重要なのだ。⇒某市の環境実行計画で実行する
 情報の共有化の基本戦術は、共通ICカードである。一枚のICカードで駐車も駐輪もバスも電車も乗れれば、乗換無料化、ソーン運賃は簡単である。民鉄やバス会社こそ、民鉄統一カードがあれば有利で、JRカードなら割り引かないという手もある。地方では都心に入り込んでいるのは、バス・トラムを抱える民鉄なのだ。
 情報共有化の第二戦術は、携帯・PC・まちかど案内板による共通情報提示システムである。ICTの大規模な投資をしてもダイヤ情報が常時更新されねば意味が無い。交通情報センターというハコやタッチパネルというモノには補助がつくのに、情報の維持管理に補助カネがつかない。税金で作ったモノは、そもそも経営する気構えがないから、その管理を押し付けられた商店街や自治体は困る。共通情報をいかに商品価値のあるものし、ビジネスに結びつけるかが問われる。必要なら、ジョルダンやナビタイムなど情報会社と連携するビジネスセンスが、運輸連合に求められる。
 情報共有化の第三戦術は、バス路線の統合、ネットワークの明示である。地方都市では各社バラバラに都心にバスが入り、路線ごとの本数は少ないのに、都心では空バスがダンゴ運転になり、経営効率・サービス水準が低下している。幹線を5分間隔とし、結節点で支線から対面同時無料の乗換ができれば、それが早朝から深夜まであれば、誰も無理してクルマを持とうとしない。バスサービスの飛躍的向上、その情報の明示によって、人の移動をクルマから剥ぎ取ることである。交通行動の変容を促すことではない。情報とお徳感で、顧客を剥ぎ取る覚悟が重要だ。
 情報共有化の第四戦術は、広報紙による情報フィードバック。自治体広報誌に、バスのお試し半額券をつけるくらいの商売毛のある広報が重要である。

個々の戦術の具体は明日の朝、考える。

 

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2010年1月 6日 (水)

運輸連合の実際

運輸連合は、地域交通のサービスを格段に向上させる。小さな商店が並んだ田舎の駅前商店街に、シネマコンプレックスやスポーツジム、サッカースタジアムを併設した超大型ショッピングセンターを作り、商店街での購入を抑制(クルマ抑制)するようなもので、必ず飛躍的に儲かる。京丹後市では、市内上限運賃を一気に200円にしたところ、利用者が増え、行政補填が格段に少なくなったと聞いている。サービスの飛躍的向上は必ず儲かる。しかも、世の中はクルマ離れの時代である。公共交通が不便だから利用できないだけなのだ。

 その構成は、
◆企画マネージメント会議
 国、県、市、NPO、学識、企業の精鋭が、スパーバイザーの指導のもとに、ビジョン、ソフト(商品)、ハード(車両、ターミナルなど)の中短期戦略を決定する。交通事業者は入らない。総合ディレクター(常勤)を出す。
◆運営ディレクト会議
 国、県、市、NPO、学識、企業常勤出向の精鋭が運行を指示する。交通事業者は入らない。必要に応じてスパーバイザーの指導を受ける。
◆運行グループ
 交通事業者の実務部隊が常勤出向して、共同運行計画をつくり実行する。
※収入は、現状都市圏の交通直接収入比率を基礎に、年間収入を按分する。路線・維持費は現状の占有率を基礎に分担する。分担する路線は、運営会議の指示により現実的に配分する。
※路線の統一、ICカード活用による乗換え無料のソーン制、ICカードによるパーク&ライド、サイクル&ライド、必要に応じた格安プチレンタカーの導入によりクルマ無し世帯を作る。統一交通情報の運営・広告経営(PC・携帯)、統一バス・電車ヤード(乗換え移動円滑化)の計画・運営と広告経営
※沿線企業の協力義務を条例化(沿線価値に応じてクルマ抑制、運輸連合に出資、または停留所寄付・ベンチ寄付・広告義務化など
■評価・・・市民アンケートや交通調査をもとに、路線ごとの収益達成率を明示して、サービス向上を運行交通事業者に要請する。成績の悪い路線は、事業者のサービスレベルが低いのであるから、次回以降、コンペにかける。

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2010年1月 5日 (火)

事業仕分けを逆手にとって運輸連合・交通基本法

事業仕分けで、予算が飛んだ、子ども手当てで若い世代が楽になると良いなあと、騒ぐじゃないぜ。(どう政策を作るか)後の態度が大事だぜ(出典:水前寺清子の昭和演歌)。
 考えてみると、バリアフリー、過疎対策、交通安全、公害対策、踏み切り解消、低炭層化、地方赤字路線補助など、国の交通予算は個別の補助項目は多い(額は少ない)。なかには、必要性のないものも多く、地方で必要なコミバスやコミタクを実施するとき、いろいろかき集める。狭隘道路に高齢化が激しい武蔵野市が初めてのコミバス、ムーバスを始めるときも、公害対策や交通安全関連の補助メニューから、車両補助をかき集めたと聞いた。一方で、複数自治体に3本以上走る路線には補助がつくので、回送バスを不必要な地域に3本空バスで走らすという、補助目当て新路線もある。ダイヤや本数、地元ニーズとは無関係、ニーズを聞く気も無い路線も多い。
 この機会に、これら一切を見直し、必要のないものは改廃してはどうか。それで浮いた予算を、地方の運輸連合(事業者本位ではなく、利用者ニーズに合わせ、乗り換え無料のゾーン運賃、2捨3入(200円か250円)運賃、路線重複の整理、統一系統番号、統一交通情報提示、パーク&ライド、サイクル&ライド、ICカード、交通情報センター、クルマ抑制・自転車道・歩道も含めた交通計画、これら一切の総合交通政策を、地方の運輸連合に任せてはどうか。
 自治体も個別の補助をやめ、運輸連合に人や予算をつけ、交通事業者は、情報や人を差し出し、交通情報会社(ジョルダン、ナビタイム等)は人と知識を提供し、地元のNPOの協力を得る。運輸連合には市民出資を求め、その出資額に応じて国や自治体が出資金を出せば良い。
 今年度は、その骨格となる交通基本法を検討し、モデル運輸連合をいくつかの都市圏に作ってはどうか。
 つまり、運輸連合のない地域は、補助予算が原則なくなる。地域での交通計画の議論、協働の高まりがこの鍵となる。各地の交通計画では、運輸連合の話は出てはいるが、最終的には事業者任せになっている。これでは動けない。事業者はプロである。プロが「儲かる」と思えるような運輸連合のアイデアを、地方で出し合うモデル事業が欲しい。
 いっそ、暫定税率分の地方配分0.9兆円は、地方の運輸連合に寄こせ!

霞ヶ関の官僚さん、政治家さん、事業者や交通情報会社のみなさん、ひょっとすると駐輪場経営チェーン、格安プチレンタカーチェーン、駐車場チェーンその他の皆さん、一枚のりませんか。今年は一気に実現しそうです。上司に相談してみてください。お便りお待ちしております。
 

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2010年1月 3日 (日)

私の幸福とは何か

個人的な話。
2日、長田の復興市営住宅で一人で暮らす母のところへ家族で出かけた。
 実は、昨年、弟が50を越して結婚した。10歳離れたお嫁さんは明るく、粘り強く、竹を割ったような美人。残り福とはこのことかと思える幸運。80歳の母はご満悦である。
 震災の混乱もあって、まだらの混乱系の認知症がある母は、近隣の人に迷惑をかけ、団地の中でも孤立していた。それとなく、母を引き取ってくれとの電話もあった。が、生活環境を変えれば混乱に拍車がかかる。とはいえ、母はヘルパーの派遣を良しとせず、困っていた。干渉し過ぎるとトラブルを起こすし、勝手に怒って大騒動した挙句、本人はそれをケロッと忘れる。
 正月も、心をかけて長い時間滞在していると、家族全員に騒動をしかける。味覚も狂ってきたのであろう、お節料理もやたら甘い。昨年の正月、わが家族は短時間訪れて、逃げるようにして帰った。
 こういう母の場合、実子はどうしようもない。つれあいが、丁寧に電話し、「財布が無くなった」と言えば、仕事の合間に飛んでいった。そうこうする内、「あんたが隠した」となるから、あまり親切すぎず、かつ離れ過ぎず、注意を払って見守ってきた。
 ところが、今年は長時間の滞在でも何の混乱もない。驚くべきことに、お節料理が、とても旨い。薄味の上品な煮物は、母にこんな力があったのかと思えるほど旨い。
 弟の嫁さんは調理師さんである。どうも意識して作ったようだ。
 復興住宅の独居老人の部屋に、家族が集まりにぎやかに語らった。
「お母さん、ありがたいネ。幸福ってこういうもんだ」と語合った。母は混乱症を少し先に置いてきたようである。

春集い ボケ先送る 翁顔
 つくづく思った。人間の能力は周りの人間環境が反映される。異なる人、一人が入ることで能力が開発され、一言声かけするだけで力がみなぎる。だから社会や地域がある。
 おそらく、協働とは大きな家族である地域社会において、相互に声かけしあい支えあうプロセスで幸福を一瞬、一瞬、実現させることであろう。その評価は、異なるセクターも含めた出会いの議論のプラットフォームがあることであり、その動きを共有できるフィードバックがあることである。決して、協働作業におけるドーパミンの量を計っただけで、幸福が説明できるのではない。幸福は、協働によって持続が担保されるのである。

友人(と思っている)の藤井聡さんは「土木計画の目的は社会正義の実現である」と述べている。藤井さんはクルマに頼りすぎな社会を作るための、個々の人々の意識に問いかけるフィードバックのあるコミュニケーションプログラムを作った第一人者。これも尊敬するが、私は「インフラ構築の目的は、幸福の持続」であると確信した。
 母も私もいつ病気になるかわからない。病気の有無も重要な幸福ファクターであるが、どれでけではない。協働はそのプロセス自体が幸福であり、一瞬一瞬の幸福を連続していくことを、持続という。それを担保していくのは、多様な人々が出会う場・時間、そして相互の信頼を支える語合い・フィードバックであろう。

そういえば、末期ガン患者が最後にすがる玉川温泉(秋田県)も、人間の相互作用が、自然治癒力を高めていた。 「研究ノート 聞書き「玉川温泉生活誌」~末期がん患者の集まる温泉から~」

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2010年1月 2日 (土)

私は何のために生きているのか

昨年は論文も少なく、何をしてきたのか年末、考えてみた。
 都市の暮らし方を研究してきた私が、1995年、震災で突如、多様な仲間と出あい、現実の都市社会と対峙することになり、皆で支えあう社会構築に関わり、2004年から、人の移動をも含めたまちづくりに関わった。ここ2年はその講演で全国を回った。昨年は、私の小さな経験から考えたことを、国の政策に活かしていただく機会を多数得ることができた。
 政権も変わり、みんなでつくる公共、新しい公共が求められており、当面、小さな私が為すべきことのような気がする。
 ずいぶん民俗学とは離れ、交誼いただいた仲間には申し訳なく恥ずかしい。個別基礎科学たる民俗学としては。私は過去の人で良い。むしろ、その経験を活かして、技術開発や経済政策とは異なる視点から、多くの優秀な大学院生とともに「新しい公共」を考え、具体的な政策を提言したい。幸い、世の中の価値観も変わり、私の声に耳を傾けてくれる政治家や企業家、官僚も増えてきた。土木工学・経済政策のなかでも、個別研究ではなく、社会のあり方、政策を考えている指導的な研究者に私の試みに対する理解者が増えてきて、何度も驚くことがあった。
 今年は、小さな私ができることを、多くの院生とともにじっくり考え実践する年にしてみたい。
 大晦日、80になる義父母の墓掃除に従い、同じく80になる実母を訪れる今日、家族や自己の無病に感謝しつつ、ブログを見てくれる人、信頼してくれる人がいる限り、今、できることをやってみようと思う。
   元旦の後の暁に

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