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2010年1月 8日 (金)

運輸連合の戦術(ICカード)

九州は凄か!
JR九州のICカードSUGOCAと西鉄のnimoca、福岡市地下鉄のはやかけんとが共通化するという。2010年にはJR東日本と共通化、2011年九州新幹線全通の折には、JR西日本、東海と、電子マネーの相互利用も含めて共通化をめざしている。
 首都圏では、JR東日本のSuicaと民鉄バスも含めたパスモのどりらもが相互利用となっている。Suicaが3001万枚、パスモが1000万枚。関西はJR西日本のICOCAが502万枚、民鉄バスのPiTaPaが90万枚。SUGOCAは14万枚。ユーザーが少なければ、簡便なカードにならざるを得ない。
2008年から始まった広島都市圏では、ICOCAは電車・バス・アストラムに乗れるが、バス・電車共通カードPASPYではJRに乗れない。片側共通化になっている。スケールメリットもあって、ICOCAはセキュリティが高い作りになっている。これは辛い。
 民鉄、バス会社の強みは、居住地、職場、盛り場など、エンドユーザーに近い場所で活用されていることである。それだけに、地方では門から門までのマイカー通勤には劣勢である。JRは中遠距離に強く、マイカー通勤にも耐性があるが、高速道路に弱い。
 こう考えると、高速バス、路線バス、路面電車、アストラム共通のPASPYは、乗換え無料などICカードによる飛躍的なサービスを付加する必要がある。居住地の路線バス無料、職場までの路面電車無料を組み合わせ、高速バスでJRや高速道路通勤から客を奪い取る気概が必要だ。
 乗換え20円割引くらいのことでは、新商品のインパクトはない。客離れの激しいスーパーほど、客の顔色を見ながらだらだらと価格を下げる。そうではなくて、100円豚肉と、高級イベリコ豚350円を並べることが重要だ。きちっと乗換え無料という新商品を打ち出し、クルマ通勤から客を引き剥がしてくる覚悟が必要だ。
 こういう大胆な攻めをする運輸連合に、公金を投入し、そのリスクを負担・担保して支援するのは、当然ではないか。
 高速バスの収益で、赤字バス路線を維持しようと地方のバス会社が努力している今日、国が高速道路を無料化するなら、都市圏のバスや電車は半額にするくらいの補助を運輸連合に投入しなければ、公平性に欠ける。
 もし、高速道路無料化を北海道だけに限定するとしても、乗換え無料のゾーン運賃制度に挑戦する地方の運輸連合があるなら、そのリスク負担を支援するのは、必然である。

民主党国交省政務三役に伺いたい。人を大切にしたいのか、コンクリートの上をぶっ放すクルマを大切にしたいのか。コンクリート上のクルマではなく、生活が大事、人が大切だったのではないか。高速道路を無料化すればCO2が25%削減できるのか?小学生でもわかる詭弁はみっともない。
 過てば改めるにはばかる事なかれ。人と暮らしに支援する運輸行政をすすめよ。

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