会津大内
故宮本常一先生の愛弟子・相沢さんに何度も聞かされた大内に行った。茅葺宿場町の伝統的建造物群保存地区であるが、山の暮らしに感動した。朝もやの中、新聞を配る人、
朝一番、ホースではなく長柄杓で水路から水を汲んで「キヨメですから」と撒く人。
地元の小さな焼き物に一輪一輪、野草を生ける人、手作りの縫い物を、気に入った人にしか売らないという人、高原野菜の大根や、うちは蜂屋だからと蜂蜜中心に売る人、一人一人の生活に対するこだわりが、この景観を作っている。地元のキノコ名人の平茸を売る人。
元来、木地椀と狩猟・焼畑、明治になって養蚕、専売制度ができて落ち葉をいっぱい入れた畑で葉タバコ。電源開発による文化的生活に憧れ、その後、落ち葉養分の畑を生かして大根、カネゴエを使い出して連作障害が出て、切花栽培、それと出稼ぎで暮らしてきた。それだけに、先祖から受け継いだ資産を生かすべく皆で努力しているのだ。ただ、連休ともなると自動車が押しかけ、村の雰囲気が商店街のようになる。村の価値がそがれ、いつ、誰も振り向かなくなるか、皆、密かに心配している。
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