レビストロース「はるかなる視線」
構造人類学の祖、現代思想に影響を与えた巨匠:レビストローズが逝った。大学1年生で読んだ「悲しき南回帰線」。その翻訳者で愛弟子:川田順三先生との対話で学んだ贅沢。文化人類学は異文化を研究するだけでなく、外国の、異なる文化を視ることで、はるか遠くからの自画像を視ることでもあるという。世阿弥も「花鏡」で、見物人から見た離見の風姿こそが大切で、自己の視点は我見であって、異なるものだという。今の文化人類学に一番欠けているものではないか。いや、土木工学も文学も我見が多すぎるのではないか。
地域の課題を、外から研究者がおせっかいに出かけて議論する意味は、そこにある。文系の私が土木のことを議論する意味はそこにある。環境のことも経営のことも施策のことも、そして地域のことも、はるかなる視線、離見を心がけたいものである。
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