« 【交通まちコミ】10月19日宿題 | トップページ | 【学部開発環境演習第2期】新長田さるくマップづくり(路地サミット) »

2009年10月21日 (水)

くるくるバス5年目の住吉台生活意識調査

私が交通に関わったのは、2004年の住吉台くるくるバス実証事件。都市再生モデルのお手伝いから。その後、本格運行に向けての住民協働コーディネートを無償で引き受け、2005年1月に本格開通した。その後守る会ができ、利用者が増え、補助金無しで、15分ピッチで走っている。さらに、路上駐車を住民の手で追放し、クルマの保有をやめる人が増え、新たに住みだす人や三世代同居が出てきたという。(「くるくるバスがもたらした持続可能なオールドニュータウン」【交通工学技術賞受賞】『交通工学』42巻1号、pp25-35、2007年1月、交通工学研究会)(森栗茂一「交通を活かしたまちづくりと市民参画・協働・ボランタリー起業~住吉台くるくるバス・山口市市民交通計画から㈱神戸まちづくりまで~」都市問題研究、第696号、2008年12月、大阪市都市問題研究会)

しかし、どの程度地域価値が増加したのか、クルマに頼らない持続コミュニティになったのか、明確に知りたい。ということで、地元神戸大学のT先生とアンケート調査をすることになり、昨日、くるくるバスを守る会へ挨拶にお伺い、お願いした。

アンケート原案は生活実態を6年にわたり観察してきた私が作り、T先生と院生が調査したい数値項目も入れこみ、さらに、T先生、バス事業者が大阪大学まで来ていただき意見交換し、修正案を作った。T先生は、修正案を、バス運転手、守る会事務局長に見せ、さらに意見を伺いアンケートを完成させた。何度も書換え、数値処理できるように整理した上で、守る会に配布をお願いに、私と一緒に出席した。

守る会では、常任世話人(当初の実証実験・開通に関わった人々)と世話人(自治会会長、老人会会長)、区役所、バス事業者が意見交換していた。バスを阪神御影駅近くに停めて欲しいとの声があり、主婦が「阪神御影駅前の商業施設に阪急オアシススパーが入ってから超人気」と発言。一同、びっくりしたところで、私が「それではアンケート問15の選択肢には、阪神御影駅近辺とあるのに【阪急オアシス】をいれましょう。ですから、配布をよろしく願います。回収率が重要です。阪神御影を選択する回答が多ければ、バス会社は考えますよね」と、隣のみなと観光バス社長に眼をやる。皆がおもしろそうに見ている。会議後、私は一人一人の世話人のところに行き、ご挨拶をした。昔からの知り合いも大切だが、開通当時の事情を知らない世話人に理解をいただき、アンケートに協力したもらうことはもっと大切だ。

小さなコミュニティのアンケートは、調査者が一定の思いで配布して回収しても成果が難しい。文系の研究者、工学の研究者、バス事業者が忌憚無く意見交換し、住民やバス運転手の声を組み込み、さらにはステークホルダープラットフォーム(守る会)で議論し、その議論の流れを機敏にアンケートに盛り込み、その意義を守る会の皆様と共有して実施することになった。住民協働型アンケートとはこのように地域議論に作動し、練り上げられるからこそ、より暮らし実感にそった成果が期待されるのである。T先生、なかなか頑張っている。衆生のなかに仏を見つける菩薩業をしているのだ。土木屋として一皮向けるかもしれないなあと、思っている。


|
|

« 【交通まちコミ】10月19日宿題 | トップページ | 【学部開発環境演習第2期】新長田さるくマップづくり(路地サミット) »

交通を活かしたまちづくり」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 【交通まちコミ】10月19日宿題 | トップページ | 【学部開発環境演習第2期】新長田さるくマップづくり(路地サミット) »